薪を雨に曝すと何が出てくる?

良い薪とはどのような薪か、また、そういう良い物を如何に安く製造するか、そういうことを考えています。

たまたま四国の薪販売業者の調査をしていて、新しい業者、薪ショップ 四万十広葉樹 さんを見つけたのですが、ブログ気になること が書いてあります。

以下に引用します。

以外と思われる方が、多いかもしれません。
当店では、薪割りした後、雨が降るまで野ざらしにしています。
普通は、早く薪棚に積み上げて乾燥させるのが当たり前でしょう。
しかし、樹木に含まれる樹液を取り出す必要があります。
それは、アクであり別の言い方であれば、モクサク液とかクレオソート等と、一般に知られています。
アク洗いは、煙突の煤による詰まりを防ぐ意味でも大切なことです。
手間は掛かかりますが、品質保証のために実践しています。
写真の下の方が茶色く成っていますよね、一晩の雨でこれだけアクが出てきました。
出典 http://blog.goo.ne.jp/gensan02374/e/f67122aaef9802db0e1a86507ee84286

上記のような意見もありますが、少し前に 薪を雨晒しするかしないか というエントリーで書いたのですが、薪文化 さんは、曝す・曝さない、両方からのアプローチを行っているわけですが、見解が全く異なっていると感じます。

「アク」、つまり、有害なもの、そういう捉え方をするのか、それとも、水溶性の可燃性分、つまり、有益なものと捉えるのか、それは一旦棚上げにしても、何かが出てくる、ということだけは確かですよね?

薪ショップ 四万十広葉樹 さん、それをアクと断定的に書いているし、クレオソート、木酢液の元になるものと書いてあるんですが、それは事実なのかもしれませんが、自分の経験、また、一般的に知られている内容からすると、クレオソートや、煙突の詰まりの発生の主たる要因ではないと思うのです。

例えば、長野総商さんの 煙突火災に関するテキスト では、次のような記載があります。

クレオソートは薪を燃焼させると発生する自然の副産物です。副産物とはいってもクレオソートの量に影響するいくつかの要因があります。薪の水分含有量と煙の濃度、排ガス温度及び滞留時間です。一般に煙の濃度が高い燻し燃焼がクレオソート蓄積の最大の原因です。クレオソートの形状は目に見えないものも含めさまざまです。
出典 http://www.naganosohsyo.co.jp/pdf/service/entotu_kasai.pdf

普通に読めば、主たる要因は、含水率、煙の濃度、排ガス温度及び滞留時間であり、一番は「燻し燃焼」、つまり、焚き方にあると明確に記述されており、また、そういう燃焼が発生しやすい含水率の高い状態の薪も間接的な要因となっている、そう解されます。

樹種や、製造方法の差異について、一言も触れられていません。

だとすると、四万十広葉樹 さんの主張、つまり、クレオソート等の発生を押さえれる薪が雨曝しによりできる、というのがどの程度の差異なのか、真心を込めて洗い流すほどの差異か、鰯の頭なのか、とても気になります。

一度、調べてみる必要がありそうです。

で、四万十広葉樹 さん、サイトがわかりにくすぎて、どこで営業しているのかなどが謎なので、薪ストーブ関連業者地図 を更新できていません。

この地図にない業者さんを含めて、ご存じの方はコメントから教えて下さい。
お願いします。

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4 thoughts on “薪を雨に曝すと何が出てくる?

  1. shige02さん、お早うございます。
    昔から木材を水面で貯木して乾燥させる水中貯木というのが有ります。
    水につけることで、アク出しして結合水が抜けやすくする方法です。
    「水中貯木 乾燥」でググるといろいろと出て来ます。

    一見、乾かそうとしている物を濡らすのは変に感じるかも知れませんが
    薪屋をしている業者は本業が木材関連業者と言う事が多いので
    薪を雨ざらしにするのは、長年の経験から来る物かも知れません。

  2. ちょうどこちらもコメントをしたところです。
    この件は、とても興味深いです。
    薪屋の勝手な都合としては、表に転がして雨に打たせておけば、品質も良くなり早く乾くのなら、手間としては、しばらくたったら屋根の下に入れるか、あるいは、雨よけの養生をすることだけですから、非常にメリットがあります。
    ただ、お客様に対してメリットとして、クレオソートが出づらい、虫がつきにくい、そういうことをアピールするのなら、統計的にデータを取り、有意差があることを立証していくとか、公正でわかりやすい品質の表示が必要だと思います。

  3. 畑で杉を燃やしたとき、節の処が燃えるとき黒い煤を出しながら燃えていました。

    節のところは乾きにくいから樹液がそれなりに残っていたのでしょう
    だから樹液を洗い流せば煤が出にくくなるのだと思います。

  4. yasさんの経験・推測だと、節のところだからススがでるのか、乾きにくいからススがでるのか、野焼きだったからススがでるのか、それらの複合要素なのか、判断が難しいと思います。
    自分経験では、春先にヒノキばかりをちょろちょろ焚いたら、乾燥が甘かったのか、焚き方が悪かったのか、それともヒノキだったからか、雨ざらししてなかったからか、トップが詰まったことはあります。
    自分の考えでは、すすが出たりする原因は、影響が大きい順に、含水率の高さ>焚き方(燃焼温度・空気量)>樹種>雨曝しの有無、ではないかと感じます。
    雨晒ししないと煙突が詰まるのなら、うちはとっくの昔に詰まりまくって煙道火災になっているはずです。
    実際問題、雨曝しでなにか出てくるにしても、どの程度の期間、どのように晒せば、均一に抜けるのか、それで、十分抜けるのか、ということも不明点が多いです。
    あと、棟梁の言っている水中乾燥は、建材として乾燥後の狂いをなくす、ということ部分に着目されている情報が多く、薪にとって、それはあまり重要なことではないし、むしろ割れたりしたほうが、断面積が増えて、乾燥には都合がいいのでは、とも思います。
    まあ、現実的に2,3年も薪を見ずにつけて白太を腐らせるほど寝かすことは不可能なので、かけられる手間も時間も違ってくると思います。
    薪を買われるお客さんにとって、本当に雨曝しなりでのアク抜きで、かけた手間に見合うバリューが提供できるのか、価格に転嫁されるのだから、しっかりと見極めていく必要を感じました。

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