白ウッドバッグ(通気薪フレコン)の原産国とストラップの破損の問題

薪を入れる通気性のあるフレコンですが、名前がややこしいので、オーストリア製のものを以降は白ウッドバッグと表記したいと思います。
いのり薪さんが萩原工業で OEM 生産しているものは、黒ウッドバッグと表記したいと思います。

白ウッドバッグについて、次のような情報がコメントにて寄せられました。

「白いウッドバッグはメッシュの開口率が35%程度で通風性に欠け製造国はチャイナです、新品時であっても吊りフックの破断が 5%ほど発生します。」

原産国の問題は、輸入時に、関税が課税されるかどうか、それと、輸送の時間とコストにも影響するので、Wittmann さんに聞いてみました。

We produce our bags in Europe

ということで、ヨーロッパで製造している、という回答でした。
支那であるとか、ベトナムであるというような話があったのですが、全く違っていました。

それと、新品でもストラップが 5% 破断する、という情報ですが、うちでは、白ウッドバッグも黒ウッドバッグも、今までのところ破断は生じていません。

破断についてですが、どう破断するのか、ということが問題かと思います。

たまたま、いつも勉強させていただいている Forst Fun Club さんで、黒ウッドバッグの ストラップの破断の記事 がありました。

破損の状況は、ストラップ自体が切れたわけではなくて、袋とストラップとの縫製部分で破断しています。
画像は、Forst Fun Club さんから引用しています。

この縫製方法は、普通のフレコンなどでは、ごく一般的な形状ですから、黒ウッドバッグが特に弱いということではないと思います。
白ウッドバッグの場合、上から下まで縫いこんであるため、一番力のかかる上部が切れるとしても、袋のほうが切れるだけで、ストラップが切れたり、プラプラになることが少ない物理的な形状になっていて、デザインがが優れると感じました。

うちでもちょっと危なっかしい状態の白ウッドバッグを発見しました。

まだ破断には至っていませんが、ストラップ自体が摩擦によって切れかけています。

袋とストラップの縫製部分はなんともありません。

つまり、単に破断するといっても、

  • ストラップと袋の接合部分が破断する → 接合部分が弱い
  • ストラップが破断する → ストラップが弱い

という 2 パターンが今のところ確認できました。

さて、ここで、こういう事故に対してどう対処するのか、ということが問題です。

前者に対して、考えられる対策としては、「吊らない」ってことがあると思います。
パレットに載せるわけです。
でも、「吊らない」「吊れない」のなら、薪ネットなら、価格は 1/4 — 1/5 なんで、吊れることによる作業性の向上に投資しているわけですから、この対策方法は、許容できません。

それ以前の問題として、バッグへの充填当初は 1.5m くらいの高さになりますし、結構不安定なので、パレットに乗せてリフトで持ち上げて走行する場合、かなり慎重に運ばないと転倒します。

舗装されている場合でそうなので、未舗装のヤードの場合、ぬかるみなどで傾いたり、急な減速になったりすることもあるでしょうし、それを嫌ってゆっくり走れば、時間と燃料のロスです。

ウッドバッグは吊ってこそウッドバッグだと思います。

後者に対してですが、無論、黒ウッドバッグのようにストラップを太くしたり、その太いものを吊る部分だけ更に当てもので補強したりする方法もあるでしょうが、これではコストが嵩みます。

Wittmann さんに聞いたところ、

First off, it is really important that you ease the forks of your forklift. On the picture they seem too sharp! That’s probably why the straps get damaged.

