唐櫃と原木と通関と

今日は朔です。

午前中は神社の巡回のつもりが、掃除のおじさん、飲みすぎて、結局欠勤であります。
待ってても埒が明かないので、出かけようと思ったところ、銀行屋さんがやってきて捕まってしまいまして、お昼から巡回を開始しました。

唐櫃を作ったので、それを持っていきましたが、各神社の下で総代さんが待っていて、結構好評でした。

雑貨屋の新商品として、神社の木工の祭具や、壁代やなんかのパチモノを販売してみようかと思いました。

というのも、こういうものって、基本的に競争がないので、トンデモなく高い上、合理性がないのです。

出典 宮忠

たとえば、壁代の場合、というか壁代がわからないかもしれませんが、要するにボロ隠しの壁にかけるカーテンみたいなものなんですが、カーテンならニトリでもで、1,000 円とかで売られていますが、それよりも遥かに薄いペラペラのテトロンで、180cm 角の朽木の単仕立てで、21,600 円もする んですよ。

更に、布筋(のすじ)というリボン状のものが垂れているのですが、これには白蝶鳥摺型というらしいのですが、ハマグリを焼いて粉にした蛤粉(こふん)と呼ばれる塗料をシルクスクリーンの要領で転写されていて、洗うと溶けてしまうので、洗濯できないのです。

大きくて何万人・何十万人もの初詣での人出があり、それなりにお金があるお社なら、汚れたら使い捨てればいいんでしょうけど、地方の民社ではなかなかそうも行きませんが、普通に洗濯することもできませんから、ボロボロで、御社殿がルンペン小屋みたいな状態になってしまうわけです。

なもんで、インクジェットで印刷してしまえばどうか、と思うわけで、実際にうちでは印刷したものを使っているわけです。

布筋自体も壁代に印刷したもの(単)と、白蝶鳥摺型を印刷したものを布筋に仕立てて、物理的に布筋が存在するもの(袷)と 2 パターンを使い分けています。(布筋は洗濯時に困りますから、取り外せるように仕立ててあります)

ちなみに、仕立て自体は、うちは亡父が内装屋をしていたためカーテンを縫製する職人さんのつてがあるので、カーテンの職人さんが縫製しています。

そりゃあ、正絹の壁代で、京都の方ででもで仕立ててもらえれば、それはそれで麗しくてよろしいんでしょうが、氏子さんが一桁、一番若い人が還暦過ぎ、というようや集落もありますから、無い袖は振れない、そういうところ全国に沢山あると思うのです。

少しでもご社頭を少ない予算で護持できるように、より少ない手間できれいな状態を長く保てるように、そういう視点で作られている祭具と言うのは見たことも聞いたこともありません。

何処と書くと語弊があるので書きませんが、真榊台にしても、五色布がすぐに紫外線で色落ちし、変色してしまうのです。
買うとかなり高いので、これも、パット見は五色布に見える、インクジェット(顔料)で印刷したカバーを仕立てました。
汚れや日焼けを防止するため、日頃はカバーをかけておき、祭典の時だけ、カバーを取り除くのです。
遠目には、カバーはカバーと認識できません。
無論、洗濯できます。

このように、爪に火を灯す、というと大げさかもしれませんが、「自腹」で、祭具を長く大切に使うために工夫をこらしています。

こういう品物も、需要があるのではと思うのです。

ただ、神職自ら、そういうパチモノを提案することに抵抗があるにはあるのですが。。。

それと、昨日原木が出せるようになったからと電話があったので、下見に行ってきました。
道が直っていて、軽トラでは登ることができました。
2t ダンプが上がるかはかなり微妙な感じです。
まあ、とにかく、第 2 ヤードを片付けてからにしたいと思います。

それで、一旦家に帰ったら、15 時前になっていて、松山の税関は納税ができない(銀行に行って納税しないといけない)ので、今日のことにはならないので、書類一式持って、申告の準備にだけ行ってきました。
あらかた打ち合わせは終わったので、明日、申告して、引き取ってきたいと思います。
ちなみに、キオスク端末が導入されたようですが、初めて使われると言っていました。
愛媛の皆さん、もっと使ってあげてください。

電気抵抗式の含水率計の使い方

定期ネタです、これ。

facebook でもこの間見かけたんですが、薪屋さんでも、電気抵抗で計るタイプの含水率計の使い方を間違えっている例を見かけたので、くどいですが、一般論を書いておきます。

含水率計の種類に関しては、http://zmchip.com/2499suibunkei.pdf が詳しいです。

まず、電気抵抗で計るタイプの含水率計ですが、プローブと呼ばれる測定用の針を対象に刺し込み、電気抵抗で含水率を計測します。
気の利いたものだと、色々なパラメータで補正をしますが、安価なものは、そんな芸はありません。

電気抵抗で計るために、プローブの刺し込みが不十分ですと、針と測定対象の接触面が減り、当然に抵抗が大きくなります。ですから、針をきちんと刺さないと、甘い数字(乾燥しているような数字)が出るし、いくらでも細工ができるのです。

また、ちょっと考えればわかることですが、木口のようにとても乾きやすい部分を計ってもあまり意味がありません。
中心部分とでは、乾燥のスピードに差があるためです。

ですから、含水率を計りたいものがあれば、最も不利と思われる、地面近くや風通しの悪いところに保管していた薪を選び、それを半分に割り、写真のようにその割った面の繊維に沿ってプローブを深く差し込み計測する必要があります。

写真のものは、ファイヤーサイド さんが販売しているもので、MD812 の OEM と思われます。自分が、一番最初に買ったものです。

うちのお店では、MD814 という 4 ピンタイプを扱っています。

それと、含水率計が表示する数字についてです。

MD812 や MD814 が表示する数字は、乾量基準含水率、いわゆるドライベース、といわれる含水率になります。

詳しいことは、過去のエントリー をチェックしていただきたいのですが、要するに、水分を一切含まない薪そのものの重さで、薪が含んでいる水の重さを割ったもの、ということです。

