どうして密閉するのか

薪の乾燥にウッドバッグという通気性のメッシュ構造のバッグを使っているわけですが、それなのに、ビニール袋を掛けて密閉したら、意味が無いだろう、という突っ込みがありました。

ご尤もだと思います。

ただ、その指摘の中で、「通気性のいい高級なトン袋」という表現があったのですが、つまりは、ウッドバッグ=高い、ということですよね。

白ウッドバッグは 14 ユーロほどです。今のレートだと、1769 円(+実際には為替手数料、さらに輸入の経費が必要)くらいです。

Screenshot 2016-04-28 12.32.32そうそう、為替の換算などは、Google で検索するとか簡単ですよ。

14 euro in jpy

白ウッドバッグは、輸入の経費が高くて困っているので、共同輸入してくれる人を探しています。
サンプルを有償(原価でお分けしております)で、1 事業者さん、10 枚まで提供していますので、興味がある方は、よろしくお願いします。

自分はフレコン(トン袋)は、ふくろ屋ふくなが さんで買っているんですが、ここで、耐候性のあるフレコンの値段を見てみますと、

となっています。

どちらのバックも φ1,100mm x h 1,100mm、1m3 の丸型です。

これに対して、白ウッドバッグは 1.5m3 の容量がありますから、耐候性 1 年タイプと同等の耐久性を有しているものと仮定すれば、1.5 倍の容積があるわけですから、2,827.5 円しても、割高とはいえませんし、仮に 3 年タイプならば、4,431 円の価値があるともいえます。

製造者である repack much e.U. の説明では、繰り返して使える、という表現がありますから、1 年でダメになる(ものもあるとは思いますが)のではなく、数年の耐候性を有している製品と思えますので、耐候性タイプと価格を比較すると、むしろ安いくらいではないかと思うわけです。

つまり、コストを削減したいと思ったとしても、耐候性トン袋を使ったら、むしろウッドバッグを使うよりも高くのでは、ということです。

ただ、白ウッドバッグが高いのは事実だと思います。
普通のトン袋であれば、1,000 円もしたら超高級品ですから。

まあ、高いか安いか、というのは、袋のコスト以上に生産性が向上すればペイする問題なので、この部分の計算は、また後でしたいと思いますが、耐候性トン袋と比べると、全く高いくないです、ということは一つの事実だと思います。

次になぜ密閉するのか、について。

まず、袋をかけるのは、「自分の場合」は、割ってすぐではありません。
しばらく、雨ざらしにした後にかけるのですが、タイミング的にどのくらい、というのは今試している段階なので、なんともいえないところですが、もしかしたら、割ってすぐに掛けたほうがいい結果が出るかもしれませんし、この部分は未知数です。

もし、すぐにカバーを掛けて問題がないのなら、普通のトン袋に高級な UV カバーをかければそれで済むのではないか、という思いもあります。
ただ、この場合、カバー内部の温度上昇が、カバーが透明の場合に比べて劣るようで、つまり、温室にして内部を温め、湿気を排出させようとする能力が低下する、という問題があるのではと思います。

それと、カバーをかけるのではなく、温室に入れたら同じことではないのか、という考えもあるかと思うんですが、これは明確に NO だと思います。

様子を見ている範囲では、日中、日光により暖められた空気、また、湿気を含んだ空気、これらは外気よりも軽いため、カバーが大きく膨らみます。

カバーの角の部分は隙間を設けてあり、そこから、暖かく湿った空気が排出されます。

そうすると、その分何処かから空気を持ってこないといけませんが、どこから空気が持ってこられるかというと、底面しか穴はないので、袋の底から空気を吸い上げる、ということになるわけです。カバー内部の空気の流れ、これを解析したわけではないのですが。

もし、カバー掛けて密閉していなければ、わざわざ底から空気を持ってくるか、サイドなどからも持ってこられるわけですから、下から上への袋のなか全体を吹き抜ける空気の流れが生み出せないのではと思うわけです。

