テント式倉庫 SHELLDOME — 慣れた頃に終わるのは世の常

テント式倉庫 SHELLDOME の組み立てですが、ほぼほぼ終わりました。

とりあえず、いろいろなハマリポイントがあったのですが、特にひどかったのは、付いてきているボルトが長すぎて組みたたない、ということでしょうか。
半日くらいロスしました。

それと、ハイルーフは思ったよりも高くて、結局、足場を組むことになったんですが、最初は普通に組んでたんですが、後から面倒になって、ダンプの荷台の上に組んだんですが、これは大正解でした。

一番ハマったのは最後のシート張りで、これだけで一日くらいかかりましたが、ようやくできたと思ったら、裏表逆、最初からやり直し、というのがキツかったです。

なんだかんだで色々と工夫して、ようやくできたわけですが、おそらく次に同じものを建てるとすると、半分どころか、1/3 くらいでできそうなくらい大変でした。

慣れた頃に終わるのは世の常、なんでしょうね。

あと、昨日の時点でシートを張って(裏表逆に)帰ったわけですが、内部で結構結露していました。

カッターで切れば、簡単にシートは破られるので、防犯上、よろしくないので、重機を仕舞うくらいの予定なんですが、工具を締まったりするつもりだと、ちょっとテントでは不都合が生じるかもしれません。

地面からの湿気なのか、とりあえず、結露するよりはしないほうがいいわけですから、原因療法と、対症療法、どちらのアプローチでも問題を解決できないか、検討してみたいと思います。

いずれにせよ、ようやく薪ヤードにも、屋根ができて、機械を雨風から守ることができるようになりました。

頑張って、ヤードの整備をすすめつつ、薪の生産も頑張っていきたいと思います。
良い薪を作れるように、なお一層努力をしたいと思います。

ベアリングとハウジングの選定

アッグが壊れた件の続きです。

うちの薪の製造プロセスにおいて、アッグは極めて重要なアタッチメントで、必要不可欠といえ、故障していることにより、薪の生産自体が中止してしまっています。

解決方法としては、1 台ではなくて 2 台、バックアップを持っておく、ということにしようと思うのですが、流石に 2 台も新しく買うことはできないので、現状の大英帝国から調達した初号機の修理もしないといけないのかな、というところです。

roli_10_picそれと平行して、次回は実績のある Lasco 社製の Roli を調達したいと思っているのですが、結構小さな機械なので、1 台入れても 複数台入れても、オーストリアからドイツ(もしくはイタリア)までの陸送費であるとか、通関のコストであるとか、そういう付帯費用が占める割合が大きく、台数をまとめればコストが下がるので、ウッドバッグの調達 のタイミングで一緒に入れようかなと思っています。

一部の方には、すでにお声掛けをしているのですが、興味がある方がいらっしゃったら、お問い合わせ ください。

こちらでブラケットやホースまで作り、ポン付けできる状態まで仕上げることも可能ですし、そういうことは省いて、本体のみご用意することも可能です。

価格的には、品物が 2,000 ユーロくらいです。
また、前回、ウッドバッグ 1 パレットを日本にまで運んだコスト を公開していますから、運賃はそのくらいと考えてください。

バックホーのアタッチメントとして仕上げるためには、ピン 2 本(@10,000 円くらい)、ピンを取り付けるためのカラー(2 個セットで 30,000 円くらい)、それにブラケットを作るための鋼板とその加工(カット+溶接)、塗装、といった工程が必要になります。

ホースまで含めて、前回は 15 万円くらいかかりました。(クイックカプラ含まず)

ここまで、えらくフリが長くなりましたが、本題に入って、修理する際のベアリングとハウジングの選定です。

とりあえず、という言い方が適切かどうかわかりませんが、Lasco 社のものは、なんだかんだで一式 50 万近い金額になる見込みですから、予算的にとても厳しいため、最終的にどうなるかは決め兼ねているんですが、仮に 50 万で購入した場合、年間 10% 償却していく、と考えると、5 万円/年となるわけです。

よって、現状の設計のものでも、修理代が年 5 万円に収まる範囲であれば、新たにまとまった資金を投資せず、場当たり的に、対処療法でしのいだほうが金利分お得、ということになります。

27mm のソケットがなくて、モンキーでやるには硬かったので、まだ、油圧モータの損傷自体を確認できていないのですが、現状のデザインでも、鋳物フランジのベアリングで 1 年は、相当無理をして使えたわけで、モータが破損しないように設計を変更し、ベアリングとシャフトのみの交換であれば、手間を考えなければ、5 万円もはかかりませんので、そういう方向(壊れる前提)というのもありかなとも思います。

