真空ポンプにより薪に含まれる水を吸い出して乾燥させるアイデアの続きです。
仮に、メッシュパレットを 1 台突っ込むとして、カゴにきっちり薪を入れた状態なら、概ね 1/3 くらい空間ができるわけで、くぬぎの場合、比重は 0.85 だから、薪自体の容積は 0.66m3 位、製品になった時の重さは、0.561t で、この時、DB で含水率は 15% であるので、1.15 で割ったものが水分を一切含まない薪の重量であり、0.488t、ドンブリで 500kg と考えます。
そうすると、適当に乾かして出荷前に DB で 30% のものを 20% (WB だと、16.7%)まで含水率を落として上げれば、出荷できるわけですから、計算上 50kg 分の水分を抜けば良いことになりますよね?
チャンバーは完全に気密状態を維持できると仮定すると、その 50kg の水は全て水蒸気として真空ポンプにより排出される(というよりも排出しなければならない)と思うんですが、そうすると、それの体積がどの程度か、ということが計算できれば、乾燥にかかる時間・必要なポンプ能力がわかると思うわけです。
水ってのは、分子量は 18 で、1mol は 18g ってことになるかと思うわけですが、その体積は、22.4l だったと思うのです。
真空ポンプの能力として表示されている、xl/min は、何時の時点の数字なのか、というのはわからないんですが、仮にチャンバー内が平衡状態になった時に 22.4l/min の排気速度があれば、それはつまり、毎分 1mol の水(水蒸気)をチャンバー内から汲み出しているということにほかならないわけで、18g の乾燥が行われている、ということかと思うわけです。
上記 50kg、つまり、2778 mol の水分を飛ばすのに必要な時間は、2778 分となるので、約 46.3 時間、2 日ほどかかる状態かなと思うわけです。
さて、この時に問題となるのは、水分を水蒸気にしなければならない、ということなんですが、約 40.8kJ/mol のエネルギーが必要です。チャンバー内部が減圧されれば、それだけチャンバー内部の薪(の中の水分)に熱が伝わりにくくなるため、それをどうにかする必要があるわけで、エコキュートのように大気中から熱を奪うなりする必要があるのではと思います。
マグネトロンによる加熱の効率を知らないのですが、80% と仮定すると、2778 * 40.8 / 0.8 kJ in kWh で、約 39.3kWh となります。
真空ポンプは、アルバック機工の G-101D を使ったとすれば、ガスバラスト機構を使用している状態で、真空到達度 100 ミクロン(13.3Pa) の時 30L/min 位(グラフを目で見ての数値)の排気速度があるようで、ポンプの消費電力は 400W みたいです。
ガスバラスト機構というのは、水蒸気を吸う時にあるといいみたいです。
http://www.ulvac-kiko.com/faq/faq_q16.html
マグネトロンの方は、46.3 時間に 39.3kWh なので、850W くらい、まあ、1kW の出力があれば良いと思います。
両方で 1.5kW なので、仮に 48 時間運転したとすれば、72kWh、1kWh あたり 25 円とすれば、約 1m3 の薪をフリーズドライするのにかかるコストは、最悪で 1800 円(装置コスト、人件費含まず)ってことなのか、と思うわけです。
600kg のくぬぎ薪、1kg 60 円なら 36000 円になるんで、原価が 1800 円もアップはどうということはない、寧ろ 2 年寝かすところが 1 年になるメリットのほうが大きいかなと。まあ、1kg 60 円の値付けで売る能力がある人は、という前提条件がつくので、俺の場合は無理。
まあ、時間短縮にはマグネトロンの出力を上げればいいだけなんでしょうが、それなら、真空ポンプを使って沸点を下げる必要はないわけで、沸点を下げるのは、マグネトロンによる加熱をせずとも、大気からの熱流入によりチャンバー内部の水分が気化させることが目的だったわけで、本末転倒だと思うわけです。
マグネトロンに頼らずに、大気中の熱を効率よく薪内部の水に伝える方法を考える必要がありそうです。
ここまで全て素人の机上の空論。個人的、備忘録。