例えば、今 1.2kg の薪があって、計ってみたら 20% だったとすると、薪の重さが 1kg, そしてその 20% で、0.2kg の水、都合 1.2kg ということです。

これに対して湿量基準(ウエットベース)の場合、1.2kg の 20% なので、0.24kg が水、ということになります。

ドライベースの場合、含水率が 100% を超えることがありますが、ウエットベースの場合、超えることは当然にありません。

ドライベース 薪そのものの重さ 含まれる水分 ウエットベース
0% 100 0 0%
5% 100 5 4.8%
10% 100 10 9%
15% 100 15 13%
20% 100 20 16.7%
25% 100 25 20%
30% 100 30 23%

それともう一つ、平衡含水率ということも知っておいて欲しいと思います。

空気中には水分があります。

たとえば、カラカラに乾いている買ってきたばかりの海苔ですが、これをその辺に放り出しておくとどうなりますか?
あっという間に湿気てしまいます。
空気中には水分があり、それを吸ってしまうからです。

薪も同じで、空気中の水分の影響を受け、これ以上乾きません、という含水率があります。
これを平衡含水率といい、日本では、屋外で概ね 15%, 室内で 12% 程度 とされています。
建材ですと、空調の関係で もう少し乾燥する ようです。

ですから、例えば、4% などという数字の写真を SNS などにアップして「超乾いている」みたいなことを言っている人がいたら、使い方を間違えている可能性が高いので、そっと使い方を教えてあげてください。

そもそも論として、電気抵抗式の場合、乾燥が進んでいるものの計測はかなり不正確で、取扱説明書にも、5% 以下は計れないと書いてあります。

まあ、測定限界以下なんだ、ということを示したいのかもしれませんが、仮に強制乾燥(熱処理)をしたものだとしても、海苔の例と同じで、空気中の水分を吸って 10% とかに戻ってしまう わけですから、そこまで乾燥させる意味はなく、単にエネルギーの無駄だと自分は思うんですけどね。

とまあ、うだうだ書きましたけど、電気抵抗式は、あまりあてにならないながらも、使い方のポイントとしては、

  1. 計りたい薪を半分に割るべし
  2. 割ったら割った中心に繊維に沿って深くプローブを刺すべし
  3. 念のために数カ所計るべし
  4. 燃やして数字の意味を確認するべし

といったステップで、数字そのものを鵜呑みにしないで、参考程度に留めることかなと思います。

今日から 3 月なのに…

愛媛では春一番なのでしょうか、結構荒れた天気です。

早いもので今日から 3 月です。

薪ストーブの活躍する季節も終りが近づいていることを予感させられます。
まあ、まだ朝晩は冷えますので、それなりに焚いてはいますが、焚く量はめっきり減りました。

日中は、作業をしていると暑くて上着を脱ぐことも増えました。
春なんでしょうね。

昨日は珍しく朝、といっても、途中でコーヒーを飲んだりで 10 時過ぎの重役出勤でしたが、まあ、一人でやっていることなので誰に迷惑をかける訳でもなく、マイペースでやってますが、午後から天気が崩れる予報だったので、雨が降るまではやろうということで、朝から取り掛かったわけです。

結局夕方まで降ることはなかったんですが。

薪割りをしていると、どこからともなく鳥がやってきて、チェンソーの爆音や、薪割り機の騒音もへっちゃらで、多分虫を探しているんだと思うのですが、ウロチョロしていて、可愛らしい感じです。
セキレイ、ですね。

2 月中に第 2 ヤードにあるものは割ってしまいたかったんですが、見ての通り、まだ 10t くらい残っている感じです。
記憶が確かなら 60t 程度搬入したと思うので、御旅所においてあったものや、第 1 ヤードから、数トンは持ってきたので、なんだかんだで 50t 以上は割ったと思うのですが、あまりにのんびりしすぎている感がありますね。

隣山の原木も続きを取りに来て欲しいと電話もあったし、その他の搬入もまだなので、それらが入ってくると全部で 200t くらいにはなると思うので、このペースだと 4 ヶ月かかってしまいます。

3, 4, 5, 6 ということで、梅雨に入ってしまうのと、4 月に入ると春祭りがあって、薪作業ができない日が増えるので、本当になんとかしないといけません。

1 時間に 1t くらいのペースなので、そういう意味では、200t なら 200 時間で割れるわけで、毎日 4 時間割れば、50 日、月 20 日稼働すれば、2.5 ヶ月で、梅雨入りまでにはなんとかなりそうです。
なんで 1 日 4 時間なのかというと、残りの 4 時間は、原木の輸送等に時間がかかるからです。

4 ヶ月くらいは働くわけで、生活保護でも 40 代なら 8 万 + 家賃程度はもらえるようなので、月 10 万とすると、せめて 40 万は利益が出てほしいなと思いますが。。。薪事業は、多分、人件費を考えると、今シーズンも大赤字だと思います。

で、昼から通関するとかいっていた件ですが、昨日は、徹夜して申告関連の書類だけ作っておいたんですが、雨が降らなくて、結局、昼過ぎまで薪割りをした後、製造機で処理できないのでハネてあった節の部分なんかを ブレイブ で処理して、ウッドバッグ に詰める作業なんかをして、きっちり 17 時まで作業をしてしまったので、本日に繰越です。
朔なので、午前中は神社の巡回清掃をしないといけないのですが、早めに回って、午前中に事務仕事は済ませたい感じです。

まあ、ぼちぼち頑張ります。