Balfor Gas powered cordwood buzz saw

薪づくりは、伐採し、運び出し、玉切りをして、薪割りをする、という 4 つのステップがあります。
非常に興味深いのは、日本では、だいたいこの順番、先に玉切りをしてから薪を割るのですが、ヨーロッパではそうではないようなんですね。
最初に伐採しないと始まらないのは同じなんですが、ヨーロッパの場合、その後 1m くらいの長さに切り詰めるのですが、その状態で割って、そして乾燥後、使用できる長さに再度切り詰める、ということをします。
その為、ヨーロッパでは、原木や割って乾燥済みの薪を切り詰めるために使う大型の丸鋸製品が多数があるようです。

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Balfor は、イタリアの会社で、大型丸鋸の玉切り機を作っています。

トラクターマウントタイプは、18HP 以上のトラクターが必要なようですが、$1667 で eBay で売られています。
トラクターを持ってないなら、エンジン付きモデルになり、$2667 です。
6HP のスバル SP-170 を搭載しているのですが、このエンジン自体は北米での価格は $200 程度なので、割高感が半端ないです。

個人的に一番都合がいいのは、トラクターマウントではなくて、スキッドステアローダーマウントの油圧駆動型なんですけど、少なくとも Balfor 社は作っていないようです。

この機械のメリットは、チェンソーでの玉切りに比べて切断面が綺麗でおがくずの量が減ること、細いものをまとめて切れるため作業効率が向上しそうです。ただし、跳ね返りを防止するため、枝の束を固定するなど何らかの安全対策を講じる必要はありそうです。こちらの倍ほどする POSCH のものは、ハンドルが手前になっていたり、カバーがついていて、カバーを閉めないとカット操作ができない、というような安全対策が講じられています。

30cm 程度までの原木は、この大型丸鋸で玉切りしそのまま wr 6 で割る、これで切れないサイズのものはチェンソーで玉切りし、20t 薪割り機で大割してから wr 6 に入れる、という流れで作業効率をかなり改善できそうです。

縦型薪割り機とのコンボモデルの動画です。横型薪割り機や、コンベアとのコンボもあります。

ちなみに、日本だとさかえ企画さんが、らくぎりくん、という酷似した商品を販売しています。らくぎりくんは、キックバック(切断した丸太のかみによる跳ね返り)を防止する安全ローラーや、丸太を押さえる機構があって、安全を特に意識していることがアピールされています。
いのり薪生産組合さんのブログにもこの機械の写真が乗っていましたので、国内では比較的知られた製品のようです。

Balfor のエンジンモデルをカナダのディーラーさんで見積もりを取ったら、なんだかんだで FOB で $3661 になって、関税がかからないとして、カナダドルが 100 円として約 40 万、海上運賃と通関費用が 4 万程度はかかるので、らくぎりくんと変わらない値段になりますね。ただ、こちらの機種は、700mm になるので、切断できる太さが多少太くなります。予算的にありえない数字になったので、トラクター PTO のモデルをトラクターを借りて使うか、余っている 10HP のロビンエンジンを搭載するかして使うのが関の山の気がしてきました。

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Igland wp 3000

前回は、いきなりキワモノ中のキワモノから紹介したんですが、wp 3000 もかなりのキワモノです。

wp 3000 は薪割り以外に玉切りも同時にこなしますので、splitter ではなく、processor と言われる装置になります。

薪割り機、は大抵切断面にウエッジ(あるいはラム)を押し当てて割るのですが、wp 3000 は、切断と破砕を同時に行う非常にユニークなデザインになっています。

処理できる径が比較的小口径に限定されるという欠点はありますが、切断自体を油圧で行うため、チェンソーのように大量の切削屑がでません。切削屑がでた分は薪として使用できる量が減るわけですし、ソーチェンを冷却するために鉱物油系のバーオイルを使えば、環境も汚染します。

自分が知るかぎり、wp 3000 のように、丸のこ・チェンソー以外で玉切りをする機種は、Chomper くらいです。
Chomper もかなり風変わりなので、そのうち紹介したいと思います。

wp 3000 は日本では有限会社フォレストさんが扱っています。

wp 3000 は単体では機能しません。
別途油圧源が必要ですが、日本では、パワーショベル(ユンボとか、バックホーとも言う、向こうでは excavator っていいます)に取り付けて使うケースが多いようです。

