コントロールバルブが不調の方からの問い合わせ

知ってるよ、といわれそうですが、はじめての方もいらっしゃると思うので、くどいですが。

重松は Hearth & Home 暖炉家(だんろや) っていう、輸入雑貨のセレクトショップを細々と運営しております。
個人的な趣味のキワモノしか並んでない、とてもサービスも口も悪い店なのですが、まあ、ツボる人には、ツボるアイテムが有ると思います。
肝心の値段は普通よりはちょっと安いくらいのものもが多いと思います。

それで、薪割り機の修理用のパーツを扱っているのですが、古いブレイブ社の薪割り機をお使いの方から、お店で扱っているコントロールバルブの適合について問い合わせがありましたので、少々説明をしたいと思います。

早速見ていただきたいと思います。(頂いた写真はブログでの利用許可を頂いております)

コントロールバルブというものは何をする部品なのか、というと第一義には、方向切換弁ともいうことからも分かる通り、圧油を送る方向を切り替えることにより、シリンダを伸ばしたり縮めたりする役割を担っています。

3 箇所、赤丸で囲っていて、それぞれ A, B, OUT となっていますが、実は OUT の反対側にもホースの接続部位があり、そこは IN と呼びます。
一般的なことであって、もしかしたらこのバルブの刻印は違うかもしれませんが、ほぼほぼ、そういう呼び方になります。

つまり、IN 側から送り込まれた圧油を A, B のワークポートに送り、OUT 側から油をタンクに戻すのです。

OUT のポートがどうして OUT とわかるかというと、IN 側は、とても圧力が高く、OUT 側のようにホースをホースバンドで留める程度では持ちません。写っている金具は Hosebarb といって、低圧の戻り側のホース接続用の継手なのです。

写真は Apache 社製のもので、Brave 社のフィッティングとは微妙に形状が異なり、我々が日常的に目にするタケノコニップルに近い感じですが、機能は同じです。

次に A を見てください。
この A のポートに繋がっている継手ですが、これはほぼ NPT ネジです。
NPT というは、テーパーネジで、ネジ山で油を留める構造となっているので、取り付けた時に雄ネジが雌ネジに全部入りません。
取り外されている部分を見ても分かる通り、ネジ山の一部が汚れたままになっていて、使用時に雄ネジが露出していたことが見て取れます。
よって、この継手は、1/2″ NPT-M x 1/2″ NPT-M と推定されます。

なお、テーパーネジについては、日本国内の場合、NPT ではなくて、R, Rc(旧 PT) と呼ばれるネジである規格があり、海外では BSPT と呼ばれているものと同じものよう な気もします。

そして、この継手によりダイレクトにシリンダにマウントされていたはずです。
このようなコントロールバルブの取り付け方法を「ポートマウント」と呼びます。

次に B を見てください。
この B のポートには、90° のエルボがつながっていますが、当然、A ポートと B ポートが違うネジであることはまずありえないので、根元部分はよく見えませんが、ポートの側は 1/2″ NPT-F と思います。
それで、シートという矢印があると思いますが、このシートという面を擦りわせることで油を留める構造になっていますが、このネジを JIC(または AN)、場合によっては、シートの角度から SAE 37° といったりします。
端が JIC 継手の油圧ホースによりシリンダの別のポートに油を送っているものと思います。
JIC 以外にも、この形状の継手はあるのですが、米国では一般的ではありません。

OUT ポートに戻りますと、横からの写真がないので、Hosebarb であることと ID 3/4″ のホースを接続するであろうことがわかっていますが、大部分のコントロールバルブは、ワークポートが NPT なら、IN/OUT も NPT で、ワークポートが SAE なら IN/OUT も SAE なのです。
SAE というのは、平行ねじで O リングにより油を留める構造を持つ継手で、NPT, JIC とともによく利用されます。

サラッと書きましたが、ID 3/4″ の ID というのは、internal diameter, つまり「内径」という意味で、ホースは内径を指定して購入します。
これに対して、OD という表現は、「外径」ということになります。