ただ、ベアリングのカタログを見ると、40mm のシャフトに対して静荷重でも 30kN(ViO-30 のバケット掘削力)かけるのは難しく、技術資料を見ると、破砕機や建設機械は安全率として 3 倍見ておく必要がある(衝撃的な荷重がかかることがあるため)ので、90kN (バケットの支点と作用点との位置関係での話)ということになります。

通常の鋳鉄製角フランジ形ユニットベアリングの場合、40mm の場合、基本動定格荷重 40.5kN, 基本静定格荷重 24.0kN(PDF) くらいのようです。

軸を 60mm くらいにサイズアップすると、概ね、上記要件を満たすようです。

また、今回、ハウジング自体が割れた件ですが、SS400 で製造されているハウジングがあり、メーカに問い合わせたところ、鋳物のおよそ 2 倍の強度が期待できる、ということでした。

突き刺して吊り上げる、という作業は行う必要があるので、軸受に対して力のかかる方向の問題もあり、適切なベアリングを選定する必要があるのではないか、とも思うのですが、アキシャルとスラストとの違いもわかってない状態なので、かなり調べて見る必要がありそうです。

輸入品のため、ハウジングのサイズが異る問題がありはするんですが、そっちは 45° 回転させて、穴を刳り、タップを立てればいいだけなので、どうにでもなると思っています。

水曜日には、修理用の部品などについてパーツの購入元から連絡します、ということになっているので、分解しての状況確認と合わせて、方向性を決めていきたいと思います。

またしても騙されたのか? — 新型含水率計を注文してみた件

s-l400今までの低価格含水率計は、プローブと呼ばれる計測用の針を差し込み、電気抵抗で乾燥具合を測定するものが多いのですが、このタイプの致命的な欠陥は、表面の針を指した部分の周りしか測れず、差し込みが不十分だと、電気抵抗が大きくなるため、実際よりも乾いている嘘の数字を表示してしまうということです。

針葉樹はまだしも、よく乾いている広葉樹はとても硬く、プローブの付根は樹脂であるため、あまり強く押すと、含水率計自体が壊れたり、プローブの先端が潰れて使い物にならなくなる、ということもよくあることです。

というわけで、このプローブのない MD918 をお店の新商品として取り扱う使うため、サンプルを取り寄せているところです。

まあ、チャイニーズですから、届くかどうか、届いてもちゃんと動くかどうか、色々と博打の部分があります。

届く気配がまったくないのですが、また騙されたのかもしれません。

さて、どうしてこの含水率計のことをブログに書こうと思ったのか、というと、すごく違和感のある数字を見たからです。

上記エントリーに、

含水率4.8%

という表記があります。

正直、えって驚いたんですが、それはなぜかというと、木材というものには、気乾含水率というものがあり、通常の環境では、これ以上は乾きませんよ、という含水率があり、地域や季節(環境)によって異なるのですが、一般的には 15% といわれているのです。

軽井沢暖炉 成田店 さんは、プロで タイセーマシナリーの薪焚きボイラー による乾燥機をお持ちですので、強制乾燥させたのでしょう。

自然乾燥なら、半分に割って中心を測るべきところを、直射日光に当たった表面を計った可能性もあるんですが、プロですから、そんなことをした数字を表示したりはしないでしょうから、そういう可能性はないですし。

とまあ、そういうわけで、普通は出ない恐ろしく低い数字なんです。

そして、実際のところ、すぐに焚くなら別ですが、放っておくと空気中の水分を吸って、気乾含水率まで湿気ます。

カラカラに乾いた海苔を、ちゃんと封をせずにちゃぶ台の上にしばらく出しておいてどうなりますか、という質問の答と同じです。

ちなみに、含水率という表現は、ドライベースですが、ウエットベースですか、という話があるのですが、こういう含水率計(MD812, MD814, DM1100)はドライベースのものばかりでした。(写真のものがどうかは知りません)

いずれにせよ、普通に自然乾燥させて、そういう数字がでたら、よく乾いているな、と思う前に、ちゃんと計れてるのかな、と疑ったほうがいいと思います。

乾燥機を持っていない、普通の薪ストーブユーザーが、屋外の薪棚で作っている薪でそういう数字がでたら、なかなかない数字だから、気をつけてね、ということです。(MD812 の場合、測定範囲の下限が 5% ですから)

