高利益率を誇る注目の木材は「#薪」!? — という怪文書

まずはこれをお読みになってください。
初めは怒りが、そのうちに呆れて、誰が書いたのか、署名を見て妙に納得するのは自分だけではないはずです。

高利益率を誇る注目の木材は「薪」!? 新たなビジネスモデルも誕生

まあ、突っ込みどころが満載すぎるんですが。。。

そこで薪ビジネスに取り組む林業家も増えてきた。私が取材した新潟県の業者は「仕入れた広葉樹の丸太を割って、野積みで約1年乾燥させるだけ。それを注文のあった客に配達したら1棚(ざっと1m3)2万円になる」と語ってくれた。配達範囲は基本的に片道2時間以内の地域に限るが、ユーザーは結構多いそうだ。この仕事に要する時間は週に3日ほどだという。ほかの日は別の仕事を行えるから副業にもってこいだ。

個人ではなく全国的に薪ビジネスを展開する業者は、年間売上が2億円に達するところもあった。薪の生産もドイツ製の薪割機械を導入して大規模に行っている。ベルトコンベアの上を丸太が流れて自動でどんどん薪を生産してくれる。

その新潟の業者ってどこでしょうかね。

  • 野積みで約1年乾燥させるだけ
  • それを注文のあった客に配達したら1棚(ざっと1m3)2万円になる

はあ、そうですか。
野積みで 1 年ね。。。

  • 全国的に薪ビジネスを展開する業者は、年間売上が2億円に達するところもあった
  • ドイツ製の薪割機械を導入

自分は、浅学につき、ドイツ製薪割り機(というか、薪製造機)を使っているところは一社しか知りませんが、そこ、そんな全国展開してたかなって思います。(当該薪屋さんは、コンタクトを取りましたが、応答がなかったので、詳細は知りません)
全国展開している 2 億円売り上げる薪屋さんがどこか、どなたか知っていたら匿名でいいので、コメントで教えてください。

さて、2 億円売り上げるために、1m3 が 2 万円という数字が出ているわけですが、このことはつまり、1 万 m3 の薪を売り上げなければならないこと意味します。
1 万 m3 の薪、重さにすると、5,000t になりますよ。
5,000t の製品の薪を生産するには、おおむねその倍、10,000t の原木が必要です。

この写真の原木の重さは何トンだと思いますか?
答えは… 12t です。
10,000t というのは、この 833 倍の原木が必要です。
それだけの原木を山から切り出し、輸送し、薪割りをし、乾燥させて、納品して、利益が 2 億 ではなくて、売上が 2 億、ってことです。

まあ、原木自体立木で買うとタダみたいなもんらしいです。
1 丁で 6 万程度、それで 500t くらいの原木が切り出せるとかなんとか。
仮に 300t でも、買値は 1t 200 円ってことですよね。
上の数字は聞いた話で、地域性もあるのかもしれませんし、聞いたところに迷惑がかかるといけないので、何処かというのはいうことはできませんが。
うちの場合は、1t あたり 2,000 円だかが山主さんの取り分、ということですので、10 倍高く買っていることになりますね。

このブログを読まれる方は大部分が薪ストーブのユーザさんでしょう。
さて、お聞きしますが、トレーラに積まれたこれだけの原木を、あなたは 1t あたり 11,000 円+税で、重松に売ることができますか?
そういうことです。
原木 1t 11,000 円で仕入れて、山から運んで、薪割りをして、1 年以上寝かすなり、乾燥機にかけるなりして、薪 1t 40,000 円で売るわけですが、歩留まりとしては 50% くらいです。
ちなみに、運送会社に原木を市場からうちのヤードに運んでもらうと 1t 4,000 円かかります。
つまり、原木は 1t あたり 15,000 円です。
薪 1t 作るのに原木 2t ですから、材料費が 30,000 円ということになりますね。
うちの場合、原価率がこの時点で 75% ですよ。
この時点でもう商売として普通なら成り立ちません。

高利益率を誇る注目の木材って話は一体どこへ?

で、今日ですが、朝から各方面から電話がかかってきて、なんだかんだで、午前中が潰れてしまいました。
とりあえず、頼んでいたみかんカゴが 50 個だけ用意できたということで引き取りに行って、終了です。

