阪神・淡路大震災

阪神・淡路大震災から、20 年もの月日が経過したそうです。
まず、犠牲になられた方の御霊の安らかなることを謹んでお祈り申し上げますとともに、残されたご家族・関係各位のご平安を重ねてお祈り申し上げます。

自分自身は、当時は都内在住でしたが、仕事の関係でおよそ半年間、神戸で復興作業に当たりました。
その後も、和田岬の某企業さんでそれなりの期間お世話になりまして、慌ただしく過ごした記憶しかありませんが、縁の深い土地であります。

地震直後、歩いて現地入りして、被害の様子を目の当たりにし、その後の復興は、自分の中では忘れられない経験となって、免震の丸太小屋を作ったりと、今日に繋がっています。

地震といえば、東日本大震災の記憶も新しいのですが、それ以外にも、数々の地震、地震にかぎらず、日本は様々な災害に見舞われる土地柄で、愛媛の対岸、広島の土砂災害など、我々は常に自然の猛威にさらされていると言っても過言ではないと思います。

過ぎてしまった日々、起こってしまった事故や災害は、取り返しがつかないのは、言うまでもないことですが、過去に学び、教訓を活かす事こそが、犠牲になられた方への最大の手向けになる、自分はそのように考えています。

ところで、先日、かわはらさんのブログで自分的にはかなり驚いた薪ストーブ設置工事があったのですが、薪ストーブの煙突にスライド煙突が使われておらず、また、煙突自体が壁にも固定されていない、更に、炉台は強化ガラスと思われるものでした。

http://kawahara1967.blog93.fc2.com/blog-entry-912.html

薪ストーブの既存の業者さんには、それぞれのポリシーがあって営業されていると思いますし、どのような意図で、そういう設置をしたのか、その事情についてまでは知る由もありませんが、あくまでも個人的には「ありえない」と感じざるを得ませんでした。

まず、スライド煙突を使っていないというのは、コストダウン以外のメリットは皆無と思いますし、そのコストはせいぜい数万円程度でしょう。ICC 社の煙突を使うのなら、数千円の節約にしかなりません。

デメリットとしては、煙突の長さが変わらないわけですから、ちょっと持ち上げる、というような方法での煙突自体の着脱が不可能です。煙突の掃除はもちろん、ストーブのメンテナンスなどの際に大きな障害となるように感じました。

それよりも自分が気になったのは地震です。

煙突の長さが変わらないということは、もし、地震で煙突自体が左右に揺れたり、あるいは、薪ストーブ自信が揺れたりした際に一切の遊びがない、ということではないのでしょうか?

通常は、弱い部分や、そういうものを吸収できる部分を設けます。
もし、スライド煙突があれば、その部分で、ある程度吸収でき、煙突の破損のリスクが軽減できると思います。
また、スライド煙突を使わないにせよ、壁で支持することで、煙突の揺れ幅自体も軽減できると思います。

また、強化ガラスの炉台も不安を覚えずにはいられません。

強化ガラスは、衝撃が加わると粉々に砕けてしまいますが、地震の際に万一、薪ストーブが転倒したりしたり、煙突が引きちぎられたりした際に、何らかの衝撃が加わり強化ガラスが破損すると、その下は、どうみても可燃物の床ですから、非常に危険ではないかと思うわけです。
その上、ガラスは表面がなめらかなので、たしかに掃除のしやすさ、という面ではメリットが大きいと思いますが、耐震性、という視点からは、不安をぬぐい去れません。

小さな写真では、ストーブの足元に何らかの固定の工夫や、ガラスに集中的に荷重が加わらないような対策がなされているようには見えず、ガラス自体もただ単に置いてあるようにしか見えませんでした。

薪棚などを建物の直ぐ側に作って大量の薪をストックしているのなら、それらが倒れて建物を傷めたり、物的な被害ならまだましですが、小さなお子さんが下敷きになったり、脱出経路を塞いだりする危険性も考えられますね。住宅密集地なら、軒先に可燃物を積み上げる意味も考えるべきでしょうし、自分自身が、地震の被害者にならないため、また、加害者とならないため、安全についてより深く考えていく必要を感じています。

ICC 社の Excel 煙突の謎、解明

Excel 煙突に磁石がくっ付く件ですが、謎が明らかになりました。まあ、そうではないかとおよそ見当はついていたことでありますが。

Excel 煙突ですが、内側が 304 ステンレス、外側が 434 ステンレスで、素材を使い分けている、ということでした。

自分が導入した時よりも、今は製品のクオリティが向上して、シームレス溶接技術、というものを用いているとのこと。これにより仕上がりがより美しくなったそうです。

以前、Excel 煙突が、カナダの厳しい安全基準を満たす「唯一」の製品だ、ということを書いたと思いますが、そのカラクリ(?)についても教えてもらいました。

Excel 煙突に充填されている断熱材は、元々はかなりの厚みがあるもので、それを均一に圧縮して、防火性能の確保するそうなのですが、その時に、ソフトさを残した状態を維持するそうです。この加減が非常に難しい、とのことです。

また、永続的な性能を維持する上で、経年劣化に耐える意味においてソフトさが失われないように製造されているそうです。

このソフトさは、煙突火災などの高温にさらされて場合でも、断熱材がソフトで、内側のライナーの熱膨張に追随しやすく、これにより、たとえ煙突火災に見舞われもなお、煙突性能の維持が可能となっているようです。
(実際に煙突火災が生じた場合には、検査が義務付けられている、とのことです)

Excel 煙突は、我が国で一般的に販売されている断熱煙突よりも大幅に安価ですが、安全性や耐久性を軽視しているというわけではなく、寧ろ、同等か、それ以上の耐久性や安全性が約束された製品のように感じました。

シームレス溶接については、前回は時間がなくて、よく観察することができませんでした。
機会があれば、うちの Excel からどのように進化しているのか、確認してみようと思います。