輸入菌床から日本国内で発生したしいたけは「国産」なのか

こんな記事を見かけました。

1/13(日) 7:02配信 日本農業新聞
シイタケ菌床 輸入量が過去最高 産地に危機感 「国産」で流通
菌床輸入量の推移
 2018年のシイタケの植菌済み菌床の輸入量が過去最高となった。財務省の貿易統計によると、1~11月の輸入量は1万8650トン。12月分の結果が出るのを待たずに、これまでの最高だった17年実績(1万5649トン)を上回った。輸入菌床は国産に比べて安く、発生したシイタケは国産として販売できるため、国内産地は危機感を強めている。

 シイタケ菌床の輸入量が前年を上回るのは11年連続。12月分が前年並みなら年間2万トンの大台を超えることになる。輸入先は99%以上が中国だ。

 現行の産地表示では、輸入菌床を使って国内で培養、発生させたシイタケは国産として販売できる。国内種菌メーカーでつくる全国食用きのこ種菌協会によると、輸入菌床の価格は国産菌床の半額ほど。このため関東地方を中心に海外資本の業者が工場を建て、輸入菌床を使ったシイタケ生産に乗り出すケースが増えているという。

 菌床重量の3分の1がシイタケとして発生するといわれる。18年産の菌床輸入量が2万トンとして計算すると、そこから発生するシイタケは約6700トン。18年の菌床シイタケ生産量が17年産並み(約6万3000トン)だったとしても、全体の1割を輸入菌床から発生したものが占める格好だ。

 菌床きのこ類の中でも特にシイタケは、国産菌床にこだわる生産者が多い。価格の安い輸入菌床を使った国産シイタケの増加は、国内生産者にとって大きな脅威となっている。このため同協会は、販売するシイタケに菌床製造国を表示するなどの制度見直しを求め、消費者庁などと協議を進める。

 さらに 同協会などは2017年、国産菌床で生産したシイタケであることを 消費者にPRするため、登録商標「どんぐりマーク」を作成した。菌床のおが粉原料の75%以上が国産樹木であれば、育てたシイタケに付けて販売できるというもので、国内生産者に積極的な利用を促している。

なんだかな、という記事です。

しいたけの栽培の場合、原木の状況もとても厳しい わけですが、それに加えて、菌床との競争もあるし、その菌床についても、このような問題がある事自体知りませんでした。

これに関しては、表示の制度に著しい欠陥があると思います。

菌床だけではなく、原木についても、植菌済みの原木を輸入して、国内で発生させたらどうなるのか、それも、二夏目の発生直前に輸入したら、それは日本製といえるのか、ということです。

うなぎでも同じ問題がありましたよね。

消費者としては、表示されている以上のことを調べて買うということはなかなか難しいわけで、発生したのがどこか、ということではなく、国内産の原料を使っているのか、国産だと、原木の汚染の問題もあるわけですし、産地などについても、原木の産地というのはとても重要だと思うのですが、実際、愛媛産の原木は関東以北に送られていたわけで、それは、愛媛産なのか、ということです。

氏より育ち、という状態であれば、育った場所に関しても、重要でしょう。

しかし菌床については、育つ場所ではなくて、育つための床に使われているおがくずだの混ぜ物のふすまだのの養分で育つわけですから、その材料を食べているに等しいわけで、それを表示しなくてよい、というのは極めて不自然に感じます。

登録商標「どんぐりマーク」を作成した。菌床のおが粉原料の75%以上が国産樹木であれば、育てたシイタケに付けて販売できる

というのも、75% でいいんだ、というのが率直な感想です。
どうして 100% でないのか。
まあ、100% だと、万一の混入などで偽装ということになってしまうリスクがあると思いますが、75% だと、25% は混ぜて良い、という業者が出てくると思うんですよ。

うちの原木はしいたけのホダ木にならない部分で作っているので、原木しいたけ栽培があって初めて成り立ちます。
クヌギやコナラの山は、しいたけ原木や薪炭目的での利用があってこそ、手入れが行き届きます。

海外からのものが国産と表示されるようなことがあっては、健全な競争が行なえません。
制度の穴は早々に塞いでもらいたいと思います。

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2 thoughts on “輸入菌床から日本国内で発生したしいたけは「国産」なのか

  1. 某大手家電メーカーの国内工場は志那から部品を入れ、組立ほとんどが志那人ですが日本製です。

  2. 以前、アパレルメーカーが MADE IN JAPAN を謳いながら、外国からの技能講習生の方々を、奴隷同然の環境で詐取していて、知らぬ存ぜぬですっとぼけたという話がありました。
    我々が想起する MADE IN JAPAN は MADE IN JAPAN, BY JAPANESE (PEOPLE, MATERIALS, WAY/METHOD) なわけですけど、今日それは難しくなってきているとは思うのです。
    ただ、ビジネスとして考えれば、そういうことがちゃんとされていないということは、逆にちゃんと明らかにすることで、お客さんには安心してもらえるということかとも思うのです。
    なかなか追いつきませんけど、薪づくりのことなども、ブログだけではなく、商品の説明からも辿っていただけるように工夫していかないとなと思いました。

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