話を戻して、ドライベースとか、ウエットベースとか、どちらも含水率、と呼ぶので紛らわしいのですが、うまい表現を見ました。

ドライベース=含水率、ウエットベース=水分率、という表記です。

上記テキストから一部引用いたします。

■ 木材の水分 (含水率) 木材に含まれる水の割合を示す場合,通常は水分を 含めない木材重量 (全乾重量,ドライベース) に対する水分重量の割合を表す含水率を用います。

 含水率 = 水分の重量 / 全乾重量 × 100
     = (乾燥前の重量 – 全乾重量) / 全乾重量 × 100 (%)

なお全乾重量は,105°C で,重量の変化が無くなる まで乾燥させた状態の値を用います。木材重量に基づき算出されるため,水を多く含む場合,含水率は 100% 以上を示すことも多々あります。

このドライベースの含水率を用いるのは,木材の性質の変化を捉えやすいからです。例えば収縮は繊維飽和点 (後で紹介) 以下で,含水率に比例して変化します。

これに対し,燃料としての木材や食品などでは,水分を含んだ製品全体に対する水の割合 (ウェットベース) で示すことが多くなっています。木材について話していても,燃料の場合には注意が必要です。

なお,ウェットベースを水分率とすると,含水率を水分率に変換する場合,

 水分率 = 含水率 / (100 + 含水率) × 100 (%) で,反対は,
 含水率 = 水分率 / (100 – 水分率) × 100 (%) となります。

とてもわかり易い説明です。

これからは、ドライベースを含水率、ウエットベースを水分率、このブログではそう区別して表現しようと思います。

まあ、仮に 4.8% が水分率であったとすれば、含水率は、 4.8 / (100 – 4.8) × 100 = 5% であって、極端に低いことには代わりありません。

で、脱線したのでもとに戻って、ようするに、慣れない、あるいは説明書を読まないで使うと、表面のカラカラの部分だけ計って、乾いていると勘違いしてみたりしやすい、また、針をちゃんと刺さずに出た、あるいは、木口など不適切な部位で計測て出たいい数字をもって、これまた勘違いする、という欠点が電気抵抗式(プローブ式)にはあるわけです。

プローブ(針)のない小型の比較的安価なものもありましたが、安価といっても、今までは、個人が気軽に買えるような金額のものはなかなか存在ませんでした。格安でも、4 万円に近い価格していたわけです。

まだ手元に届いていないので詳しくはわかりませんが、MD918 は、電気容量式と推定しています。

各種水分計の原理や特徴は、以下のテキストがわかりやすいです。

MD918 のチャイニーズ価格は、概ね数十ドルなので、日本までの送料や税金を含めても、お店では概ね 1 万円以下、できれば 5,000 円くらいで販売できるような仕入れルートを確立したいと考えています。

円安傾向ですので、そこそこになってしまう可能性はありますが、それでも、今までものと比べて格段に安くできればと、期待しているところです。

まあ、届くか届かないか、まずそこをクリアしてからですが、届いたら上記、佐藤商事が扱っているイタリア製の含水率計をお持ちの K さんにもチェックしていただき、品質が実用に耐えうるか、一応、Hearth & Home は、セレクトショップですから、自分が納得行くまでテストしてからでないと売らない主義なので、しばらくは、モニターさんも募集しつつ、針のない含水率計の普及を目指して頑張りたいと思います。

本当は、個人でも、フォークリフトの荷重計のように重さで乾燥の管理もできれば最高なんですけどね。

曲がれるのか、曲がれないのか、それが問題

ヤードに原木を運ぶ際に、トレーラが曲がれるのか、曲がれないのか、ということが問題です。

結論からいえば、曲がれませんけど、じゃあ、どれだけ道を拡げれば曲がれるのよ、という話です。

とりあえず、右に曲がるとして、ヘッドのハンドルを目一杯切って、それで尻がどうついてくるか、というのを作図して、それを衛星写真に重ねて、どれだけこするのか考えました。

軌跡図は以下から引用したものです。

また、左右反転して、左折した場合のものも作成し、それもオーバーレイしてあります。

軌跡図は据え切りでハンドルを目一杯切ってヘッドが 90 度傾いた時点で据え切りで戻す、というあり得ない運転をした場合のものであって、見ての通り、ヘッドの左前方の軌跡を見ると、かなり無駄がある動きをしているので、実際の運転とは異なりますし、もう少し左側のスペースを有効に使えば、多少は尻が小さく回ってくれるとは思うんですけど、それ以前に、完璧なタイミングでステアリングを完璧な量切り、その後、ミスなく旋回する、というようなことはできるわけもありませんし、意外と急な坂+砂が落ちていて滑るような悪路なので、尻に押されて膨らむ可能性もあるんで、ヘッドを左ギリギリに寄せるとか気持ち悪くてできないので、実際には、1m 程度の余裕は欲しいところです。

