難しい問題が発生しました — 薪割りくさびのクレーム

お店で扱っているくさびにお客様からクレームがありました。
使ったけど、埋まって割れないので返品したい、という内容です。

正直どう対応したらいいのか、悩みます。

Amazon 経由なので、今はオーソドックスに、Amazon のカタログ通りの商品ですから、お客様が使いこなせるとか、期待した内容であるか、そういうことは、個々のマーチャントの問題ではありませんから、商品が不良品であれば返金を受け付けます、と応答していますが、「納得出来ない」んだそうです。

そもそも論として、くさびですから、不良品自体が発生するような商品ではないんです。
ただの鉄の塊ですから。

ちなみに、星型のくさびで、Ace Collins, Truper のブランドで販売されているのですが、北米での価格は、$19.99 の Truper なので、原価で 2,700 円(輸入関税等含む)、これに運賃が大体 400 円、Amazon の経費(=ピンはね)が 755 円かかるものを、3,800 円で売っているんで、出荷の作業などの分、完全に赤字なんですよね。

というわけで、困っているんですが、ドリルの話 を思い出しました。

ドリルを買おうとしている人は、ドリルが欲しいのではなく、穴を開けたいのだ

つまり、

くさびを買おうとしている人は、くさびが欲しいのではなく、薪を割りたいのだ

ということだと思うのです。

商品をうまく使いこなせなくて、「薪を割る」という目的が達成できていない、このことが問題だと思います。

Amazon.com のレビューでも、大部分の人は、今回のくさびに満足しているわけですが、実際に一定の満足していない人もいるわけです。評価でいえば、約 ★ 4 ですから。

「欠陥商品」と決めつける、大変ご立腹のメールだったので、使いこなしについてアドバイスをすると火に油を注ぐことになりかねない気もしないでもないのですが、よく考えたら、今まで、斧やくさびについて、自己流で使っているだけで、ちゃんと調べたことがなかったし、難物はぶつ切りにするほうが多いので、一度きちんと、自分自身のスキルアップのためにも、勉強して見る必要があるかと思います。

Iron & Oak 往復型 薪割機

Iron & Oak 往復型の薪割機、BH2W2015GX というものを見かけました。

Brave とよく似ていますが、明らかにワンランク上の作りで、お値段は、2〜3 ランクアップです。
Brave が $1,450 に対して、Iron & Oak は $2,700 ですから、1.86 倍もします。

大きな違いが、作動油タンクです。
容量が 12 ガロン(45L)あります。

Brave は、レジデンシャルユースなので、3 ガロンの容量ですから、Iron & Oak は実に 4 倍のキャパシティなわけです。

コマーシャルユースでは、流量と同じくらいのタンクが必要といわれていますが、これらの薪割機は、11GPM のポンプを搭載していますので、Brave はヘビーに使う場合、作動油の負担が非常にお大きい、だからこそ、フィルタくらいは必要、と思うんですよね。

後気づいた違いは、フレームの強度です。

ちょっと Brave を持っていない人はわかりづらいかもしれませんが、鉄板にほぞ穴と、ほぞがあって、それらが組んであるんですが、ほぞの部分が少し出っ張って、滑り止めも兼ねている形状です。

それが 6 箇所あります。

ちなみにブレイブは、2 箇所です。

その他にも細々と、例えば、エンジン保護用のケージのようなものがあったり、いろいろと「高くなる」ように作ってあるわけで、それが積もり積もって 2 倍の値段になっちゃっているんでしょうね。

重さも、607lbs と 360lbs の Brave と比べると、値段と同じくらいの比率になっていますし。

こうやって見ると、Iron & Oak も、ものは良いんですが、高いのだから、普通のことでしかなく、逆に、Brave の作りこみのレベルの高さ(価格と性能のバランスの良さ)が際立つなと思いました。