とコメントがありましたが、方法として、たとえばリフトの爪に丸パイプというを突っ込んで角で摩耗することを防ぐ方法が思いつきます。

ただ、それをするのであれば、元々の設計通りに使うべきかと思うわけです。

上記ビデオの 2:28 前後から解説されていますが、白ウッドバッグはストラップが各コーナーに長短それぞれ 2 つで、都合 8 つついています。
短いものは、自立用スタンドへの固定用であり、長いものが吊り上げ用です。
そして、吊り上げる際には、見ればわかりますが、吊治具を使用しています。
ここでのポイントですが、まず、吊り上げ上治具を使うことで、リフトを定位置につけると、一回でストラップを治具にセットできる、ということです。
治具には、ストラップの外れ留も取り付けられて、工夫されていようです。

吊治具を使わない場合、薪を充填すると、吊りストラップ間はそれなりに距離があるため、一人で作業する場合、一度に爪に通すことが困難で、通常は、一度降りて、全部の 2 本を爪に通し、その後、リフトを前進させて、後部を 2 本を通して吊り上げることになります。
この際、当然ですが、通せる=外せる、ということで、吊り上げる時、せっかく通したストラップ外れてしまうこともあります。

これ以上にうまい方法は思いつきません。

スタンドの方を工夫して対処したとしても、乾燥保管してあるものを吊り上げる際には、それは何の助けにもなりません。

Wittmann さんは、4,000 枚、年間に使うそうです。
仮に、上記の補強対策が €1 でできるとして(無理だと思いますけど)、4,000 枚使うなら、€4,000、約 50 万円が毎年必要になります。
10 年なら 500 万ですから、とんでもないロスです。
スタンドや吊治具を作るのにいくら掛かるのか、ということが問題ですが、50 万もはかからないことは明白です。

いずれにせよ、今のようにフォークで吊り上げて充填していては、その間にフォークが占有されてしまう問題があるため、スタンド、吊治具について、早期に作成して作業環境の改善を図りたいと思います。

スタンドに関しては、充填時に袋の破損を軽減する構造が望ましく、また変形しづらいように密に充填できるものを考える必要があると思います。

開口率に関しては、雨除けカバーを試作中ですが、すっぽりとビニールをかけてしまうのですから、どれほどの差があるのか、というようなことも気になるわけです。
今後、乾燥の経過を報告していきたいと思います。

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2 thoughts on “白ウッドバッグ(通気薪フレコン)の原産国とストラップの破損の問題

  1. こんばんは。
    リンクありがとうございます!

    ストラップの破断は初めてですが、自分は所々で小さい穴が空いているウッドバックを見かけます。
    なるべく吊らないようにとパレットに乗せて移動しているんですが、仰る通り不安定ですね!
    道路を挟んで移動するのでとても気をつかいます…
    やっぱり吊ってこそウッドバックですね!
    フォークリフトの爪が短いとストラップにかけるのに二度手間になる事がありますが、白ウッドバックのストラップは使い勝手が良さそうですね♪

  2. おはようございます。
    ストラップの品質自体は、格段に黒ウッドバッグが上です。新しいデザインのものは持っていないのですが、旧デザインのものの場合、ストラップ自体も吊る部位に関して保護のため当てものがついていて、2ランクくらい上等と思います。
    ストラップ自体が頑丈でも、袋との接合が弱いので、そこが外れてしまうのだと思います。
    白ウッドバッグは逆で、ストラップが弱くて、接合が強い感じです。
    白ウッドバッグの場合、ストラップ1本で吊れるので、最悪、少々切れても、ゴミ入れ程度には使えるかなと思います。
    短いストップもありますし。
    白ウッドバッグと黒ウッドバッグで使い勝手自体は正直大差はないと思いますが、デザインには大きな差があります。
    その差は、おそらくですが、WittmannさんはPOSCHの大型薪割機2台、それにトロンメルスクリーン2台というような設備を導入して、大量生産している経験にもとづいて設計していること、しかし、いのり薪さんがPinosaを導入したのはこの間ですから、黒ウッドバッグは、それ以前に作られたものです。
    当然、現時点での話であって、黒ウッドバッグも進化していますから、今後も進化し続けると思います。
    問題点が明らかになり、それをネガティブなことと捉えず、有益な商品改良情報を考えれば、より良い商品に発展し、結果、薪製造者全体の利益に資する情報と思い、ブログに書いております。

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