前回薪用の FBIC, フレキシブルコンテナ(いわゆるフレコン)を久しぶりに生産したんですが、欲しいという方が多く、自分用のものがほとんどなくなってしまったので、追加で生産することにしました。
原価ですが、一枚あたり 1,000 円強でした。
関税や消費税は含みますが、日本到着後の経費、通関の費用だとか、デバン作業や検品、発送のための梱包作業などの経費は一切計上していないコストです。
流石にそれではやっていけないので、現時点での話ですが、販売の場合 1 枚 1,200 円(税込、送料別、少量のサンプル価格は 1,500 円)にさせていたくことにしました。
お店の以下のページからご注文いただけます。
まあ、決済の費用も 5% はかかりますし、入金までに 2 ヶ月以上、製造から輸入して販売できるまでにこれまた 2 ヶ月はかかります。
即売れても 3 — 4 ヶ月に 1 回の回転率ですから、利益などほとんどありませんが、生産時の必需品かと思いますので、なるべく安く保ちたいと思っています。
低価格を実現するために、以下の点を工夫しています。
- 吊り上げ用のベルトには保護シースをつけない
- 反転用のベルトをつけない
- 4 点吊として、ベルトを縦に縫い込む
見ての通りですが、これでかなりコストを削減できます。
現実的には、1 点で吊ってもたちまち破れるようなことはありません。
耐候性もそれなりにありますが、基本的にはワンウェイです。
反転するためのベルトがないので、中身をどう取り出すのかが問題です。
以前はイーグルクランプを使っていたんですが、クランプの着脱が面倒くさいのです。
そこで、ゴルフボールを使う方法を思いつきました。
見ての通りですが、袋の隅にゴルフボールを番線でくくりつけておきます。
輪にしたパラコードを引っ掛けて絞って吊り上げるだけ。
パラコードは引っ掛けてあるだけなので、瞬間で掛けて、瞬間で外すことができ、摩耗してもパラコードなのでいくらもしません。
ゴルフボール自体はメルカリで買いましたが、送料込みで一つ 30 円かかっていません。
ゴルフボールは袋がダメになっても再利用できるし、反転の紐付きの袋を買うよりも遥かに経済的だと思います。
というか、あの反転の紐、よくちぎれるし、それ以上に袋自体が傷みやすい気がします。
この理屈を援用すると、吊りベルトが切れたものも、袋自体が破れるまではボールを取り付けることで吊り上げることができるわけですから、かなり袋の延命が可能になる気がします。
これだと、1 箇所あたり 50 円かからず、ゴルフボール自体は再利用可能です。
内容物が重い場合、2 箇所に増やしたりすることも好きにできます。
反転用ベルト、簡単にちぎれてしまいますし、結構コストがかかるんで、はっきり言って必要ないんですよ。
どうでもいけど、吊り上げのベルトもよく切れますが、この方法で簡単に修理できます。
動画ではパラコードを使用していますが、普通にフックを引っ掛ける方法でも大丈夫です。
高さが 1m なのも理由があります。
1.5m くらいのものも薪用にはあるのですが、はっきり言って背が高すぎます。
考えてもみてください。
もし、パレットの上に載せたら、パレットは 15cm から 20cm 程度の厚みがあります。
その状態で仮に吊り下げる場合、吊り位置はどれくらいの高さになるのでしょう?
男性の平均身長は 170cm, 女性は 160cm 程度ですから、頭よりも高い位置です。
薪を入れるだけで苦労します。
また、乾燥収縮が均等でないなら傾いて倒れてしまいます。
輸送の際も重心が高くなり、不安定です。
高さがないので、輸送効率が低下する?
ちょっと考えればわかりますが、1.5m の不安定なものを 2 段積むことはできません。
大型の 10t ウイング車の荷台の寸法ですが、幅が 2.4m 程度、長さ 9.5m、高さは 2.6m 程度なのです。
1m x 1m のものは、円周が 4m になりますから、中身を均等に充填すると 1.27m くらいの直径の円形になります。
なので、そうならないよう、工夫をして 1.1m 程度に抑えるように充填する必要がありますが、背が高いとそれも大変です。
うまく積んだ場合、1.5m の袋の場合、2 x 8 = 16 袋積めます。
一方 1m の袋の場合、目落としで積めば 2 段目も安定して積めますので、2 x 8 + 7 = 23 袋積めます。
1.5m に対して、容量が 2/3 ではありますが、積載量はほぼ変わりません。
目落としについては、以下を参考にしてください。
また、容積から逆算すると、重量の問題にも気づけると思います。
1.5m の高さの場合、単純に計算(底面が正方形)すると、1.5m3 になります。
通常、薪を丁寧に並べた場合、概ね 1/3 の隙間が残ります。
乾燥薪の比重を 0.8 とすると、概ね 800kg 入ることになります。
ざっと落とすと 1/2 の隙間になるので、600kg です。
軽トラックの積載量は 350kg なので、1m の高さがあれば、十分入ります。
背が高くたくさん入れば、スペースの効率は良くなりますが、その反面、重たくなってベルトが切れやすく、倒れやすい、袋のコストが嵩むというデメリットが大きいと判断して、1m のみ製造しています。
いうまでもないですが、ある程度の数まとめていただければ、1.5m 等の背の高いものも受注生産可能です。
同様のものと比べても、格段に低価格になっていますが、理由なく 安くはできません。
値段が全く違うので、基本的に別物とお考えください。