共同購入した薪割り機ですが、油圧ポンプが機能していないようだ、という問い合わせがありました。
具体的な組み立て手順、諸々、まだ未確認なので、当然、原因も確認しきれていないのですが、一般論として、油圧ポンプがどのようなものであるのか、ということを示しておきたいと思います。
薪割り機で使用されている油圧ポンプは、基本的には、ツーステージ型と言われるギアポンプです。
ギアポンプとは、歯車が噛み合い、それにより作動油を高圧で送り出す仕組みですが、Wikipedia にアニメーションなどがあり、仕組みが優しく解説されています。
ツーステージ型とは、通常は、低い圧力で流量が多い状態で運転をし、負荷がかかると自動的に高い圧力に切り替わる(当然流量は減る=パスカルの原理)機能を有するものです。
薪割り機でいえば、ラムやウエッジが割ろうとする薪に当たるまで、要するに無負荷の状態ですばやい動作をすることと、薪を割るその瞬間に大きな力が必要になる、という相反するニーズを満たすためのポンプになります
油圧ポンプには、他には、アキシャルピストンポンプなどがよく使われます。
こちらは、可変流量(容量)ポンプともいわれますが、重機など、一定の圧力が必要で、複合動作(複数のシリンダを協調させて動作させる)際に、操作感・操作速度を保つために必要な流量をダイナミックに得ることができるポンプになります。
さて、今回のようなトラブルに対して、どのように対処すればいいのか、ということが問題です。
油圧ポンプが壊れている確率は低いですが、ゼロではありません。
まず最初にするべきことは、ポンプが本当に不良品なのか、組み立てで何かミスがなかったのか、その切り分けになるわけですが、残念なことに Brave 社のマニュアルには、そういうチェックポイントなどの記載は一切ありません。
なもんで、仕方ないので油圧ポンプ単体のマニュアル(Brave で使われているものではないのですが)を見てみます。
Northern Tool+Equipment は、油圧用部品なども含めて売っているネットストアなんですが、マニュアルなんかを公開してくれているので、とても参考になります。
上記 PDF に、Trouble Shooting Chart があります。
今回の事例は、Will no pump oil に該当しますね。
症状としては、Motor runs but cylinder does not move, or moves slowly ということです。
原因として上がってるチェックポイントは次のとおりです。
- No oil in reservoir(リザーバにオイルがない)
- Motor operating wrong rotation(モータの回転方向が逆)
- Oil level low(オイルが少ない)
- Suction strainer is clogged(サクションストレーナが詰まっている)
- Double acting cylinder pinton seals are cut or worn out(複動シリンダのシールが切れたか古くなっている)
- Reservoir breather is dirty or clogged(リザーバブリーザが汚いか、詰まっている)
エンジンなので、回転が逆になることはないし、ストレーナ自体は存在せず、シリンダやブリーザキャップも新品です。
ですから、基本的にオイルが足らない、ということしか原因はないことになりますね。
オイルの規定量は 10L なのですが、これは、ポンプやシリンダ、そして、各ホース類を満たした状態なので、いきなり 10L 入るかどうかはわかりませんが、ブリーザキャップに油量計が付いているので、溢れない範囲で入れて、作動油が回れば、適量の範囲に補充するということが必要にあります。
調べてもらった範囲では、高圧ホースを外した際にそちら側に全く作動油が回ってきていなかった、ということなので、吸えていないのだと思います。
Brave の薪割り機のポンプが空気を吸えるのか(呼び水、というか、呼びオイルというかが必要かどうか)、という問題に関しては、すでに一台組み立てて、不要であることは確認が取れているわけです。
とりあえずは、ポンプ吐出口からコントロールバルブを繋いでいる高圧ホースを外した状態でリコイルを引き、油が出てくるかどうか、ということでしょうか。
こうすることで、コントロールバルブが壊れていて、リリーフが働かず油が送れない、あるいは、シリンダが不良で油が送れない、という問題を切り分けることができます。
また、エンジンを掛けるわけではないので、作動油が大量に連続して噴出して大変なことになる心配も低いですし。
いずれにせよ、原因は徹底究明したいと思います。
共同購入者各位、あるいは、通りすがりで、何かお気づきの方、コメントでお知らせください。
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共同購入の岩手のYです。
BRAVEのマニュアルと組み立て補助説明書のなかで違いがあります
長い油圧ホースを接続するのは図中Bではないでしょうか。
これが原因だといいのですが。
Step 10
ホースはコントールバルブ側から接続しなければならない。
油圧シール(付属しない)を使用する。
長い油圧ホースを図中 A に接続する。(短いホースよりも先に接続する)
次に短いホースを図中 B に接続する。
フォロー有難う御座います。
A, B 逆ですね。
確認をしていただくように連絡をしますね。
油圧ポンプの問題とは別に、どの道、逆に繋いだら動きが逆になるので直さなければなりません。
なら、まだ油が回る前のほうが楽でしょうから。