Brave(ブレイブ)20t 往復型薪割り機の電動化計画

少し以前に Brave(ブレイブ)20t 往復型薪割り機 の電動化を相談されたわけですが、ハイブリッド化だったのと、業務使用を前提としていたので若干の高速化も合わせて計画していたため、別に油圧ユニットを作る形で考えました。

今回はよりシンプルに、電動専用化、つまり、エンジンを完全にモータに置き換えるパターンを検討してみようと思います。

というのも、うちでは薪の生産に 20t 往復型 を使っているんですが、ほぼ定置式となっていること、京アニ以降のガソリンという危険物の管理の問題もあり、まずは身をもって、電動化を実践していく必要を感じているわけです。
電動化することにより、エンジンのお世話(キャブが詰まるだとか、オイルを交換しないといけないだとか)からも解放されますし、排気ガスの問題もなければ、騒音の問題も軽減できるわけです。

エンジンは、GC160 が乗っています。
スペックとしては、4.6 HP (3.4 kW) @ 3600 rpm ということになっています。

よくわからないのですが、油圧ユニットを作る際に、電動機で 1kW の出力が必要と計算される場合、エンジンだと 2 倍の出力が必要とされていることです。
例えば、うちの薪製造機は、14PS のエンジンが乗っているのですが、電動機の場合 7kW なのです。
なので、同じ油圧ポンプを駆動するなら、4.6HP の半分、2.3kW だとして、2.2kW で間に合うのか、それともやっぱり 3.7kW ないとしんどいのか、ってことがよくわからないわけです。
これについては、煮詰まった段階で、油圧ポンプの側の問題ですから、ポンプメーカーに確認してみようとは思っていますが。

さて、一番の問題は、モータと油圧ポンプの取り合いな訳です。

エンジンの場合、face mount といって、エンジンの出力部分にブラケットを取り付け、向かい合わせに油圧ポンプが来て、それぞれをジョーカップリングという部材で直結するわけです。

あくまでも個人的な希望としては、保守用ポンプの種類を増やしたくないので、エンジンと共用で、そうすると 11GPM になるんですが、ブレイブが純正で使っているポンプは、あくまでも純正品として引いているので、仕様が明らかではないんです。

ここでいう仕様というのは、各世代ごとに、ポンプ自体のメーカーだとかが変わっていないのか(今後変わらないのか)、ということもそうなんですが、大きくはマウントの仕様とシャフトの仕様, INLET/OUTLET の仕様のことです。
この辺は、予備の部材を持っているわけですから、現物あわせて推定するしかありません。

11 GPM クラスの 2 stage 型ポンプの場合、INLET 1″ OD Hosebarb, OUTLET は 1/2″ NPT-F、そしてマウントは 4 bolt USA 4F17、1/2″ dia. x 1-1/2″ long keyed ってのが定番なので、まあその通りの仕様だと思うんですが。

通常は、4F17 の場合、モータ側は 56C になるんですが、国内の規格ではないので、存在しないものは手に入らないと思われるので、脚付のモータとポンプを組み合わせる必要があると思うのです。

脚付のモータは、軸の高さが JIS 規格で決まっているとかいないとか、まあ、当然、海外の規格とは違うんでしょうが、ここは下駄をフライス加工で作ってもらって履かせてやれば、高さを合わすのはそれほど難儀することもなさそうです。

4F17 用のブラケットですが、写真のようなもので、軸の中心の高さは、3.59″ = 91.19mm になります。

3.7kW の普通の三相モータの場合、軸の中心の高さは 112mm なので、20.81mm ブラケットの方が低いので、この厚みの下駄をフライス加工して作って履かせてやればいいことになるかと思うのです。

シャフトは φ28mm, キーの幅が 8mm, 高さは 7mm です。
これについても、インチものには、φ28mm のものはないので、国内でオーダーする必要がありそうです。

あと、ブレイブの往復タイプには、エンジンなどが一切ついてこないトラークター PTO 用のモデルがあり、20t だけではなくて、13t もあります。
すでに油圧源をお持ちで、あまりたくさん薪割りしない方向けには、良いかもしれません。
また、今回のように完全に電動化する場合、元からついてくるエンジン等は不要なので、こちらのモデルがベースになりますね。
価格も安いのですが、タイヤなどはついてこないし、当然、作動油タンクなども何なく、すべて国内で作成する必要が出てきそうです。

13t のモデルだと、米国内では $1,000 を切っています。
仮に 11GPM のポンプのシステムを作るとした場合、タイヤなどは別として、ポンプが $200, ブラケットやカップリング類で $100, 油圧ホース類などショートパーツで $100, 作動油タンク作成に 3 万、3.7kW モータが 5 万といったところが大きなコストでしょうから、20 万くらいあれば、油圧ユニットは作れそう。
税金や運賃を入れると総額だと 40 万くらいはかかりそうです。
この差額を燃料費の差額だけで取ろうと思うと、ちょっと厳しいかもしれませんね。