ストーブの寿命の盲点

ストーブの寿命ってどれくらいなんでしょうね?

自分は、以前はいわゆる時計ストーブを使っていて、鋳物製のストーブは F118CB からなので、正確な寿命というものがわからないし、ただ漠然とですが、10 年は軽く使えるもの、という思い込み、そしてあわよくば 20 年くらい使えるといいな、と思ったりもしています。まあ、この思い込みの根源は後述するのですが。。。

でも、とんでもない落とし穴があるようです。

とある方から相談を受けて、その時聞いた話なのですが、知らない人はいないと思う有名代理店が販売したストーブ、それも 10 年も経っていないものの保守用部材を提供できない状態が生じている、というのです。

例えば、石油ストーブですが、煙突など外部に排気するタイプでしたら、製造打ち切り後 7 年は機能性部品の提供が行われているので、必ず修理できるわけです。エアコンであれば、9 年です。

海外に比べて 2 倍、3 倍、そういうものすごい高額で販売しておいて、10 年使えない状態が生じてしまったのは一体どういうことなのでしょうか?

薪ストーブ専門店の売り文句はたいてい、「薪ストーブは火を扱う道具であるため、高度な技能を習得した専門家による適切に管理された薪ストーブ本体や煙突システムがあってこそ、本来の性能を安全快適にお楽しみいただけます」、というものなんですよね。

だとすると、さぞやしっかり、そのための保守体制には投資しているのかと思いきや、メトスさんの場合、機能性部品の提供は、たったの 5 年のようです。とても 10 年は、安心して使えないですね、これでは。

http://www.metos.co.jp/support/past/kamin/

こういう事実、自分はつい最近まで知りませんでした。

愛媛の某暖炉屋さんに、モルソーを買いに行った時(この時点で某に意味は無いような…)に、何年くらい使えますか、と聞いたら、

うちは、アンデルセンストーブが発売されてすぐに導入して、わたしが子どもだったころから、何十年もずっと使っていますから、メンテナンスをして丁寧に使えば、本当に長く使えるんです。

ってことで、まあ、そういうもんなのかと思い込んでいたわけです。

実際に使っているから、本当のことを言っていますから、嘘ではありません。ミクロでは。

でも、マクロだと、嘘だよね、これ。

新宮商行さん、実際に、俺のみにくいアヒルの子の部品出せなかったし。
別に、責めるつもりは全くないけど、部品が出なくて寿命になる、それは歴然たる事実だってこと。

そもそも機能性部品というものが存在し、その保有期間を定めている、つまり、製品の寿命を販売者が販売側の都合で明確に決定しているわけだから、それは告知する社会的義務はあるんじゃないのかな?

  • 並行品だろうが、正規輸入品だろうが、ストーブを作っている会社が部品を切らしたら、それでおしまい。
  • ストーブメーカーって、実はよく破綻したり、経営主体が変わったり、合併したりしてる。いつまであるか、誰にもわからない。
  • 正規輸入品の場合、正規輸入ディーラーの在庫分は、寿命が伸びる確率も高いし、国内に部品があるから、部品があれば対応も早い。でも、海外品でも、今の航空便は下手すりゃ 3 日で着く。在庫があれば、部品は当然、手に入る。
  • 正規輸入品でも、正規代理店がケツをまくって、5 年で部品を出せない現実も今発生中。

というわけで、昨日の日記のコメントへのお答えになったでしょうかね?

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7 thoughts on “ストーブの寿命の盲点

  1. 「品質はユーザーが選ぶ」につきると言うことです。

    >正規輸入品でも、代理店がケツをまくって、5 年で部品を出せない現実も今発生中。

    製造元の供給がストップしたのなら仕方ないけど、製造元は部材の供給が出来る状態なのに
    正規代理店が対応を辞めるのは、正規代理店で購入する値打ちが無いよね。

    国内在庫は今の在庫限りだけど、製造元が供給する限り取り寄せが可能なのだから
    費用よりも時間優先の場合は航空便で、急がないから少しでも費用の掛からない方法でと言う場合は、次回の混載船便でとかの柔軟な対応が出来ない物でしょうかね?

    それに良く故障する部材は過去の統計からある程度絞れると思うけど
    それもやらないのかな?

    EUの方は古い物を手入れしながら長く使う文化が根付いているから
    部品供給は長く続きそうに思いますが、薪ストーブの場合はちがうのかな?

    国内で部品供給を止めるのは、対象製品を売りたくない、別の製品を主力で売りたいという
    代理店の思惑が出ているのかな?と邪推しています。

  2. yasさん、現時点では、片方聞いて沙汰するな、状態ですから、具体的な業者名は伏せておきたいと思うんですが、実際にユーザーさんが買って10年経ってないモデルで部品が出なくて困っている、というのは状態のようです。
    ウチでは扱ってないブランド、なので、ちょっと片手間でどうこうしてさし上げることができる状態ではないのが悔やまれます。

    ところで、yas さん、「品質はユーザが選ぶべき」って、半分は正鵠を射ていると思いますが、でも、今まで、そんなに簡単に選べましたか?