ここまでのことをまとめると、

  • ワークポートはおそらく 1/2″ NPT-F である
  • IN/OUT ポートはおそらく 3/4″ NPT-F である
  • コントロールバルブに固定のための穴やブラケット等が見当たらないためポートマウントである

ということになります。

管用(くだよう)ネジについては、過去にまとめてありますので、合わせて参照してください。

第一義には、と書いたと思いますが、コントロールバルブには他にも機能があって、リリーフ弁(安全弁)の機能も内包されています。
油圧回路にはこれ以上圧力ががってはいけない、という圧力があり、米国製の薪割り機の場合、圧力は 2,500 PSI か、3,000 PSI くらいで運転します。
残念ながらこれは写真では識別できませんから、もともとの運転時の圧力がどれくらいかを知ることはできません。
2,500 PSI の回路に 3,000 PSI をかけることはできませんので、限界圧力がわからないのなら、2,500 PSI くらいに落とすか、圧力計を付けて傷んでいるバルブの機能している圧力を調べるしかありません。

さらに、薪割り機に特化したコントロールバルブにはデテントと呼ばれる機能があります。
これは薪割りが終わり、シリンダを縮める操作をする時、操作レバーをロックし、シリンダが戻りきった時に圧力が上昇しますから、それを検知して中立に戻すという機械的な仕組みです。

結構原始的な仕組みなんですがあるとないとでは大違いです。

簡単な仕組みですから、ただの方向切換弁として使いたい場合は、ちょっとした改造で機能を殺すことができます。

そして、お店で取り扱っている SpeeCo 社のバルブについてですが、こちらについても、過去記事にまとめてあります。

で、ここまで書いておいて、こんな締めくくりでいいのか、甚だ疑問なのですが。。。

バルブの修理については、オーバホールという方法もありまして、中身はただのシール類ですから、純正品を使用しても、せいぜい $20 程度のものなのです。
そして、youtube などを見ればわかりますが、基本的に機械屋さんの場合、ばらして古いものを測定して、それを取り寄せて修理しますので、一つ 100 円とか、材料自体はそんな値段のものです。

ただ、人件費が高く、お店で修理してもらうと、1 時間あたり 6,000 円とか 7,000 円とかが相場ですから、うちの場合、バルブごと交換したほうが安くて確実と考える人のために、バルブ自体をそれなりの価格で販売しているのです。

ですので、バルブを交換する覚悟があるのなら、ばらして自力でシール類を交換する、という選択もあります。
そうすれば、少なくとも油圧継手の相性の問題は考えずに済みます。

ダメなら、まるごと交換するという選択肢に方向転換する、ということになりますが。

いずれにせよ、せっかく自分で治す決心をしたのですから、ある程度もがいててみるのもいいのではないかと思います。

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コントロールバルブが不調の方からの問い合わせ” への2件のコメント

  1. Bのシート面と書いているところは、冷媒で一般的なフレアーに似ていますね。
    油圧でも使う事があるのですか?

    画像は1/4フレアーっぽいなぁ。

  2. 冷媒のそれと原理は同じだと思います。
    油圧の配管ですが、米国では、テーパーの NPT, 平行ねじでパッキンで止める SAE, そして、シート面で止める JIC(AN)という感じです。
    国内だと、JIC によく似ているんですが、シート面の角度が違ったり、ネジのピッチがミリだったり、インチだったりと、相当ややこしいです。
    この間取り付けた拾ってきた作動油のクーラですが、コマツだったみたいで、ネジがミリピッチで、オスシートでした。
    それに対して、油圧屋さんはガスネジといっていましたが、薪製造機側は別のピッチのオスシートでしたし、正式な呼び方(ISO とか、JIS での呼び名)も未だにわかっていません。
    同じネジでも、油圧屋さんと重機屋さんで呼び方が違い全く意味不明です。
    未だにわかりませんが、重機屋さんは、往復配管のネジを、アイヨン, ニューマ, 東空と呼んでます。うちの機械はアイヨンらしいんですが、テーパーです。ただ、NPT か PT かすらわかりません。彼らに PT (R, Rc) が通じないからです。
    困ったもんです。

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