ガラスやエナメル(琺瑯)などの食器の検査

Facebook で友達登録をしている T さん、雑貨のお店もやっているんですが、ガラス製の食器を扱っているようです。
まあ、営業用の最重要秘密事項だと思うので、教えてもらえるかはわからないのですが、食器などの検査について、損益分岐点等を聞いてみました。

たとえばですが、Anchor Hocking(アンカーホッキング) のストレートジャー(ガラス製保存容器)なんですが、M サイズ、1 gallon = 3.8L のもので 4,000 円前後程度で国内で売られています。(送料の扱いで、幅があるようです)

同じものは、米国だと、$20 です。(多分、現在の相場は高すぎるため、カートが獲得できず available those sellers 表示)
仮に $20 だとすると、うちの通常の輸入のやり方だと、食品衛生法の届出や検査のコストを端折っても、採算を取るのが難しい状態です。

で、T さんは商社から仕入れている、ということでした。
秘匿したいのか、あるいは、深く掘り下げたらいけない部分なんだろうなと。

食品衛生法を無視すれば、というか、故意に遵守しようとしないならば、普通に国際郵便等で送れば、検査なしで届くのです。
当然、商品衛生法に基づく検査をしていませんから、日本の国内の基準を満たすかどうか証明できませんから、食器として販売すことはできません。

検査は 破壊検査のため、商品が一つ(以上)失われる ので、1 点もののアンティークなどは、正式に食器として輸入できるわけはないのです。
でも、平然と売られている。
食器ではなく、飾り物として売っている体なのかもしれません。
ただまあ、万一のことがあった場合に、食器などは人命に関わりますので、自分はそういうことはできません。

この問題について、長年ずっと放置してきたのですが、今後のこともあるので、調べてみました。
そうしたところ、検査費用については思った以上に安い、ということがわかりました。
愛媛県の場合、県で試験ができるようなので、10,000 円程度のようです。
ただし、問題があり、保税倉庫にサンプル採取に行って、そこから 2 週間程度、検査にかかるのではないかということです。
県の場合、サンプルを採取する方法でしか試験ができない、試験場に直送する形は(多分)無理、ということでした。

当たり前ですが他に荷物がある場合、検査が終わって、その結果を広島に送り、書類が戻ってくるまで通関を切れません。
神戸の場合ですが、フリータイムを過ぎた場合、1m3 あたり 4,000 円/週くらいのべらぼうな費用がかかります。
5m3 の貨物全てを 2 期分ということになると、4,000 x 5 x 2 = 4 万、保管料がかかってしまいます。
これだけかかるのなら、逆に、すべて検査が必要な食器類だけを分けて送っても元が取れるんじゃないしらと思ったりもします。

愛媛県では、食品の原料(おそらく、豆だとか、小麦だとか、そういうもの)の検査は、実績があるものの、鍋だとか、その辺りに関してはあまり詳しくないようで、倉庫さんと打ち合わせて対処する必要がありそうなので、続きはお盆明けにしたいと思います。
船で入れるほどの量でもないので、航空便で入れたらどうか、とも思うのですが。

それと、家庭用品品質表示法 に基づく表示義務についても調べておかないとと思います。

定義

  • 食物等を煮るための容器。アルミニウム製のもの、鉄製でほうろう引きのもの、ステンレス鋼製のもの及び銅製のものに限る。容
  • 量が10リットルを超えるもの及び電気、ガス又は石油等による加熱装置を有するものを除く。

少なくとも、琺瑯については、表示義務の対象ではないかと思います。
逆に、ダッチオーブンは鉄製で琺瑯引きではないので、表示対象外です。

あと、琺瑯の話ですが、色が違うと、中に含まれている成分が違うので、色毎に別の製品、ということになるようです。
つまり、それぞれの色で検査をする必要があるということになりますね。

このことは、検査のコストがかかるということ、また色毎に売れる・売れない、ということがあるわけで、扱うかどうか、慎重に検討しないと、イニシャルコストがかかる問題があります。

いずれにせよ、興味があることなので、採算は度外視して、一度やってみようと思います。