日当たりの薪の乾燥への影響

あくまでも個人的な、現在での考えですが、日当たりそのものは、薪の乾燥を促進する要素ではあるとは思いますが、主たる要素ではない、と考えています。その根拠となった実験について書いておきますが、mixi に記録した内容の焼き直しになります。

そもそものきっかけはウッドバッグです。

去年、ウッドバッグが販売されたタイミングで、評判を聞きつけて、3 袋購入したのですが、当時の価格は、11000 円+送料、でした。

1320277926_53ウッドバッグ自体のタグに日光に暴露してはいけない旨の表記があったものですから、日を当てるかどうか、という部分で思い悩んで、次のような 5 パターンで比較試験をしました。

というのも、日当たりだの風通しだのは、薪の乾燥に大きな影響を与える要素だと、何の根拠もなく漠然と感じていたため、ウッドバッグを長持ちさせるために日光に当てない方がいいということと、薪が乾かなければ意味が無い(=日光に当てたほうが乾くのなら、日光に当てないなら乾きにくくなるはず)、というジレンマをどう解消するか、その折り合いをどうつけるか、ということを調べるためです。

 (1) wood bag 雨ざらし
 (2) wood bag+寒冷紗、雨ざらし → ビニール養生
 (3) メッシュパレット雨ざらし
 (4) メッシュパレット雨ざらし → コンパネ(屋根)養生
 (5) wood bag 屋内保管

この実験を時系列に書きますと、

 2013年06月22日 ウッドバッグを注文
 2013年06月27日 ウッドバッグが届き、充填
 2013年07月18日 (2), (4) の養生を開始
 2013年09月16日 乾燥終了 → 詰め替え (この日は雨のため濡れる)
 2013年09月21日 含水率測定

という流れです。

なお、樹種はヒノキで、ウッドバック分の中身は、乾燥後別の入れ物に詰めたら、3.5m3 という容積でしたので、かなりスカスカに充填されていたようです。ウッドバッグは、一番初期のモデルで、ボブキャットで荷役するため、両面パレット(樹脂パレットで穴のないもの)に乗せていました。

1335433440_14含水率の測定方法ですが、対象の薪を半分に割ってその中心部分をファイヤーサイドの含水率計で測定しました。ちなみに、ファイヤーサイドの含水率計は、簡易式で、数値がどこまで正確かは不明です。ドライベースであることが明記されています。

結論としては、いくつも計りましたが、少なくとも検定しようと思えるようなバラつき自体がなかったんです。つまり、どれも乾いていた、ということです。

伐採のタイミングの問題、その後の葉枯らし期間、乾きやすい針葉樹、去年の天候という条件あるでしょうが、ドライベースで 16〜18% 程度とカラカラに乾いている状態でしたから、結論からすればです、屋外で日光に暴露したものも含めて(検定したわけではないにせよ)有意差はないと判断したわけです。

屋外といっても、インターロッキング舗装され、排水も整備された環境で、屋内に関しては、いわゆる車庫、地面は未舗装で雨が降ると多少は湿気が上がってくる、直射日光が当たる、雨が当たる、という部分以外はほぼ差ない環境での比較でした。

まあ、突っ込みどころはいくつかあると思うんです。含水率的に考えると、すっかり乾いてしまっているので、考えようによっては、含水率を量るタイミングが遅すぎ、というのはあるかもしれません。

日当たりの影響にしても、ウッドバッグ越しなので、そこでカットされているよね、と言われれはそれはそうなんですが、もっと開口率の高いメッシュパレットも 2 基比較で用意しているわけで、そちらとも差がなかったわけです。

よって、日当たりそのもの(日当たりによる環境の改善があるような立地での、環境改善は考慮しない)なら、日当たりはあまり重要ではないと判断しました。

実際のところ、日当たりによる乾燥の差異を検討すること自体が目的だったのではなく、高価なウッドバッグを無駄にせず、効率的、すなわち、少しでも袋を長持ちさせたい、早く乾燥させたい、そのためにはどういう環境が良いか、それを探るための比較でしたから、少なくとも 3 ヶ月という期間で、日陰でもカラカラに乾くんなら、袋が劣化するリスクを犯して、日に当てる必要などないわけで、それがきちんと検定して比較しなかった理由です。

試験に用いた樹種はヒノキのみ、量もわずか 5.5m3 で、有意差の有無について検定もせずに判断した結果ですから、非科学的と言われればそれまでです。割っていない枝、大割り、固い広葉樹などなら、また違った結果が出たかもしれません。

薪をよく乾かしたい、これは、薪ストーブユーザーなら誰もが願うことであり、興味・関心があることだと思います。
時間が解決する、といえばそうなのですが、今後、荷重計の導入や、より正確に計れる含水率計などを導入して、より詳細に調査していきたいと思います。

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2 thoughts on “日当たりの薪の乾燥への影響

  1. こんにちは、ブログを拝見させていただきました。
    ウッドバックはどこで購入できるのでしょうか?
    よろしくお願いします。

  2. ねこさん、ウッドバックは「いのり薪生産組合」さんが販売している薪用のネットバッグです。
    基本的に重機(クレーンやフォークリフト)がある方向けの商品です。
    http://inori-maki.jp/shopbrand/005/O/

    個人的には、おすすめはいたしません。

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