車好きで先生の名を知らぬものはまず存在しないでしょう。
自分も年代が年代ですから、若いころの興味関心は、クルマ、寝ても覚めても、という状態でした。
大学進学で上京し、免許を取得した折、マツダからユーノスロードスターが発表されるなど、当時は、本当に魅力的なクルマがあふれていました。
ロードスター以外にも、ロータリーエンジンの RX-7, FD3S、藤原豆腐店でお馴染みの AE86 はレビンもトレノも乗りました。
当時は他にも、S13、R32 GT-R など、長く人気のある名車が次々に世に送り出されました。
他にも、個人的には微妙に思いましたが NSX や GTO、スープラ、SW20 など、そういえば、ビート、カプチーノ、AZ-1 と言った珍車もありましたし、セラなんのもありましたね。
スポーツカーというものの百花繚乱というたとえそのものの時代であったと思います。
今の若い人には多分理解されないと思いますが、当時はクルマというのは、自分の分身のようなものであり、生き様を鏡に写したようなステータスシンボルでもあり、衣類などと同じ、身だしなみでもありました。なので、自分にとってのクルマというものがどういうものであるのか、どいういうものがふさわしいのか、先生の「間違いだらけのくるま選び」の影響を受けたことはいうまでもありません。
結論としては、ロードスターにたどり着き、NA から NB, NC と 3 台初期型を乗り継ぎ、NC のドライブ・バイ・ワイヤの 2L エンジンと 1t 超の車重に猛烈な拒絶反応の発作が起きて、ロータスに乗り換えることとなったわけですが、ロータスももちろんヤマハエンジンではなくて、ローバーの K エンジン車で、腰上はフルチューンです。
いわゆるバブル崩壊後から、実利のみを追求したおもしろみのないクルマが溢れかえっている状態が長く続いたとように感じますが、最近は、環境性能を高めつつも、ドライバビリティの高いクルマもぼつぼつと出てきて、若い人も、クルマという自分の能力をリアルで拡張する大きな力を手に入れて、これまで辿りつけなかった未知の世界への冒険を楽しんでもらえるんじゃないのか、そう思える時代が到来しそうな予感を感じる今日のこの頃でした。
先生の、今までにない切り口と、歯に衣着せぬ鋭い切れ味の評論は、豊富な経験と知識に裏打ちされた確かなものであったので、これからの時代のクルマにも鋭く切り込んで、業界に活を入れていただきたかっただけに、今回の訃報に接し、本当に残念でなりません。
少し前に先生のお写真を拝見した折、杖をついておいでだったので、時間というものをひしひしと感じたのですが、まさかこれほど早く逝かれるとは思いもよりませんでした。
謹んで、哀悼の意を表します。
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