玉切りするとかさが増えるのか、それとも減るのか

firewood_measures_in_steres玉切りをするとかさが増える、という記事を見ました。

自分の今までの経験では、玉切りをすれば明らかにかさは減るという理解だったので、驚きましたが、ちょうど、薪の長さと乾燥について思うところがあって調べていたのですが、そのことも含めて少し考えてみたいと思います。

画像は、引用元を失念しましたが、1 stere(1RM、1m3)の原木を玉切りした時に、1/2 = 50cm・1/3 = 33cm の時に、それぞれどのように体積が変化するのか、というものです。
無論、原木の太さや曲がり具合などのばらつきにより、減少率はかなりの誤差はあるものと思われますが、増えたりはしていません。

薪の生産販売をはじめたわけですが、毎度、どこまでいっても結論のでない話の一つに、薪の長さをどうするのか、ということがあります。

これについては、基本的に機械で生産しているので、人間が丁寧に玉切りするようには長さは揃いませんが、概ね 30 — 35cm をメインに作っています。

この前もお客さんに、機械で作ってるんだから長さが揃うんじゃないんですか、といわれたんですが、全く逆です。

薪製造機は、テーブル(またはベルトコンベア)に原木をのせて、ストッパー等に当てて採寸、切断する構造になっているものがほとんどです。

原木は、大なり小なり曲がりなど形がいびつですから、時に傾いたり、斜めになったりして、たとえば、ストッパーを 35cm にセットすれば、斜めになったら、斜めになっただけ長くなるわけですから、うちでは 35cm の薪を作る場合には、33cm でストッパーをセットしています。

とまあ、話が脱線したので元に戻りますが、ウッドバッグ等に薪を積める際に、短く切ったもののほうが明らかにかさばらずに多く入ると思います。

理屈的にも、曲がっていたりする部分により発生していた隙間が、切断することに減少するので、かさが増えることはないと思いますが、どういうことなのか、とても気になりました。

後、乾燥の速度として、綺麗に井桁に一列に積み上げたら、当然、短いもののほうが薪の重量に対しての表面積が増えるので、乾燥は早くなると思うんですが、ウッドバッグ等に充填した場合、天日(露天)で雨よけだけの状態での乾燥の場合、短いものののほうがかさが減る=隙間が減る=通風が悪くなるため、乾燥時間がかかるということです。

ウッドバッグで薪の長さによる乾燥速の比較をしたことがなく、また、現状テント式カバーを使う予定なので、単なる雨よけだけの状態での乾燥を行うかどうかは微妙なんですが、テント式カバーは、加温作用の他にドラフトを発生させて内部の空気を強制的に入れ替える仕組みも併せ持つと思うので、うちのように短めの薪を作る事が多いシーンではとても差がでるのではと感じています。

というわけで、薪の長さをどうするのか、ということで言えば、少しでも長く作るほうが、積まないでがさつに保管するなら乾燥が早くなるし、切る回数も割る回数も減るので、商売的には効率がいいんだけど、40cm 薪を作っても、全然売れないので、短めのものばかり作っている、という現状です。

ただら、もし、玉切りをする、短く切る、そうしてかさが本当に増えるってのなら、少なくとも乾燥速度は早くなるので、救われるのかしらと思ったりしたわけです。

でも、キャリアのある先輩薪屋さんと話をした時に、30cm は乾燥が遅いから、一番最初に作る、とおっしゃっていたことからも、やはり、玉切りをする、そして、短く切れば切るほど、かさは減るってのが正解ではないかと思います。

これからの作業の時に少し気にしてみようと思います。