草が茂っていてわかりづらいと思うんですが、道路自体、左は最初間知ブロックの擁壁があり、その先、トーフが積んであって、トーフの手前にはアスカーブがあります。
アスカーブは壊すことができないので、アスカーブに沿って曲がったとして、現実問題、左コーナーがそうそうはみ出すものではないので、実際には、シャーシの右脇がオンデュリンの壁に当たる、よって、そこを後退せるしかない、ということになります。

仮設ゲートのポールを動かすのは大変なので、そのポールくらいまで壁を後退してもらえば、40F コンテナ車でも、理論上は曲がれそうな気がします。

M 組の社長さんにお願いして、通してもらえるかどうか、というところでしょうかね。

ダメなら、小運搬する必要が出てきてしまい、手間といえば手間でしょうが、山からヤードまでちまちま 4t 車でやることを思えば、大した問題ではないようにも思えます。

結局のところ、こういう問題があって、借地料が安いわけですから、工夫してなんとかするか、受け入れて小運搬するかしかない、ということになります。

アッグの油圧モータは死亡したようです

アッグ的薪割り機がぶっ壊れた件ですが、結論からいえば、

I check the parts , the shaft is not for replace , needs to another hydraulic motor.
But I let you know all details on Wednesday
Sorry for the delay

ということで、モータは換装してね、ってことになりました。

厳密にいえば、実際問題、シャフトは、キーであったり、スプラインであったり、テーパーであったりして、その部分だけ、部品が違うので、部品が出れば直すことはできるんでしょうけど、部品は意外と高いものだし、折れるほどの損害が出ている以上、他にも疲労がたまっている可能性もあるので、素直に換装した方がいい気はします。

ems-05それはそうと、知らない間にモデルチェンジしていて、ドリルの形状も変更、サイズも大きくなり、シャフトも相当太くなっています。

値段は 1,600 ポンドくらい、前回の経験だと輸入の経費に 10 万くらいかかったのですが、これにすると壊れるリスクが格段に下がりそうに思います。

ただ、ブラケット等も作り直す必要があるので、なんだかんだで 40〜50 万かかることもあるので、そこまでは予算を掛けられないし、とりあえずは、修理する方向で考えてみようと思います。

モータに関しては、前回検討したように、作業効率は多少落ちる可能性がありますが、ディスプレースメントを 400cc くらいにアップグレードし、念のためにダブルリリーフバルブを組み込み、噛み込みリスクの軽減と、反転時のトルクを強く調整することで噛み込んだときの回復をより確実なものとしたいと思います。

懸案のマウント方法については、ハウジングを鋳物ではなく、SS400 のタイプのものを見つけたのですが、まあ、値段次第、というところではあります。

モータ保護のため、直結するのはやめて、何かのカップリングを介して、接続する方法も検討してみたいと思います。

百聞は一見にしかず — 薪ストーブと煙突とそれらの温度をビジュアライズ

K さんに借りているサーモカメラで燃えている薪ストーブを撮影してみました。

こういうのを百聞は一見にしかず、というのでしょうね。

薪ストーブ本体ですが、思っていたのと温度の分布(高温になる部位)が違っていました。

あと、煙突ですが、うちは、室内は、ICC 社の ULTRABlack という空気断熱のものを使っているのですが、ダンパーを取り付けてある口元のシングル部分のストーブアダプタと比べて、温度が 100 度くらい低くなっていて、断熱されているんだな、と思いました。

まだまだ高価なため、流石に、ストーブの温度を測るためだけに購入するには躊躇するカメラではありますが、設置業者さんなんかは、お客さんに、薪ストーブの燃焼時の温度分布などを視覚的に説明できるので、良いアイテムだなと感じました。

どうでもいいことですが、うちのニャンズは、茶色いので、時々どこにいるのか隠れていてわからないことがあるんですが、サーモカメラでは一発でした。

本来の使用目的、薪の乾燥庫の断熱のチェックですが、まだ SHELLDOME も完成していないし、太陽電池小屋へのアプローチ部分のコンクリート舗装もできてませんので、年内はちょっと難しそうです。
サーモカメラは、一旦、お返ししたほうが良さそうです。