薪割り機の電動化の話ですが、すっかり忘れてたんですが、また訊かれたので、今日はモータとポンプの取り合いについて、知っていることを書いてみたいと思います。
なお、予め断っておきますが、電動薪割り機は作ったことがないので、重松の机上の空論です。
薪割り機の仕組みについて、これは油圧式の場合の話ですが、エンジンであるとか、モータであるとか、それで油圧ポンプを駆動して、圧油を作り出して、それによりアクチュエータ(油圧シリンダ)を伸縮させる、というのが基本構造です。
電動化は、簡単にいえば、エンジンをモータに置き換える作業、ということになるわけです。
それでは、エンジンにどのように油圧ポンプは取り付けられているのでしょうか?
上記エントリに色々書いてありますが、
写真ですと、左から、
- SAE AA 2-Bolt Gas Engine To Pump Mount
- 0.12 cu in Dynamic GPF1020PC Hydraulic Pump とポンプ側ジョーカップリング(取り付け済み)
- エンジン側ジョーカップリング
となります。
これは薪割り機用ではないので、普通の油圧ポンプですが、基本的には同じです。
この時「SAE AA 2-Bolt」という部品名になっていますが、これがポンプ側のマウントの種類なんです。
つまり、ポンプ側のマウントの種類, エンジン側のマウントの種類, そして、カップリングにより連結に必要なスペースの 3 つの条件で、ブラケットを選定するのです。
エンジン側は、米国仕様だと、B.C.(ボルトサークル, マウントの 4 本のボルト用めねじの中心を結んだ円の直径)など、規格が統一されています。ポンプにより必要な馬力は概ね決まっているためです。
ポンプ側のマウントとしては、
- 2 bolt SAE A
- 4 bolt 4F17
などがあります。
これに対して、モータ側ですが、モータには「フェイスマウント」と呼ばれるタイプのものがあり、それらは、ブラケットを介して、油圧ポンプであったり減速機を取り付けられる構造となっています。
モータのマウントの種類としては、
- 56C
- 182TC
- 256TC
などがあります。
もちろん、モータの選定には、マウントの種類以外にも、油圧ポンプの特性(回転方向・回転数・馬力)であるとか、電源(単相なのか、三相なのか)・電圧・周波数、モータのケース(エンクロージャー)の種類などを考慮しないといけません。
なので、エンジンに比べて考慮すべき点が多いです。
それと、電動化したらかといって、無音になるわけではありません。
電動の家庭用のものを使ったことがある方ならわかると思いますが、かなりの騒音が出ます。
もちろん空冷エンジンに比べたら相当騒音レベルは抑えられているのですが、電動=無音ではないことは、注意が必要です。
電動化のメリットは排気ガスも出ませんし、燃料を買い出しにいったり、ということからも開放されます。
作業時間が長く、薪割りを決まった電源のあるところでできる環境なら、電動化の利点が活かせるのではと思います。
というわけで、T さん、今回の説明はこんなところです。