    時々、間諜地味たこともするんですが、雑貨の品揃えが知りたくて旅先でヒゲでお馴染みの某社長さんのチェーン店に寄った時に、たまたま某社長さんがいらっしゃって、別に社長さんと話をしたかったわけじゃないんだけど、お姉さんと話をしているうちに、社長と話をしてみてください、って言われて。で、煙突の話がでたんですが、そのお店では NOVA の SM しか売らない、っておっしゃってました。

    そういう、高級路線が間違いとか、そういうことがいいたいのではなくて、そもそも、ホンマなんかのチャイニーズ物との間って、事実上、選択肢ってないように思うんですが。。。

  3. 品質と言うのが、高級品、廉価品、と言うだけでは無くて
    不良品を市場に出さない安定した品質のメーカーを選ぶか
    工業製品の不良は0には出来ないから市場に出すけど
    不良品は交換すれば問題ないと言うメーカーを選ぶか

    高くてもアフターがしっかりしている物を選ぶ
    安いからアフターはあてにしないで、割り切って使い捨てにする物を選ぶ
    そういったことなども含めての品質です。

    金額が高くなるほど簡単には行きません、どちらを取るか決めるまで時間がかかります。

    身近な物だと、100円ショップの物で済ませるか、ホームセンターにするか、簡単なんですけどね。

  4. yas さん、そういう意味では、いろんな品質がありますが、実際のところ、各社の不良率だとか、そういう資料ってあるんでしょうか?
    部品のコストも差があるかもしれませんよね?
    そういう意味では、各メーカーごとのライフサイクルコストとか知りたいものです。

  5. 焚き方やメンテなど使用が荒いか丁寧かなど人によって違う(針葉樹とかも)でしょう。
    しかしクルマほどの部品点数は無いし、故障する部品はメーカー毎に特定個所が交換されているのが現状ではないでしょうか?

    VC社とかは触媒含め圧倒的な修理率と聴きますし、CB機でも最近多用されているバーミュキュライトなどは損傷率も多くて不思議はありませんので、中古品は薪ストーブショップが自前で修理して知合いに売っていることで市場には出ませんので、日本では中古品市場はどうも事実上小さくて、残念ながら無いに等しい状況のようですね。

    貴社で並行輸入業者に携わるお店が故障率の高い部品はストックしてくれるとユーザーも安心してそこから購入できるような流れも作れるのではないでしょうか?

    もしかしたらその辺の理由で定価の10%引きや20%引き程度の金額で近くのリアル店舗に頼んでいるのが実態なのかも!
    ヨツールF400の実勢価格は多分20%引きでも36万円位で、ドブレ640なら28万円前後でしょうからやはり単純に比較すると普通のお店は中々お高いんですよね。
    この差をどう思うかは顧客さん次第です!?

  6. ナラさん、現状始めたばかりなので、あくまでも今後の方向性ですが、自分の中では、基本的に触媒機は扱わない(在庫しない)考えです。

    基本的に DIY ユーザ向け、と考えているので、個人的な趣味もあって、F400 と F45 を主力商品にしたいと思っているのです。
    シンプルで堅牢、ブランドイメージ、価格と日本での需要などを考えてのことです。
    F45 については、日本未導入なので、使いたければ、並行モノを使うしかない、というのもポイントです。

    ただ、現在の運賃(海上運賃です)の契約が容積のみなので、安いストーブを運んでも、重くて高いソープストーンでも、かかる経費がほぼ同じなんですね。F400 や F45 のように安価なストーブだと、運賃の割合がかなり大きくなるので、そういう意味で、Heritage なんかを将来的に扱えるといいな、と思っていたところ、早速ご注文がありました。

    ナラさんのご指摘の消耗部材については、こちらとしては、いつ売れるのかわかりもしないものを仕入れることは、当面はできません。ただ、10台、20台と売れば、そのうち消耗部材の凡そのニーズもわかることですし、注文があったタイミングで、余分に輸入しておき、オンラインストアで在庫を販売する体制を整えていきたいと思っています。
    実際のところ、レンガのようなものでしたら、商品コストよりも、航空便で入れたらそのほうが高くなる可能性もありますから。

    現状は、在庫を持っていませんし、持ちたいとは思っていますが、持つということを軽々しく約束できないので、受注発注です、としか言えないんですよね。
    なので、当然、米国の側で在庫がないなら、輸入できません、ごめんなさい、となってしまいます。

  7. F400 ですが、定価は 48 万ですよ。2 割引は、41.472 万税込みです。36 万税込みだと 3 割引ですね。

    うちの場合、為替による変動がありますが、F400 だと、だいたいうちの手数料込みで 24 万。後、運賃と、税金ですね。タイミングがあれば、運賃は相当安くなるけど、定価ベースで言えば、6 万くらい。つまり、32.4 万税込み。

    2 割引でも正規品が 1.3 倍高い、あるいは、2 割引の正規品よりもさらに 2 割安い、まあ、いろんな言い方ができるとは思いますが、9 万ほど差額がありますね。

    さて、9 万あったら、何個耐火レンガが買えますかね。
    予め買っておけば、余計な送料も要りませんね。
    当然、自分の手元にあるのだから、10 年後、メーカで欠品していても、ストーブをちゃんと使うことができます。
    傷んで、修理をしたら、次のストックを発注すれば、納期がかかっても困らないですよね?

    浮いたお金をどう使うかは、それはお客さんの自由なんですが、そういう考えもまたひとつあってもいいと思います。

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