薪ストーブの灰を肥料として他人に譲渡するには届出が必要です

時々 SNS で見かける質問に、薪ストーブの灰を有効活用したいのですが、というものがあります。
そして、ほぼ確実に、

畑に撒くという隣人に差し上げています

とか、

農家さんに差し上げています

というコメントがつくんですが。。。

無届で薪ストーブの灰を 肥料として 販売、無償であっても譲渡することは 違法 で、検挙された人もいますので、注意してください。
自分も、大昔、そんな法律はあるとはつゆ知らず、そんな法律があったのかと驚いたことを今でも覚えています。
幸い、人に譲渡したことはありませんでしたが。

逆に言えば、肥料でなければ、直ちに問題は生じないのですし、また、肥料としてちゃんと手続きをすることで、販売や譲渡が可能になります。

直ちに問題はない、どこかで聞いたような言い回しですが、そうです、放射性物質の問題があるんです。

県内において薪ストーブを使用した際に発生する灰から指定廃棄物(8,000Bq/kgを超える廃棄物)の基準値を上回る43,780Bq/kgの放射性セシウムが検出される事例が発生しました。 薪を燃やした後の灰には最大で薪の182倍の放射性セシウムを含む試験結果が報告されておりますので、灰の取扱いにつきましては、下記注意事項についてご留意下さい。

ものすごい数字ですね、43,780Bq/kg。

現在、市販されている薪の基準値は、40 Bq/kg以下の値が設定されております。

ともあるんですけど、8,000Bq/kg が基準とすると、薪ってその 1/200 が基準として設定されていることになりますね。

じゃあ灰はどれくらいの量発生するんだろうか、ということになるんですが、

に考察がありました。
肝心のリンクが切れているのですが、

灰年間発生(予定)量=木質燃料使用量×[(100-a)/100]×(b/100)
a(%):木質燃料中の水分(ウェットベース)、不明な場合は次を標準とする
木質チップ:a=30~35、木質ペレット:a=10、よく乾燥された薪:a=18~22
b(%):木質燃料(絶乾)中の灰分、不明な場合は b=1 とする

で、含水率(ウエットベース)を 20% で計算したところ、

(100-20) / 100 x (1 / 100) = 0.8%

ということで、元の薪の重量の 0.8% となるわけです。
つまり、125 倍に濃縮されるということですね。

薪を燃やした後の灰には最大で薪の182倍の放射性セシウムを含む試験結果

という記述がありますし、そこを踏まえたところでの 1/200 での 40 Bq/kg ということなんでしょう。
つまり、原発事故の影響が懸念されるエリアの原木の場合でも、基準を満たす薪を使用する範囲では、灰が指定廃棄物となってしまう可能性は低いというこですね。

灰は放射性物質だけではなく、ヒ素や有害な重金属(鉛、カドミウム、銅、亜鉛、スズ)なども濃縮されるわけです。
これら食品衛生法の対象となるものの含有の懸念があるので、安易にあくぬきなどと記載するのはリスクが高いと思います。
なので、むしろ逆に、灰にはそのようなリスクがあり、食用にしないよう譲渡する際には念押しする必要があるでしょう。

それと販売するとなると、製造物責任法にも引っかかってきます。
うちでは、当然ですが、製造物責任法に対応した保険に加入していますが、リスクが低いとは言え、事故時にはとんでもない金額になるでしょうから、ネットやフリマなどで製造物を販売する際には、保険加入は必須だと思います。

逆に消費者サイドからの視点で言えば、Amazon.co.jp なので、海外から個人輸入の制度を悪用して、消費税の脱税まがいの行為を行う転売ヤーがいますが、海外から輸入した際には、輸入者、つまり個人輸入の場合は輸入者自身が製造者とみなされるので、注意が必要です。

それはそうと、今日は雨でした。
薪の仕事はできないので、強制休業です。
午前中、発送作業をして、午後からは買い物に出かけることにしました。

毎度変わり映えがしませんが、赤坂四川飯店です。
この前、唐揚げを食べて、ちょっとというか、結構高いんですが、すごく美味しくて今回も頼んでしまいました。
たまにはプチ贅沢です。

明日も天気が悪いようなんですが、朔で午前中はお宮、午後からはお宮の修繕等の打ち合わせがあります。
薪の問い合わせをいただいている件は、2 日以降、晴れのタイミングで対応したいと思います。
ボチボチ頑張ります。