【林業機械展】TOSA ULTRA CUTTER

うどん県なのになぜか高知家が幅を利かせている、と書いたんですが、本当に高知の各企業の商品が目立ちました。
これも高知県の 岩禮工業 さんというところの出展です。

実際に使ってみたわけではなく、デモも単に刈払機の動作を見るだけだったので、作業性に関しては未知数ですが。。。
その範囲での感想として、少なくとも 丸善の刈払機 よりは使えそうだ、とは思いました。

丸善の刈払機 のものは、整地済みの広い駐車場的な所や、人工の法面などは良いとしても、自然の崖の場合、些細な凹凸で、出っ張っている岩に刃先が当たったり、窪地に全体がハマったりして、まともに使える現場のほうが少なかった感想があります。

カルマーというものがあるんですが、あれとよく似た見た目です。
カルマーは摺動なんでしょうか?

この刈払機は、動作としては、下の刃が固定で上部のみが回転します。
そのため、刃の回転できるわけではなくて、挟み込んでのせん断なので、回転が意外と低速のため、その分、衝撃、騒音、また、飛散などが少なくて済むと推定しました。

こういうタイプでの問題の一つに、摺動でないならつる草等が巻き付いてしまう、という問題点がありますが、その点は、改良されていて、上部に絡まるものを切断する補助カッターが装着されています。
写真で言うと金色のものがそうです。

それ以外に利点としては、見た目的に明らかに小型軽量というのがありますね。

反面、デメリットとしては、何よりも価格です。
なんと 200 万もするそうで、正直、高すぎると思います。
海外では、このクラスのハンマーナイフモアは 50 万円程度です。

あと、刃がノコ刃になっているので、研磨などが容易ではないと思われる点です。
事実上、新しい刃を購入し続ける必要があるかと思うのですが、爆発的にヒットするとも思えず、そうなると、ランニングコストも高止まりするだけではなく、部品の供給の問題も出てきますね。

それとハンマーナイフモアだと対象物がミンチ状に破砕されるため、大幅に減容されて、後片付けが楽、もしくは不要ですが、これは切るだけなので、多くのケースで後処理が必要ではないかと思います。
これ単体で、ハンマーナイフほど細く裁断するのは現実的ではないように思いますし。

あと、かなり重要な点として、このアタッチメント自体の強度がどれほどかわかりませんが、アタッチメントを接地して、重機の自重を支えられないなら、急傾斜地などで車体が傾いた際などに不意に接地すると 200 万のアタッチメントがお陀仏、ということになりますね。
先端部分に何かしらの注意書きのシールが貼られているので、おそらく強度がない、ということかと思います。
モーターも露出しており、ダイレクトドライブと思われますので、そういう事故の際に、ひねる力が加わり簡単にモータが損傷するのではと思います。
構造的に何らかのカップリングを、回転を伝達するには十分ながら、ひねる向には圧倒的に弱い材質で作るなり、普通にベルト駆動にするなり、多少重量とコストが増加しても、高価な部品が損傷することがないような設計でない点も気になります。

クサカルゴンの場合、ベルト駆動になってます。
かりあげクンはダイレクトだということで、メーカに大丈夫か聞いたら、まあ当然ですが、大丈夫といってますが、個人的には全くそうは思わないし、何かあった時に不利益を被るのはエンドユーザですからね。
少々の部品をケチって、事故のときの被害が大きい構造、というのはコーンスプリッタで懲りました。
あれ以降、壊れる際に、「積極的に壊す部分」を用意しない設計というのは信用しないことにしました。

まあ、新しい部分はあるのですが、とにかく高すぎて、タグチのクサカルゴンには勝てないと思いました。
油圧モータ等に国産部品を使ったとしても、せいぜい 30 万程度で作れるものでしょうから、100 万を大きく切らないと、なかなか厳しいかなと思います。

クサカルゴンもクサカルゴンで、あまりのアタッチメントが重く、傾斜しているところだと、KS-30 を ViO30 に取り付けると旋回すらできない状態であり、油量も不足しているため、モアの回転を保つためには、走行はもちろん、アーム類の操作も極限まで控えないとまともに刈れない感じでした。
かと言って、KS-15 だと小さすぎるわけです。

自分なら、コーンスプリッタの先端アタッチメントで自作しますね。
クサカルゴンは売ってしまったので、時間があれば、挑戦してみたいと思います。

モアは、山陽機器 さんも出展してましたが、あのタイプは自分の環境では、活躍しそうにないので、特に見ませんでした。