プロセッサ、もうひとつの候補

他に気に入っているプロセッサに、かなりひ弱な感じがするものの、本当によくできていると思うプロセッサで、FARMI WP36 というモデルがあります。OEM だと思いますが、違うブランド名でも全く同じものが出ています。



まず、安い。そして、小さい。

安い、といっても、それは、Balfor や POSCH に対してであって、このクラスの米国製に比べては、特に安いということはありません。
型式から分かる通り、36cm までの玉切りができるんですが、最大処理径が同じ POSCH Spalitfix S-360 と比べると、価格は 1/3 です。
しかし、安さだけを見れば、DYNA の SC-12 のほうが、明らかに性能もいいし、作りの堅牢さも桁違いなんだけど、値段的には、$10000 しないし、Log Loader も標準。シリンダは 4 インチあるので、だいたい 15〜20t クラスの能力がある、(可変ポンプはついてないようでサイクルタイムが10秒以上かかって異様に遅い)、そして、アメリカンなデカさ、ということで、それぞれに長所や短所があります。

小さいというのは特に重要で、使わない時に仕舞っておく必要があるし、薪割り会などに持って行きたいと思っているので、持ち運べる、ということは重要なファクターです。その点、WP36 は重量がわずか 500kg 強なので、らくらく輸送できるわけです。(さすがに軽トラじゃ無理ですが)

WP36 がよくできていると思う点はいくつかあって、まず、オプションのログリフターに油圧シリンダがないこと、そして、ログフィーダーがベルトドライブではないことです。
動画を見ればすぐに分かりますが、HAHN HFP-150Compact と同じ機構で、ラムの上にログフィーダーが載っていて、薪割り動作とログ送り動作を一度に(あるいは、同じ機構を使い)行います。
このため、可動部品の点数、コストの掛かる油圧シリンダの数を減らしていることは、特筆すべき特徴だと思います。
ログリフターについても、ログフィーダーに引っ掛けて持ちあげる構造になっています。
そこまで工夫しているものははじめて見ました。
ログリフターは、定置式の場合、グラップルで掴むなり、フォークリフトやボブキャットで供給できるし、移動先でもユニックで供給すればいい、と思っていたのですが、動画で見れば、楽そうですし、ログテーブルは使わない時、やたら邪魔になることが明白なので、考えが変わりました。

それと、WP36 は動力源の構成の自由度が凄まじく高いです。持ち運んで使う場合、エンジン式になるわけですが、据え置きの場合、騒音や排気の問題があるので、電動のほうが有利です。WP36 の場合、エンジン、モータ、トラクタ PTO などのソースが選べ、3 種類全部同時に搭載しているものもありました。

自分には必要のない機能ですが、トレーラータイプや、クローラ自走タイプもありますので、あらゆるシーンで活躍しそうです。

ただ、問題はとにかく貧弱ということです。ちょっとした玉でもエンストしそうで、一杯一杯感が漂っています。値段も安いとはいえ、構成によっては、Balfor SS700 と大差がなくなるリスクもあります。
機械の基本的な能力は、36cm まで処理できる、ということ以外は、全てで劣りますから、安かろう悪かろう、になるリスクが非常に高い気がしないでもありませんし、だったら、普通に SC700 で玉切りをし、WR 6 で割れば、玉をセットする手間だけの問題で、逆に、狙ったように割れるように綺麗にセットできるわけですから、生産性が高いかもしれません。もう SC700 は買ったわけですし。

一番の問題は、WP36 を日本に輸出してくれるディーラーをまだ見つけられていないことなんですが。

油圧機械の設計能力があれば、各機械の良い部分を組み合わせて最適なものを設計できるのでしょうが、無能というのはほんとうに悲しいことです。

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