チップについて

乾燥機を安定して運転する上でチップの品質が極めて重要であるとは思うんですが、乾燥コストの大部分を占める事項でもあるので、高額なチップを購入して解決するとしても、それは選択肢にはなり得ないかなとも思うのです。

まずは、現状について、分析してみようと思います。

大型アームロール車で配達してもらっているんですが、容積は概ね 30 — 40m3 くらいです。
少なめに見積もって 30m3 だったとします。

今回の釜の運転ですが、累積で多分ですが 120 時間ほど運転しました。
チップですが、ほぼ 1 台分使ったので、時間あたりの消費量ですが、30/120 = 0.25m3 くらいということになるのでしょうか。

一般的に、チップの熱量は 15.6GJ/t だそうです。
比重は、0.55 くらいのようなので、0.25 x 0.55 = 0.1375t/h, 熱出力は 2.145GJ/h = 596kW/h で、効率 80% として、乾燥機出力 480kW/h なので、カタログ通りのようです。
チップのコストは、1m3 あたり、1,000 円(税別)なので、出力 1kW/h あたりのコストは 0.6 円くらいです。

あとはチップの品質かなと思います。
チップの品質として考えられることは、

  • チップのサイズが均一かどうか
  • 異物が混入していないか
  • 含水率

といったところかなと思います。

まず、サイズですが、基本的に φ50mm のスクリーンに一度通しただけのものが納品されるため、とてもばらつきが多いです。チップをスクリューで搬送するため、大きすぎるものが詰まるため、そのことばかり気にしていたんですが、ダストチップというようですが、非常に細かなものを含まない方が良いのではないかと思うところです。

品質の高いチップを買えばいいのでしょうが、発電用のチップの場合、12,000円/t (含水率 35%, DB)くらい、PKS で 15,000円/t くらいと、全く箸にも棒にもかからないほどのコスト差があり、氏子区域の工場で生産されたもので地域での経済活動になるため、現状のチップを再加工して利用し続けるのが最もコスト効果が高いと思っています。

現状は、天皇陛下ご即位記念号で大きなもののみ弾いていたんですが、細かすぎるダストを取り除く必要があると感じます。
既存の小型ボイラーの場合、基本的にダスト不可、最小サイズは 5 x 5 x 5mm くらいのものが多いようです。
なので、5mm のメッシュを通して、これよりも細かいものは、抜き取る処理が必要だと思います。

また、磁選機で鉄は除去されているんですが、アルミが残っています。
これを除去する必要があります。

装置の原理は、ものすごく原始的で、電磁誘導です。

ただ、コストがかかりますが、大きなものもそれなりに含まれているため、スクリーンを φ30mm くらいで作り、ハンマーナイフモア(クサカルゴン)を利用した小型破砕機にまず投入して、そこから出たものを天皇陛下ご即位記念号で粉末を抜く処理をした方がいいんじゃなかと思うし、これらの機械をコンテナにパッケージングすることで、騒音や粉塵の飛散が軽減できるのではとも思います。