ブレイブ薪割り機往復タイプの廉価版

昨日 facebook で相談を受けたのですが、ちょっと長くなるので、ブログの記事にすることにしました。

ブレイブ薪割り機の往復タイプは価格と性能のバランスが非常に高い次元で取れていると思うのですが、それほど薪作りをするわけでもない場合には、やはりそれなりの値段はするので、思いつきづらいところかと思います。

農家ですでにトラクターがあるとか、あるいは、ミニユンボがある、フォークリフトやユニックといった油圧を用いた機械がある場合には、これらの油圧源をつかて薪割りをすることができるのですが、ブレイブにも、往復タイプの廉価版薪割り機が用意されています。

それが BRAVE Dual Split 3 point Tractor Mount 13tonBRAVE Dual Split 3 point Tractor Mount 20ton です。

見ての通り、油圧源はすでにあるものを使うため、フレームとコントロールバルブだけのシンプルな構成で、基本的には、トラクターにマウントできるようにデザインされています。

スペックですが、

Operation Horizontal
Size 43″L x 34″W x 20″H
Splitting Force Up to 13 Tons
Max PSI 3,000
Splitting Height Tractor Dependant
Cycle Time 10 Seconds @ 3 GPM
Beam 5 1/2″ x 5 1/2″ Fabricated Tube
Wedge 6″ High carbon steel dual blade
Log Opening 19″
Cylinder Size 3″ x 18″ clevis type, 1.75″ rod
Hydraulic Capacity 1.5 gal. (cylinder & hoses)
Shipping Weight 143 lbs

という感じで、13 トンタイプは、19″, 約 48cm の開口部となっているので、45cm 程度までの薪の生産に適します。
ストロークが 20 トンタイプに比べて短くなっていて、長いものを割ることはできませんが、国内で流通している薪は、古い規格だと主に 36cm と 45 cmの束、最近だと主流は 40cm から、30cm くらいのかなり短いものにシフトしてきていますから、正直、これくらいのストロークで間に合うのではと思うわけです。

シリンダはボア 3″ で、ロッドが 1-3/4″ です。

運転圧力 (PSI) 押す力 (lbs.) 【US Short Tons】 引く力 (lbs.)【US Short Tons】
3,500 24,740【12.4】 16,322【8.2】
3,000 21,206【10.6】 13,990【7.0】
2,500 17,671【8.8】 11,658【5.8】

というわけで、運転圧力が 3,000 PSI の時には、鯖を読んでいる US Short Tons でも押す力でも 10.6t しかありません。
シリンダは、ロッドの断面積分、圧力が掛かる面積が減る構造のため、引く力は押す力よりも弱いです。(動きは当然早い)
13 トンと謳っていますが、実際のトン数(Long Tons)ですと、9.5t です。
アメリカの薪割り機は基本的に能力は相当鯖読みがありますので、真に受けないようにしないといけません。

次にサイクルタイムです。

流量 (GPM) 伸張速度 (秒)【inch/sec】 収縮速度 (秒)【inch/sec】
3 11.3【1.6】 7.2【2.5】
7 4.7【3.8】 3.1【5.8】

ツーステージポンプですが、最小でも 7GPM くらいの流量になっているのですが、その場合、押す時でも 4.7 秒、引く時に至って 3.1 秒で 45cm をウエッジが移動します。
ドドンパとかいっているキネティック型 に迫る速度ですが、油圧ですから、節に当たれば、低速ギアで粘り強く割りに行きますからね。
さよなら、ドドンパ、お前の出番はもうないよ、って感じです。

いちばん大事な価格ですが、13t タイプで約 $1,000 弱、20t タイプで約 $1,100 弱(米国内送料込み)となっています。
13t タイプは、重量が 143 lbs. なので、100kg 未満のため、ヤマト運輸のらくらく家財便で送れると思います。
容積次第ですが、20t タイプのエンジン付きでも 1m3 はありませんから、0.5m3 だとすれば、2 万円程度で輸入できます。
港までの価格で、13 万程度、これに消費税がかかり、14 万強、あとは国内送料が 1 万弱とすれば 15 万円です。
手数料を 1 割お願いするとしても、17 万もは行かないと思います。

相談では、電動油圧ユニットで駆動する、ということだったので、次はそちらの話をしたいと思います。

油圧源は別に、トラクタでなくても、ユンボでも、フォークリフトでも、ユニックでも、もちろんボブキャットでもいいわけです。
ただ、いつも言っていることですが、薪割り機とこれらの重機とでは、油圧源に求められる要件が全く違うため、ポンプの特性も異なり、エネルギー効率がよくありません。

ですから、たまに割る程度、個人宅か、小規模なグループくらいまでですと、エンジンやポンプ, 作動油を別に管理する必要がないためおすすめしますが、常用する(薪製造業者)などは、専用の効率的な油圧ユニットを別に構えたほうが良いと思います。