このドライカバーと称する原理は、黒ウッドバッグの販売元であるいのり薪さんが考案されたものです。

自分は、薪が乾く直接的な要因は、乾いた空気が流れること、つまり、風通しだと思っています。

なので、極論すれば、普通のトン袋でもいいので、それに薪を充填して、布団乾燥機の要領でその袋に空気を流しこみ続ければ、短期間で乾燥することができるのではと考えています。

ただ、そんなことをしていたから、電気代がかかって仕方ないですし、設備のコストもばかにならない。

今思っているのでは、ドライカバーの仕組みはそのままで、吸排気を、暖められ湿った軽い空気が抜ける力だけに頼るのではなく、小型のファンを使って強制的に空気の入れ替えをしてやることでより効率的な乾燥が可能になるのではないだろうか、ということです。

コストを掛けることはできないので、今思っている方法としては、電源がないヤードですから、太陽光発電によりバッテリーに充電し、そのチャージコントローラーの機能を使い、タイマー運転をする、という方法です。

12V という低圧であれば、免許や資格がなくても配線をすることができます。

また、北米で普及している Low-Voltage の配線キットをつかば、専用のワイヤーを転がし、電気がほしい部位でクリップするだけで配線ができ、クリップを外したら勝手に自己シールするので、すずらん灯的にファンを鈴なりに配線することも容易です。

無論、大規模になって、より細かくマイコン制御するようにするとしても、トランスを使い、それらを IP コントロールできるタップで ON/OFF の切り替えをすれば、リモートで運転状況を管理することもできます。

いろいろアイデアは思いつくのですが、バタバタしすぎて、この前風が吹いて、センサーが吹っ飛んでいたのですが、時間がなくて、まともにまだデータの収集さえ行えていません。

原木の回収にも行かないといけないし、買ってきた原木もまだ積んだままです。

梅雨までには、一通り片付けて、データの収集や、トマトハウス式を一歩進めた電動ファン付きトマトハウス式も併設して、様子を見てみたいと思っています。

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2 thoughts on “どうして密閉するのか

  1. 温室と言う単語を使ってますが、ウッドバッグのカバーと築造の温室では
    容積、形状、薪を入れた状態での隙間の空気のボリューム、空気の流路などが大きく異なるので
    異なる結果になるのでしょう。

    ウッドバッグ+カバーは1m四方の底面に高さが2m位の煙突状になります
    さらに薪を詰めた状態では空気の流路も狭くなり、より細長い煙突状態に成ります。
    当然カバー内部の空気のボリュームは下がり、その分換気する空気量が少なくて済みます。

    空気の流量が同じ場合、換気回数が増える事になるために
    内部の空気の入れ代わりが早くなります。

    しかし細長くなるぶん空気抵抗は増えますが、その代わり内部の温度が上がり
    膨張して圧力が上がっているので、静圧が高くなるのと同じ事になるのではと思っています。

    PV=nRTで空気の温度、圧力、体積は求める事が出来ます。

    築造だと地面から壁が立ち上がっているため、地面からの湿気は全て温室内に出てきますが
    ウッドバッグはパレット二枚重ねた上に置いているので、カバーの下端は40~50cm地面から浮いている状態です
    さらにカバーと地面との距離と周囲の長さ(約4m)から来る下部の開口と
    小さい床面積との比率なから換気に良い方向に行っているのでは無いかと思います。

    要するに、築造温室の場合、温室のボリュームと地面からの湿気が内部に加わるため
    薪の乾燥に必要な換気回数に満たなかったのではないかと思います。

  2. それぞれの地域により気候なども異なるし
    薪造りに掛けられる労力、時間、場所などのリソースも異なるでしょう
    同じやり方が全国で通用するとは思っていません。

    そもそも豪雪地域でウッドバッグ+カバーを露天で乾燥なんてのは到底無理ですから。

    大事なのはプロセスでは無くて、「乾燥した薪」と言う結果です。

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