薪の長さ、再び

去年の春から、薪の製造を始めたわけですが、アンケートの結果にもとづいて、40cm の薪を生産してみました。

その結果ですが、ちょっと長い、というお客さんが多かったんです。
自家用に作っていた 30cm 薪は好評だったんで、40cm は少し長すぎる、という印象を受けました。
理由を幾つか考えてみたんですが、

  • 小型の薪ストーブが多い
  • 長いと薪を入れる向きなどの制限が大きく使いづらい

という 2 つが思いつきます。

使っているストーブについて尋ねたところ、欧州製が多く、中にはモダンな縦型のモデルをお使いの方もおられました。

みかんカゴの内寸の都合で、きっちり入る長さは 30cm と 45cm なんですが、45cm は需要がないし、30cm だと積む際にやや短いかなとも思うわけです。

個人的には、30cm を使っていて、それより短くても、みかんカゴに入れてハンドリングしているので、全く不都合はないわけですが、世間的には少なくない割合で薪棚を作ってそれに積み上げる、という収納スタイルを取っているようなので、納品の仕方などの課題も含めて、生産側の都合ではなく、実際に利用する際に、使い勝手の良い薪の長さ、ハンドリングというものを考える必要があって、それはどうも 40cm ではないということだけは明らかになりました。

薪の生産スタイルが、国や地域によって随分と違う、ということはこのブログで何度も書いてきたことなんですが、特徴的だと思うのは、やはり欧州の作り方で、最初に 1m に切って、それを割って乾かすのです。

専用の結束機があって、円筒状にバンドルしますが、写真からの判断になりますが、概ね 1m3 くらいの容積のように思います。

その後、これをカットするのですが、カットも専用の装置が存在して、POSCH duo wippsäge(wippsäge = tilting saw)の仕組みを見ると、3 等分するので、薪の長さは必然的に 33cm となると推測されます。

無論、AutoCut のように、長さを調整できるものもありますが、元々を 1m で作るのなら、必然的に、2 等分すれば 50cm、3 等分すれば 33cm、4 等分で 25cm になってしまいます。

duo wippsäge が 3 等分に固定されていることから逆に考えると、33cm の薪が欧州では主流の長さではないのか、だとすると、販売されている薪ストーブも、そういう長さの薪を使うことを前提にデザインされているのではないか、そのように推測します。

この辺りにいろいろと書いてあるのですが、薪の体積の計算には、stere (RM = raum metre) という単位を用いているようで、どうも 1RM = 1m3 のようです。米国で言うコードのようなものでしょうか。

アンケートの結果は、あくまでも自分で薪を作る人の都合も含めた数字であって、あたりまえのことですが、短く作るよりも、長く作るほうが切る回数も、割る回数も少なくて済みますので、なるべく長く作ろうとするわけで、そういう数字で 40cm なら、それよりも短めが実際には使いやすい長さなのかなと思うわけです。

薪ストーブのカタログに書いてある薪の長さですが、推奨している長さではなく、最大入れられる長さだと思います。

実際、うちのストーブは、60cm と書いてあるんですが、シガータイプのため、前から後ろに燃え、かつ、後ろの炉室は天井が低いため、奥は熾火が残っており、薪を追加する際は、前の方にしか入りません。

なので、60cm の薪ばかりだと、前のうえのほうがスカスカの状態になります。

「入る」、と、「使いやすい」、それぞれの長さは全く別物だと思います。

短いもののほうが圧倒的に使いやすく、火持ちは、長さではなく、太さで調整すればよだけのことなので、今後は、30〜35cm くらい、33cm の薪を主力として生産していこうと思います。

いろいろな長さを作ると商品の管理コストがかさむので、当面は、33cm のみの生産に切り替えていこうと思います。

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