ナラ枯れと里山広葉樹の管理・活用

この間のプチ同窓会で、何をやっているんだという話になって、薪づくりをしているというと、興味を持ったようで、色々と質問をされたりしたわけです。
その質問の中に、原木をどうしているのか、ということもあったんですが、現状、自分はほぼ自分で伐採して調達はしていないのでした。

話の根幹である、なんで薪を作り始めたのか、という部分について、これは漠然とした答えとしては、もちろん、自分自身が薪が必要であった、ということが第一のきっかけですが、やはり近隣の山の手入れされていない現状というものがあって、それもどうにかなれば、という思いもあったわけです。

愛媛界隈では、まだそれほど深刻化していないと思ってはいるんですが、ナラ枯れの問題もあって、クヌギやナラの林は、30 年程度のサイクルで伐採して更新した方がいいと思っていること、現状ではもっと年数が経ったものがあって、どんどんと木が大きくなって伐採やその後の搬出等の利用が困難になっていると感じていることを話しました。

それで、薪を作る程度でそのサイクルが確立できるのか、ということを訊ねられたわけです。
今のレベルでは到底無理と感じているものですから、無理だと答えたんですけど。

はっきりとした数字を把握していない中で、漠然としたことしか答えられませんでしたし、マクロ的な視野ではいわゆる薪炭業というものが衰退しきっている今、出口であるところ薪や炭というものが日常的に常用されない以上、なんらかの方策を講じないと抜本的な解決には至らないとは思うのですが、じゃあ、どうするのよ、ということが問題です。

今後のことは追々考えていく必要があるにはあるんですが、まずは目先のことを片付けないと、明日が来ないのに、明後日や来年は来ないわけですし、いつも言っていることですが、できることしか出ないのです。

まあ、そんなこんなで、歯切れが悪い部分もあったし、この調子で何かしら結果らしいものが出るのかしらなどと悶々とすることがなかったわけでもないのですが、逆に、課題というか、ゴールというか、そういうものも少し見えた気もした、そんなプチ同窓会だったわけです。

いつもの日課で Facebook を見ていると、表題の通りの記事が流れてきました。
黒田慶子 という方の投稿で、

現代林業9月号、ナラ枯れ連載の3回目。ようやく「里山資源利用がナラ枯れ対策」という話です。今回は「どう伐っていくか」の説明と、「針葉樹人工林のような間伐は絶対にやめて」とお願いしています。そんな基本のキさえ通じないのが、現在の里山林管理です。

ということなんですが、現代林業、というものは買ってこようと思っています。
画像は同氏の投稿から引用させていただいています。

ナラ枯れについても、

に情報があり、その中で、(上記より、一部引用)

  • ナラ枯れは、菌(カビ)による伝染性の萎凋病(感染木が急激に枯死する病気)です。
  • 昔の薪炭林は20年前後の若齢林のため,カシノナガキクイムシの繁殖は,ほとんど見られませんでした。
  • 大径のナラやカシ・シイ類を残して細い木や下層木のみを伐採する「公園型整備」では,カシ ノナガキクイムシの飛来や繁殖が活発になり,被害を広げます。この手法での里山整備は絶対に行わないで下さい。 → 「里山整備に関わる前に 」のページをご覧下さい。

というようなことが書かれているのですが、自分が思うところ、20 年は無理にしても、30 年程度のサイクルで薪炭林を更新していくこと、また、その際には、現代林業でも記載されていることと併せて、ナラ枯れという問題もあるので、間伐ではなくて皆伐する必要があり、皆伐後は若いうちに伐ったのであればひこばえで元に戻るわけですが、そうでないこともあると思うし、食害などもあるかもしれないので、今後、自分たちで伐採するようになるのであれば、考慮していかないといけないし、現状、知識が圧倒的に不足しているなと思うところです。

ここで愛媛県の状態について少し把握しておきたいなと思い調べてみました。
かなりどんぶりですが。

まず、クヌギの H23 の数字ですが、齢級別森林資源構成表には、含蓄 167,568 とあります。
単位は記載がありませんが、おそらく m3 だと思いますし、そのままトンに読み替えても差し障りはないかなと思うところです。
成長量は 3,002 とあります。

出典 愛媛の森林・林業(PDF)

これはクヌギだけなのか、ナラだとかはどうなっているのかなと思うところです。

うちの生産能力が推定で 500t/年(40t/月)、というところでして、歩留まりから考え逆算すると、年間 1,000t の原木を必要とします。
つまり、成長量以下です。
他にも、四国薪販売さんのような大手をはじめ、他社さんもありますので、薪炭生産により、ある程度の里山資源の活用というのは、行われているのではないかと思うところです。

ただ、現状 500t には程遠いので、さらに生産性を向上していく必要があります。
下品な話ですが、仮にですが 1t で 1 万円の利益(人件費を含まず)が出るとしても、500 万でしかないのです。
それでは、人一人まともに雇用することができませんから、事業として継続していくことも、若い人たちを山に呼び戻すことも難しいわけです。

その反面、ホームセンターなどを見ればわかりますが、炭などは元々が輸入品の割合が高かったのですが、薪も最近は輸入品が急速に増えています。
これは、大規模な商業ベースに乗せるとなると、既存の薪屋では、生産能力が足りず、品質も安定しない、さらにか価格でも太刀打ちできない、ということによるものと思います。

課題は山積している状態なのですが、少しづつでも前に進んでいければと思います。

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