油圧差動回路

薪割機の高速化の話、コントロールバルブの設計についてです。

http://www.ishinotec.com/lecture/html/circuit/index.html

Screen-Shot-2014-10-05-at-10.48.57-AM油圧差動回路、というらしいのですが、1 年くらい前に知り、この理屈により薪割り機を高速化できないか、ということについて、考えていましたが、キリの良い所まで考えがまとまったので、整理しておこうと思います。

こういうことを考える大前提の話をしないといけないですが、ポンプ編で書いた通り、通常は、2 ステージ型ポンプを使えば、ポンプが速度調整を自動的に行うので、こういう面倒くさいことをする必要はないのですが、自分の場合、重機から作動油を取り出しているため、常に圧力が一定となるように作動油が送られてくる、アキシャルピストンポンプ、という可変流量ポンプが使われている、ということがあります。

動作原理ですが、簡単に書くと、押す操作をする時、右図で言えば、シリンダの左側に作動油を送り伸張させるわけですが、油圧作動回路では左右同時に圧力をかけます。そうすると、左のピストンはシリンダのボアの面積で圧力を受けますが、右側のピストンはロッド分面積が少ないので、力が弱く、右側の部屋にあった作動油は押し戻され(逆流して)左側の部屋に移動します。つまり、通常の操作では、右側の部屋はタンクに戻されるので、タンクに油が戻らない分、シリンダが早く動く、ということになり、代わりにシリンダの推力は左右(というか裏表)のピストンの面積差、になるため、ロッドの面積分に大きく減ってしまうことになります。

リンク先では、Flash アニメーションで実際の動きを体験できますので、操作をしてみてください。

たとえば、プレス機械で部品を製造する場合など、空気を押している間は力不要なので、リミットスイッチ(図の場合、右上のスイッチ)で速度切替の位置を調整する、というような使い方をするようなのですが、薪割機の場合、それぞれ玉の長さが揃っていないなら、都度リミットを調整しなければならない、ということになり不便です。

それは嫌だなと思っていたわけですが、よく考えれば、ヤフオクで買った電動の薪割り機、あれ 2 速になっているんですが、操作レバーが 戻り → 高速 → 中立 → 低速 となっているんですね。

つまり、単体の油圧バルブで上記機能を実現してるものが常に存在している、ということであり、更にリミットスイッチなどのパーツも不要になるし、なによりも、マニュアル操作で速度を調整できるため、通常は高速で操作し、節などにあたって力がいる時だけ低速に切り替え、その後はまた高速に戻す、ということができるため、速度が向上しそうです。

というわけで、Prince 社 の製品をチェックしているのですが、見つけました。

Prince Hydraulic Log Splitter Rapid Extend Spool Valve LSR-3060-3 Regenerate

糞遅いぞ!とツッコミを入れられているんですが、そこは本質じゃない。ポンプの能力に対して、シリンダが太すぎるだけの話なので。一応、オートリターン機能もあるようです。

カタログには、回路図なんかは、ありませんでしたので、同じ原理かどうかは定かではありませんが、実現している機能は同じなので、気にしないことにしたいと思いますし、アホなので、気にしても仕方がないし、とにかく使いやすく、早く動けばいいのです。

LSR-3060-3 は定価で $175、実売 $110 くらいのようなので、ダメ元で買ってもいいかなと思える値段ですから、買ってみようかなと思います。

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