薪の在庫分は完売です

原木の入荷が遅れています。
それで、ついに在庫分が完売してしまいました。

ただ、今週末から原木が入荷予定ですし、未乾燥ですが、とりあえず、メッシュパレット 20 カゴ以上、乾燥待ちのストックがあります。
36 カゴで乾燥を開始しますが、3 日程で仕上がります。
年内には予約をいただいている分の納品で一杯一杯かなと思うので、薪のストックが少ないという方は、早めにご注文ください。
注文順に出荷します。

価格ですが、上がることはあっても、当面下がることはないと思いますし、今シーズンに関しては、下げられる要素が全くありません。
なぜかというと、ウッドショックの影響というか人手不足というか、そもそも原木自体が入荷しないのです。
当たり前ですけど、建材自体が不足して高値で取引されているわけですが、バイオマス関連はそれに連動して原木価格が値上がりしていないのです。
体は一つしかないし、一日は 24 時間しかありません。
同じ仕事をするなら、利益が出る仕事を優先するのは当たり前の流れ、ということでしょう。

それともう一つ、薪の原木は、薪のために生産していない、これに尽きます。
しいたけの榾木の生産の副産物でしかないのです。

原木が入荷次第、生産を進めていきたいと思います。

それはそうと、ものすごく残念に思うことがあります。
アーク日本という会社のガシファイヤーというボイラー の説明文です。

薪の 1kg あたりの単価が 13 円なんだそうです。
アーク日本 さん、その値段でぜひ売ってください。
生木の丸太ではなくて、ちゃんと乾燥をさせた薪を。

こんなことを言っています。

これまで未利用だった地域残材がエネルギーとして地域経済に還元されます。

そんな単価では地域に還元どころか、疲弊しますよ。

さて、愛媛県の話をします。

愛媛県の場合、バイオマス用の木材(スギ・ヒノキ等の針葉樹)の価格は、買取の 最低 価格が 1t あたり 7,000 円です。最低ですから、これより高いことだってあります。
そして、1m3 あたりではありません。
1t あたりです。
シーズンは関係ありませんので、含水率(DB)が 100% を超えるようなものであっても、7,000 円を切ることはありません。
そして、買取なので、買うとなると、市場の手数料や、ヤードまでの運賃がかかります。
消費税も別です。

薪 13 円の後、薪のカロリーは 1kg あたり 3,441kCal と書いてあります。

湿量基準含水率 (%) 乾量基準含水率 (%) 発熱量 (kcal/kg)
0 0 4,562
10 11 4,020
15 18 3,749
20 25 3,476
25 33 3,208
30 43 2,937
35 54 2,666
40 67 2,395
45 82 2,124
50 100 1,853

この数字は大体 WB で 20%, DB で 25% に乾燥させた木質系燃料のエネルギー量に相当します。
樹種により多少の差異はありますが。

さて、計算してみましょう。

今回は、スギで考えますが、原材料となる原木の含水率は平均で 123.3% という数字があります。
ヒノキの数字もありますが、98.8% となっています。

O さんとも話したんですが、平均すると 100% は超えるだろう、ということです。

まあ、仮に 100% と仮定しましょうか。
そうすると、原木の重さが 1t だと、木部の重さが 500kg, 水が 500kg であることを意味します。

そして、アーク日本さんがいうところの「薪」にするためには、含水率を 25% に落とす必要があります。
木部 500kg に対して、水の重さはその 25% なので 125kg で都合 635kg に乾燥させる必要があります。
つまり、1,000kg を 8,000 円(原木価格 7,000 円、市場の手数料 1,000 円)出して買ってきて、薪に加工して出荷できるときには、加工のロスなどを無視しても 63.5% に目減りする、つまり、この時点で 12.6 円/kg なんですよ。

さて、薪の値段はいくらだという話でしたっけ?

2 月に追突されて大型で 2 台分運んでもらった金額ですが、57,200 円でした。
今気づきましたが、これ、保険金もらい忘れていますね。。。
10t x 2 とすると、1t あたりの運賃は 2,860 円になります。
無論、これは水を含んだものを運びますので、63.5% で割る必要があります。
なので、4,504 円/t, 4.5 円/kg が補正した運賃になります。

玉きりして、薪割りして、乾燥させての手間や、その過程で発生するロス、経費など一切合切を無視して、17.1 円かかります。
そして、重量売りですから乾かしすぎたら損をするので、25% という絶妙な含水率で出荷しないといけません。
含水率が 100% を超えていたら、もっとかかります。
無論、含水率がもっと低ければ、コストは大きくカットできます。(実際にカラマツなどの数字だと、含水率が大幅に低いです)

平成 29 年の数字だから、現状とは異なるというようなことになるんでしょうが、その平成 29 年のバイオマス用の原木の市場価格として引用したソースを知りたいです。
ご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてください。

さて、薪の値段をいくらにするか、ということですが、重油価格でも今 1L 110 円を超えているようです。
1L あたり A 重油で 9,293kCal で、きちんと乾燥させた(含水率 18%)場合は、1kg あたり 3,749kCal あるので、カロリーで計算すると、重油の 40% の価値が薪にはあります。
買う立場からすると、保管などの手間、薪の投入、灰の処分などのコストが別途かかるわけで、重油よりも高いようだとコストメリットがありません。
個人的には、やはり 42 円は頂かないと到底無理というのが率直な感覚です。

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