久しぶりの薪割りでヘロヘロです

道路の支障木をもらって来ていたものですが、ヤードにずっと積みっぱなしになっているし、春の原木もまだ放置状態のものがあって、そろそろ新しい原木の伐採が始まり、そのために林道をつける際の支障木などがまたで始めるので、とにかく早く割るだけ割ってしまいたい、ということで、今日は本当に久しぶりに薪割り作業をしました。

道路の支障木は、某ストーブ屋さんから注文を頂いているミッスクの生産に回します。
買っている原木ですと、採算が取れないため、仕方ないのですが、あくまでも「ゴミ」を資源として活用するための作業となるので、とにかく手間がかかります。
人件費もあまり掛けられないので、極力自分で作業をする量を増やすしかありません。

で、初代 450 がお陀仏になって以来、長らく空席だった 50cc クラスのチェンソーですが、まあ、お約束で、何のひねりもなく二代目 450 が本日初稼働であります。

同じ機種なので、見た目が綺麗、ということ以外、使い勝手も特に変わりません。

まあ、これから、焼かない程度にこき使ってやろうと思います。

太めのもので夜見た時は良さげに見えたものですが、昼間見るとアララ、という感じで、玉切りして、アッグで割ってみると、ちょっと残念な状態でした。

テンションだだ下がり。

しょぼくれていても、原木は薪にはならないので、シコシコ割りました。

とにかく早くトロンメルを稼働させて、木くずと、後、大きすぎるものとを弾いて、良品だけ袋詰できるようにしたい、そのためには、LogFill 的ホッパーも作らないといけないし、肝心のトロンメルのベース部分も作らないと出し、などと妄想しながらないので、今ひとつ身が入ってない感じだとは思いますが。

今日の薪はこんな感じで、それほどダメダメというわけでもなさ気ではあります。

薪になった後なんでわかりづらいかもしれませんけど、2 枚目の白っぽい薪、何の木でしょうか?
この木、結構たくさんありまして、芯材も辺材も白くて、結構柔らかめ、よく枝は楕円になってます。
基本的に割りやすく、ところにより、節などの部分が丸く膨れ上がっている事があって、そういうところは割りづらいこともあるんですが。

なんだかんだで今日は 5 袋くらいで終了してしまいましたが、恐ろしく、疲れました。
さっさと風呂入って寝ようと思います。

DLD 針葉樹の薪

帰りの途中、K さんを訪問して、K さんが注目をしている木材の乾燥方法について、見学をさせていただきました。

企業秘密的なことがある可能性があるので、詳細の公開は控えたいと思いますが、可能性を感じることができたので、近いうちに実験をしてみたいと思っています。

その後、薪のことについて色々話をする時間もいただけたのですが、少し気になる話があったので、忘れないうちに、メモを兼ねて書いておこうと思います。

それは、針葉樹の薪についてです。

まず、薪を生産する立場から見て、針葉樹ってどうなの、ということを考えると、針葉樹で薪を作る(経済的な)メリットは殆どない、といえます。

たとえば、スギやヒノキの比重は、0.4 前後で、クヌギやナラ・カシといった薪に最適なものと比べると半分程度にとどまります。

つまり、同じ重量の薪を作るとすると、約 2 倍以上の原木が必要になりますので、当然ですが、2 倍切って、2 倍割って、そして、乾燥には 2 倍のスペースを必要とするわけです。

柔らかく、直材が多いため、単純に 2 倍の手間はかかりませんし、乾燥の速度も速いのですが、まあ、少なくとも生産するものの重量(カロリー)でみれば、より手間はかなりかかります。

このことは、過去 針葉樹の薪は売れるのか!? というエントリーでちょっと書いてあります。

ちなみに、同じ重量で考えると、広葉樹よりも針葉樹のほうが燃焼して得られるエネルギーは多少多い、ということがわかっています。→ 針葉樹と広葉樹

こういう背景があることを理解して、続きをお読みいただければ思います。

針葉樹の薪を売っているところ、ということ思いつくのは、DLD さんと、吉里吉里国 さんくらいです。

まず、吉里吉里国 さんの場合、重量での販売であり、針葉樹 10kg 600 円、広葉樹 800 円ということになっています。(税込みですが、送料別の値段です!)

針葉樹は広葉樹に対して、重量が同じなら 105% の価値があるため、吉里吉里国の場合、カロリーベースで考えると、針葉樹の薪が 1.4 倍お買い得となっています。

尤も価格を見た時点でお気づきになられるかと思いますが、価格は全く競争力がないものとなっていて、実際に所は、寄付であり支援だと思います。

生産の様子をみても、あくまでも、地域の資源の換金・雇用の場の創出という目的で行われているものであると思われます。

ですから、単純に高いとか安いとか、そういう問題ではなく、薪を作るのが目的ではなく、様々な薪屋さんが存在する、という一つの左証かなと思うわけです。

さて、大手 DLD さんの場合です。

値段について、一束いくらとか、一枠いくらとか、重量についても、容積について一切説明がないため、価格を判断することが不可能なのですが、仮に一束というのが φ22cm の針金で結束したものを指すとすれば、30cm の場合、容積は 21.2L であり、比重を 0.5、隙間率を 30% とすると、7.4kg ということになり、これが基本料金を別として 260 円(税別)で販売されている、1kg あたり 35 円(税別)ということになります。
45cm の場合、一束 280 円 で、容積は 31.8L, つまり、11.1kg ですから、1kg あたり 23.4 円(税別)ということになります。

K さんから聞いた話では、体積売りで、多少(2 割)安い程度、ということだったんで、それは詐欺ちゃいますか、という話をしたんですが、コストを計算してみれば、灯油並みですね。

ただまあ、針葉樹(のみ)の場合、自分の経験でいえば、温度が上がりすぎることがあるので、販売時に、その問題をどうクリアしているのか、ということはとても気になります。

実際のところ、企業としての努力がすごいのでしょうが、ビジネスモデルとして良いなと思える点は、まず、DLD サイドとしてみれば、ミニマムチャージがあるということで、これはコストコなんかと同じ収益構造ともいえるんですが、会員数だけ固定のベース収入があるので、設備(ヤードのコストなど)をこの部分で賄えば、極論すれば、薪の販売自体で利益を出す必要自体がないわけで、とにかく安定した経営が計画できるという点です。

DLD さんの理念と実績はさておき、結局のところ、針葉樹を薪として使おう、というのはどうなのか、自分の中では、まだ答えはでていなくて、これがもし FIT 前であれば、山に大量に間伐材などが打ち捨てられていたので、もったいないから、という発想も成り立ったんでしょうけど、正直、チップにしてもう少し小さなバイオマス発電で熱まで地域で使い切るのが一番効率が良くて、薪はやはり広葉樹でやったほうがいいんじゃないか、今のところは、薪の生産効率や、薪を買ってくださるお客さんの立場(生活環境)を考えると、そんなふうに漠然と思っています。

まあ、スギやヒノキの薪の最大の問題は、樹皮の裏に虫が入って、粉まみれになるあれをなんとかしないと、売り物にはならないということでしょうけど。