お昼は久しぶりの北京飯店、久しぶりのただのラーメン。
特に美味しくてたまらないものではないんですが、拗らせてなくて、たまに無性に食べたくなる味です。

その後、許可書を受け取りに行って、園に寄付額の破片を持って行って、つなぎ合わせをして、今後の薪の生産について、話があるというので、色々と打ち合わせました。

話というのは簡単にいうと、色々と製品に対しての要求の水準が高く、それに応えることが難しい、ということです。
とりあえずはやってみるが、ということでした。
一番の問題は、割の指定サイズがあまりに太すぎ、一般的なサイズに比べて、乾燥時間がどれほど余計にかかるのか、また、太いものと細いものの差が大きいわけですから、太いものが乾燥する頃には、細いものはカラカラに乾いて、重量が減り過ぎてしまうのではないか、というような懸念があります。
出荷時には、一桁とかの含水率になっていたとして、その重量で出荷すれば、うちとしてはお金と時間をかけて不必要に乾かしすぎた上に、軽くなって 10% 水分が減れば、10% 安く売るのと同じことになりますから、その辺のこともきちんと話をしないといけません。
少なくとも乾燥後の重量での取引は無理で、乾燥前の重量と、乾燥時間がながくかかるなら、その部分は追加負担をお願いしないといけないかなと思っていますので、その点はよく話し合いをしないとと思います。

その後、雑貨の納品をして、薪の配達、お札の集金を終えて、家に戻ったら 19 時をすぎてしまいました。

それはそうと、TrueNorth TN20 のガラスがすぐに曇る件です。
もともと曇りやすいんですが、最近特にひどいです。
今日は、さすがにひどく曇ったので、帰って磨いたんですが、10 分ほどで曇りました。
空気を絞りすぎているんじゃないのか、っていう指摘もあるんですが、絞らないとストーブが真っ赤に焼けてしまいます。
実際にマックス絞った上でダンパーも絞って、天板温度は 750°F(400°C)くらいにまで上がります。
それでも曇るんですが。。。
はてさてどうしたものか。

明日は 15 日です。
神社を巡回しないといけないし、お祓いも頼まれているので、午前中は神社のことを頑張ります。
午後からは、通関に出かけたいと思います。
ボチボチ頑張ります。

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5 thoughts on “高利益率を誇る注目の木材は「#薪」!? — という怪文書

  1. 毎年 なんだかんだ この時期らへんに この人 現れて まあ もう
    見るのも 話題にあげるのも なんとか商法にはまるようで 
    薪をタダで手に入れる方法 だことの 高利益だ事の
    何が根拠かわかりませんが、それよりも
    山林資源を SDGs的な感じで、有効活用される事の方が
    よっぽどいいかと

  2. その節はお世話になりました。初コメント失礼致します。当地では最大手の業者で売り上げ3000万円前後と耳にしたことがありますが、2億円とはさすが本州の規模は桁違いですね。。。

    どの業界でも評論家やコメンテーターはこんな程度でしょう。

  3. いえ、本州の薪屋でも2億なんてのは一握りではないでしょうか。

    それよりも、薪の生産量に関して言えば、北海道はかなり多いんですよ。
    http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/rrm/tokusan/mokutan_maki.htm

    鰹節のことを書きましたが、薪の生産量が多いのは実は鹿児島でして、用途は鰹節用です。
    基本的にいぶすのに使うので、半生で使うようです。
    指宿と、枕崎とで生産方法に違いがあるようですが、少し前の数字で、価格としては生で 1t あたり 1.7 万円程度のようです。
    山から原木出すだけの業者、鰹節工場でその原木を割るだけの業者、というような構成のようです。
    生木で、木屑も含んでの値段でしょうから、我々の思う薪のコストとしては、3.4 万、ということになりますが、乾燥のコストやロスを考慮していないので、結局のところ 1t 40,000 円を切るのは難しいと思います。

    うちとしては、年間 500t 程度、売上で 2,000 万規模を一つのマイルストーンと考えています。
    簡単にいうと乾燥機の損益分岐点です。
    トレーラ自体は趣味なのでどうでもいいんですが、これも人を雇うとなれば、ヘッドだけでリースすると月 20 以上かかりますし、そういう意味では、毎日 5 万円分くらいの仕事をさせないとペイしません、
    年間、1,000t くらいは作らないとダメかなと思いますが、そうすると、今度は原木の安定供給という問題が立ち塞がります。
    山にはいくらでも生えているんですが、伐採の方の問題ですね。
    そこに手を出すと億単位の投資が必要と思っているので、薪屋は趣味の範疇にとどめて、500t 前後の低空飛行で、まずは生産加工の技術開発に注力したいと思っています。

  4. まあ、いわゆる炎上芸人みたいなものかなと思います。
    一番の問題点は、山に対して、そこで暮らす人々の暮らしに愛情がないからだと思います。
    これが致命的。
    まあ、まともなことを言わないのですから、尚更です。

  5. 500t(運材車12t×90台×50%?)でもすごいですよ!

    当地域の雑木林の場合、土地5~10万円/丁+立木5~10万円/丁=10~20万円/丁が相場につき手頃感はあるのですが、立木のみ売却希望者は圧倒的に少ないので、伐採➡植え付け➡約40年後伐採となるとなかなか踏み切れないでいます。
    いざ原材料自給100%を目指すとなると機械数千万&作業員2名体制となり林業が本業に成らざるえないでしょうしね。

    3000万円の業者(従業員20名程度)も林業の傍ら、薪販売をしている道内大手の林業家ですよ。

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