薪の原価計算

今まで謎だったことの一つは、仕入れた原木 1t から、製品がどれだけの重量作れるか、ということです。

四国薪さんの、クヌギとナラの見分け方 というエントリーに実際の数字が書かれていました。

重松が仕入れる原木は、葉枯らし乾燥したものになりますが、概ね重量が 30% 減ってしまう、ということのようです。1t 仕入れても、使用できる含水率にまで乾燥させると、700kg になるということですね。

つまり、原価は、この部分だけで、1.5 倍かかるようになる、ということになります。

ここのところ数日作業しての感覚として、ロス(規定の長さに満たない、節などがあり綺麗に割れていない、虫食いなどがある)がこれまた 1/3 程度でます。

なので、製品になるのは、重量部分で 70%、ロスで 2/3、都合 46% ですから、約半分ということになります。どんぶり勘定の原価計算がほぼ正しかったことがわかりました。

そういう意味では、現時点で、1m3 あたりの薪の生産(乾燥は含まず)に 2 時間かかっていることを考えると、普通作業員のコストを 12,000 円とすれば、単純な人件費だけで 3,000 円ですから、諸経費(場所代や、機械などのランニングコスト、事務経費など)を含めると、6,000 円が製造原価と推定されます。

ということは、利益も適正に必要ですから、1m3 は 20,000 円(生木)での販売が必要、ということになりそうです。

1m3 は、含水率 15% 前後の気乾状態の場合、概ね 600kg です。ですから、税込み 15,000 円なら 1kg あたり 25 円、購入時の重量での単価は、1kg あたり 17.5 円です。20,000 円でも、33 円ですから、1kg あたり 60〜70 円という相場価格からすると、自分で乾燥させるだけで半額で買えるということになるわけです。

当面は、予約販売ということと、重松自身が作業をして勉強をさせて頂いている範囲なので、15,000 円での販売を継続しようと思いますが、生産性をさらに向上させる必要がありそうですし、なによりも乾燥に 2 年掛けることは、非常に難しいため、早期に乾燥機の導入が重要になると思われます。

乾燥機には、出たロスを燃料として使うことで、端材を有効利用できる事にもなるかと思います。

四国薪さんも書いているのですが、高温で乾燥させれば、害虫やカビなどもある程度消毒できます。

含水率などは調整できないファクターなので、歩留まりは 40% くらいでみたほうが良いようにも思います。ただ、だからといって、原木の価格をこれ以上下げてもらっては、自分自身の目的が達成できない(原木を高く買う)ので、製造コストを削減する方向で、効率化を模索したいと思います。