お供えの鯛について

秋祭りは無事に終わったんですが、ふと、お供えの鯛について思い出すことがありました。
それで、現状、自分が知っていること・思っていることをまとめておこうと思います。

まず、鯛のお供えの仕方です。

北海道札幌市北区鎮座 新川皇大神社 公式ブログです。
新川皇大神社 は、本庁包括ですね。

ざっと Google で検索したところヒットした鯛のお供えの画像ですが、説明したいことがあるので、その特徴が見られるものをピックアップしました。

まず、鯛の向きです。

かつては「海腹川背」といって海の魚はご神前に腹を、川魚は背を向けると決まっていましたけれど、今では区別せず、腹をご神前に向けます。そして、中央より向かって右にお供えする場合、頭は左に、向かって左にお供えする場合、右に頭を向けます(これはほぼ全国共通)。

ですが、これは、当地近郊では異なりまして、一尾の時はそうなりますが、二尾の時は腹合わせになります。
頭の向きは、正中向きです。

何故だろうなぁ、などとずっと思っていたら、こんな記事を見かけました。

タイのオスとメスの見分けはできるのか?
最近は、結納品として鯛のオスとメスを持って彼女のお宅へという人も少なくなりましたが、それでもたまに「結納品に使いたいので○月○日に鯛のオスとメスを用意してください」 という注文があります。 しかし、はっきり言って私は鯛のオスとメスを見分けるのは苦手なのです。

一般的にはメスの方が優しい丸みのある顔つきをしているとか、オスの方が色が黒いなどといかにも慣れれば簡単に見分けられそうな事が言われていますが、それほど簡単ではありません。

(略)

結納用にオスとメスのタイを頼まれた場合は、このように魚の腹を合わせて飾りますが、この写真に使ったタイのように腹を開けて確認するわけにもいきませんから、大きめのタイと小さめのタイを1匹ずつ用意して、上(向こう側)に大き目のタイ、下(手前側)に小さ目のタイを置きます。 小さい方のタイをメスに見立てるわけです。(実際にはタイのメスの方がオスよりも小さいわけではありません)

そういえば、M さんが総代をしていたときに T 先生に、お供えの鯛は雄雌で釣り鯛と言われたということですが、そういえば自分も Y 先生にそう習ったのを思い出しました。
それで、この魚屋さんではないですが、見分けることは全くできません。

この文章だと、結納などの際のお祝いの鯛は、全国的に雌雄で、かつ、腹合わせに供え、相手側に大きな(オス)を持ってくる、というように読めますね。
たしか、どちらがオスだというのも習ったんですが、そもそも論として、自分は見分けられないので忘れてしまいましたが。。。

それで、麻紐での括り方ですが、テグスで結んでいるものもありますし、もともと見えるように括るのが良いのかどうなのか、という疑問もあったりします。

桃山社中というか、桃山きよ志という方は、かなりアレ(個人の印象)で、本庁包括の神社とかなり異なるので、引用するのも問題があるのかもという気持ちもあるんですが、教祖がおらず、教義・経典の類がないのは神社ですから、誰も正当な神社だとか、正式な作法、などというものを決めることはできないわけで、まあ、歴史の中で判断されるだろうと思い、あえて持ってきましたけど、ここは腹合わせですし、検索すると、麻紐で装飾的に括っている写真などが出てくるかと思います。

新川皇大神社 さんも書かれている通り、あくまでも一例、どれが正しくて、どれが間違いということはないと思います。

例えばテグスについては、元々括るという行為は生きているようにお供えしたい、ということからスタートしたと考えられるという意見があるわけですから、括っているのが見えるよりは見えない方がそう考えると良いわけですから、理に叶うと感じるわけです。
その反面、ちょっとプラスチッキーでどうなのとも思うのです。

あと、魚の下に敷く葉っぱ ですが、うちはヒノキです。そのために一本、葉を取るように植えてあります。

室町時代の料理書『四条流包丁書』の中に「カイシキノ事 ヒバ ナンテン」と書いてあるそうで、ヒバは樹木としてはアスナロを意味しますが、ヒバ=桧葉(ヒノキの葉)ではないかと解釈されています。

魚屋さんの白いのは、ドラキュラマット というようですが。。。

他には、熊笹や南天、バランが見れますね。
管理が楽そうなので、南天やバランも用意してみようかなと思いました。