いつも拝読している 「古民家再生と薪ストーブとの格闘記」ブログ の SKIN HEAD さんより、薪割り機のトラブルで質問を受けた ので、自分の考え(推測)を書いておきたいと思います。
症状などは ご本人ブログに詳しく書いてある のですが、まとめると、薪割りしようと久しぶりに動かすと、ラムの動きが遅い、ということです。
外気温の最も上がる14時過ぎ、
エンジンは一発始動。
暖機運転後プッシュプレートのピントンを可動させたのですが、
残念ながら、
前回同様でエンジン回転を上げてもピストンの動きはスローのまま。
そして油圧ポンプからだと思うのですが、
シューと異音?がしています。
どのように遅いのか、ということはわかりませんが、ミソなのは動かないわけではない、ということかと思います。
動いているわけですから、
- エンジンは回っている
- 油圧ポンプも回っている
- コントロールバルブも機能している
- シリンダも機能している
ということで、すべてのメイン部品に関して、完全に死んでいるわけではないのでしょうが、これら部品に限らず、どこかに原因があり、動きが遅い、という結果があるわけです。
ホンダウォークの薪割り機は、使ったこともないし、触ったこともないので、あくまでも一般的な品物であろうという推測で書いていますが、エンジンは回っているわけで、ここは除外して良さそうです。
油圧ポンプも、シリンダが動く時点で、油を汲んでいることは確かでしょうから、ポンプとエンジンとの連結にも問題はないと思いますし、エンジンとポンプとは通常、弾性ゴム等を挟み込んだジョーカップリングという部品を使い直結されていますので、プーリ+ベルトのように、滑っているとか、そういう問題は起こりにくい構造となっています。
(全てがカップリングで直結されているわけではないですが、ほぼほぼ直結のものばかりです)
コントロールバルブにしても、漏れるというのはままあることですが、詰まるとかあまり聞きません。
少なくとも自分はそういう経験はないです。
シリンダについても、壊れるなら、漏れるくらいでしょう。
よって、一番疑わしいのは油圧ポンプ周りです。
薪割り機の油圧ポンプは、ツーステージ型と呼ばれるギアポンプが使われていることが多く、簡単にいえば、20MPa と 5MPa くらいの 2 連ポンプになっているわけです。
5MPa の方のポンプは、低速ですが流量があるので、薪割り機の負荷が軽い時には高速に動作します。
節などにあたり力が必要な時には、高圧で力は強いものの流量の少ない 5MPa 側のみで運転するため、動作速度が 1/4 以下に落ち込むわけです。
Dynamic の 11GPM ポンプの場合、
Displacement:
0.220 cu. in. / rev. HI press. stage
0.757 cu. in. / rev. LO press. stage
Pump Type Gear
Rotation CW
Pressure: 3000 PSI max.
Speed: 3600 RPM max.
Flow:
3.4 GPM HI press. stage
11 GPM LO press. stage
というようなスペックになっていて、低負荷時には 11GPM の流量がありますが、高負荷時には、3.4GPM と 1/4 くらいに流量が落ちる=速度が落ちることが仕様書からも読み取れます。
つまり、ポンプが壊れているか、油圧回路が閉塞しているなどの問題から、高圧運転している状態ではないかと推測します。
- 油圧ポンプの吐出側か、コントロールバルブの IN 側のポートを外して、空気が自由に入る状態にして、
- 手でラムを前後に動かし、動くか試す(コントロールレバーは中立以外の位置にする)
という作業で、手で動くようなら、コントロールレバー・シリンダに問題はないと思います。
(当たり前ですが、外した部分から作動油が漏れ出すので、養生して、漏れた油も回収してください。)
まずないと思いますが、油圧が抜けた時にシリンダ位置を保持するためにチェックバルブなどの安全装置が組み込まれている回路(例えば、クレーンのブームのシリンダ周りとか、油圧が抜けてシリンダが下がれば、ホースが裂けたらブームが自重や吊り荷の重さで下がって、吊り荷を落としたり、クレーンが転倒する大事故になる)も存在ますので、その場合は、シリンダは動きません。
後、SKIN HEAD さんのブログを読んでいて、同氏の性分を推測する範囲では、あまり考えられないのですが、薪割り機を汚いまま放置したり、埃っぽい環境でつかったりして、ブリーザキャップが詰まっている、あるいは、作動油にゴミが混入してそれがポンプを破損させたり、バルブをつまらせているということです。
まあ、漏れなきゃ減ることはまずないんですが、作動油の量と状態は、確認しても損はないと思います。
ついでにいうと、オイルフィルタは万一詰まってもバイパスがあるので、完全に流れなくなる、ということはないようになっているはずです。うちのものはそうなっています。
この手の小型のものは、熱対策は皆無でしょうから、作動油の温度管理は徹底して、作動油タンクに触れて触り続けられない温度(50°C くらい)を超えたら、しばらくアイドリングさせて、油温を下げる必要があるかと思います。
あくまでも素人の推測ですから、プロの方がいらしゃったら、ツッコミを入れてくださるとありがたいです。
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重松様ご丁寧にありがとうございます。
先日探してやっと見てくれる農機具店へ薪割り機をもって行きました。
そしていろいろと点検してくれた結果
1.油圧オイルを抜いた所オイルが真っ黒に汚れていた。
2.オイルフィルターを見ると鉄粉が多く付着していた。
との事で処置は
1.オイルの経路を違う洗浄オイルを入れて洗浄した。
2.フィルターは灯油できれいに洗浄した。
3.一晩洗浄オイルを抜いた後に、
私が購入して持って行った32番の作動油を入れた。
との事で昨日持ち帰りました。
するとピストンのスピードは上がりましたが、以前のスピード迄は上がっていません。
仕方なくこのまま使うしかないと思います。
でも何故油圧オイルが真っ黒に汚れたのか。
とフィルターに鉄粉が付いていたのかが疑問です。
本来はそこに根本原因(発生原因)があるのでそこを根本対策しなければ、
解決しません。
要するに発生源対策です。
私は常にその様に考えて人生を送っています。
でも薪割り機の件は難しいでしょうね。
お忙しい中を本当にありがとうございました。
原因があり結果があるわけで、原因を取り除くのは問題解決の王道だと思います。(原因療法)
ただ、原因がわからなければ、必然的に、対策は対症療法にならざるをえないかと思います。
いずれにせよ、作動油に鉄粉が交じる、というのは普通ではありません。
作動油の確認はまめにされたほうがいいと思います。
また、鉄粉が交じるようなら、発生源を特定しないと、装置の寿命にも影響が出ると思います。
問題が特定されるといいですね。
コメントがお役に立たかは甚だ疑問ですが、メンテナンスをしてくれる農機具屋さんが見つかったのことで、その点は安心しました。
真っ黒のオイルやフィルターの鉄粉の画像があれば
メーカーに送って考えられる原因を問い質しては如何ですか?
画像がなくても、上にかかれている内容をめーかーに送って見ては?