動画のとおりですが、原木の供給から、玉切り+薪割りまで、1 台のパワーショベルで作業でき、騒音もほとんど発生してません。

こちらは、トラクター PTO で油圧ユニットを駆動しているようです。

薪割り機 maniacs

自分で言うのもなんですが、結構凝り性でして、ここ数年、薪割り機について夜な夜な youtube あたりで色々と調べているんですが、悲しいかな、忘れるほうが早い。

mixi に備忘録を書いていたんですけど、あそこって検索できないので、情報が埋もれてしまうんですよね。自分の日記を、いちいち日付をさかのぼって調べる間抜けさに気づいたので、こっちにも再度書くことにします。

というわけで、mixi でお世話になっている人にはダブった内容となるかもしれませんが、まあ、生暖かくスルーして下さい。

で、今までいろいろな薪割り機を見てきたわけですけど、薪割り機と言うものについての切り口はいくつかあると思うんですね。

ファイヤーサイドのポールさんの切り口は、使用目的、でした。

http://fireside-essay.jp/paul/country/2862.html

どういうことかというと、まず、薪割りというのは、基本的に斧で割ることから始まるわけですが、薪割り機の導入の動機は主に2つあって、ひとつは、年齢とともに体力が落ちて薪割り機を使うという動機、もうひとつは斧よりも作業効率を上げたいという動機、という分類です。(重松の意訳です)

薪割り機というものは、意外と高くて、1 万円程度で買える斧とは異なり、安いものでも 3 万円程度(100V の電動タイプのヤフオク価格)からのスタートとなります。3 万ほど出して電動 7t タイプを買ったんですが、正直、斧で割ったほうが早いし、そのくせ重たいので、倉庫から出すだけでも難儀をします。全く使い物にならず、ジャンクと思ったんですが、そもそも見当外れのものを買っていたのだと、ポールさんの説明で納得です。

自分は、作業効率をより高めるための薪割り機ウォッチなので、毎時 1 コード、原木から薪に加工できるのなら、100 万でも安いと思う、そういう価値観です。というわけで、そういう、かなり捻くれた視点でウォッチしてきた世界の迷品、珍品を紹介していきたいと思います!

というわけで、トップバッターは珍品中の珍品、igland wr-6 からスタートします。

igland wr-6。
http://www.igland-as.com

まあ、特に説明はいらないかと思うのですが、この薪割り機の個性は群を抜きます。

ターンテーブルがあって、それが回転して連続して割っていきます。わずか 10 秒、一時間に 360 ストロークです。まあ、能力が 9t しかないので、詰まったりしないのか、という疑問はあるのですが、動画を見れば分かる通り、細いものを 4 本セットしたり、割れた後に大きすぎるものを 2 本セットしたりと、薪を割る操作自体は全自動なので、セットすることだけに注力できるので作業効率は相当アップするように思います。

肝心の価格は、本国だと 31200 ノルウェー・クローネなので、今の為替レートだと、税を入れて 50 万くらいでしょうか。自分は輸送の都合で、買うなら北米で買うと思いますが、調べた所、北米での価格も本国と変わりませんでした。

wr-6 は油圧源が別途必要で、必要流量は毎分 20~40L、必要圧力は 180~200bar(1bar = 0.1MPa=18MPa〜20MPa)、ヤードポンド法だと、5~10gpm、2600~2900psi ってことになります。

これの特徴であるサイクルタイムが 10 秒という速度、他の薪割り機はどうなのかな、と思ってネットで動画をあさってみました。
例えば、Timberworf の TW-6 はサイクルタイムが 8 秒ということになっているんですが、この薪割り機のユーザーであるいのり薪組合さんが上げている動画、3:10 の作業時間で、14 サイクルこなしています。つまり、190/14 = 13.5 秒かかっているので、wr-6 のほうが早いことになりますね。

ちなみに、TW-6 はオプションのログリフトまで搭載し、滑り台のようなものを作って玉を連続供給できるように工夫していても、そのサイクルタイムがかかっています。TW-6、定価でいえば、いのり薪組合さんが使っている仕様なら 200 万を超えてますね! さすがは、本職としか言いようがありません。

いのり薪生産組合さんは、高低差を上手く利用したりと、作業の効率化のために様々な工夫をして、ノウハウを惜しげも無く公開してくださっていて、本当に頭が下がります。

wr-6 は、別途油圧源が必要ですが、そう考えるコストパフォーマンスは悪くなさそうですが、いかんせん、回転テーブルなど、複雑な可動部分を有するため、耐久性など、問題がありそうに思います。

結構欲しくて本気で悩んでいます。w