薪割り機は自作などするもんじゃない!?

昨日は薪ストーブの配達に出かけたんですが、その時、代行を依頼してくださったお客さんと小一時間立ち話をして、薪割り機の話になりました。

「自作している人も居ますよね?」ということからはじまり薪割り機の自作が話題になったんですが、自分の答えとしては、別に薪割り機を扱っているからそう答えたわけではないのですが、「自作などするもんじゃない」というものです。

その理由を整理して、再度書きたいと思います。

再度、というのは、薪割り機の話は過去書いてきているのですが、ここを見てくださる方がすべての過去記事を読んでいるわけではないと思いますし、このところ、薪割り機のことをろくに書いていないので、少々整理をしておきたいとも思います。

まず、薪割り機には色々タイプがありますが、今回書くのは、「油圧」で動く薪割り機のことです。

油圧で動くタイプの薪割り機は、主に 4 つの部品で構成されています。

  • シリンダ
  • コントロールバルブ
  • 油圧ポンプ
  • エンジン(モーター)

上記、4 つの部品を ブレイブ社の縦横兼用 薪割り機 VH1724GC を例に取ってみていきましょう。

まずはシリンダです。シリンダは高圧の油で伸縮する部品です。

シリンダには、「単動」と呼ばれる押すだけ(あるいは引くだけ)しかできないものと、「複動」と呼ばれる押すことも引くこともできるものとがあります。
殆どの薪割り機は、複動シリンダを使っていますが、中には単動のものもあります。

単動シリンダとは、上図のように、作動油の出入口がシリンダの一方にしかなく、シリンダは圧油で伸ばし、縮める時には自重又はスプリングの力等、外部からの力を必要とするものです。

身近な例では、いわゆる だるまジャッキ(ボトルジャッキ) が単動シリンダの最たるものです。
だるまジャッキは、レバーを操作して高圧の油を送ることにより、重たい自動車等を持ち上げ(=シリンダを伸ばす)ますが、下げるときはその重量で押し下げられるため、圧力のかかっている油をバルブを緩めて徐々に抜くことで下降させます。つまり、下げる(=シリンダを縮める)ために必要になる圧力を外部から得る構造になっていて、それ自身は、伸びることはできても、縮まることができないのです。
単一の動きしかできないので、単動シリンダといいます。

だるまジャッキを使用した手動の薪割り機です。
動画をよく観察すると、バルブを回しているのが確認できると思いますが、その時、ジャッキが縮むのは、バネが仕込んであるためです。
レバーが 2 本ありますが、一つは圧力が低いもののたくさん油が送れるもの(=動きは早いが力が弱い)、もう一つは圧力が高いものの少量の油しか送れない(=動きは遅いが力は強い)ものです。
まずたくさん油が送れるものを操作してウエッジ(くさび)部分に薪割りしたい玉が当たるまで進め、その後、力が必要なタイミングではもう一つのレバーを使用する、というのが使い方になります。

それでは、VH1724GC を見てみましょう。
24 TON と書いてあるチューブ状のものがシリンダですが、複動シリンダです。

リアルな図ですが、各部の名称の説明も兼ねて引用します。

構造ですが、上図のように、シリンダの両側に作動油の出入口があり、コントロールバルブによって圧油の流れる方向を変えて伸縮させることができます。

シリンダを伸ばす時(あるいは縮める時)は、コントロールバルブにより、右(縮めるときは左)の部屋に油を送ります。
シリンダチューブの内径・ピストンの直径のことをボアといいます。
また、伸縮できる量のことをストロークといいます。

注目して欲しいのですが、右の部屋は、送り込まれた油の圧力を受ける面積は、シリンダチューブの内側の面積=ピストンの面積となります。この面積が大きくなると、より大きな力を受けることになりますので、力の強いシリンダ、ということになります。

つまり。。。

面積 x 圧力 = 力(トン数)

という計算が成り立つわけです。
これこそが、油圧機械の根幹をなす理屈=パスカルの原理なので、まずは、シリンダが太い=力が強い、ということを覚えておいてください。

実際のトン数の計算方法などを含めてもう少しディープな話は、薪割機の話 — 油圧シリンダ編 に書いてありますので、より詳しく、という方はチェックしてみてください。

とまあ、ここまでの説明で、シリンダの伸縮には、圧油が必要であり、その方向を制御するための方向制御弁、すなわちコントロールバルブが必要だ、ということがお分かりいただけたと思います。

その圧油を生み出すのが油圧ポンプで、油圧ポンプを駆動するのがエンジンであったり、モータであったりするわけです。

まずは、方向制御弁・コントロールバルブの説明をします。

コントロールバルブですが、写真のような部品で、方向を制御する他のレバーがあり、レバーを倒す向きにより、シリンダが伸縮する構造です。

VH1724GC でも、手でレバーを操作していますが、シリンダに直接マウントされているのが見て取れると思います。

バルブには、圧油がポンプから送り込まれる in port(P)、それとタンクに戻す out port(T)が有り、シリンダを伸縮させるための work ports (A, B)があります。

VH1724GC などの一般的な薪割り機で、エンジンが 160 — 200cc 程度のものの場合、in/out ports は 3/4″ NPT female, work ports は 1/2″ NPT female が標準的な仕様です。

写真の SPEECO(スピーコ)社製バルブもそうですが、ポートマウントと呼ばれる種類のバルブで、シリンダの収縮側のポートにダイレクトに取り付ける構造となっています。(そのため、ブラケット等に固定するためボルト穴などがありません)

まあ、そういう実務的な話はさておき、ここからがキモの話です。

このバルブですが、北米では $50 くらい(6,000 円)で、まあ、米国内送料だの国際送料だの、輸入時の税金だの、なんだかんだでお店では小一万で売っているのですが、値段はさておき、薪割り機用に特別な機能があるのです。

detent(カタカナで書くとデテントでしょうが、発音はディーテンって感じ, auto return ということもあります)というのですが、シリンダを戻す時に、レバーをロックすることができ、シリンダが戻り切ると、自動的に中立に復帰するのです。
この動きを動画で確認してみましょう。
(動画は、往きも帰りも自動のより高機能なオートサイクル バルブを使用しています)

そういう機能の他にも、薪割り機用のバルブには、リリーフバルブも組み込まれています。
3 position, closed center, directional control valve + relier valve にになります。
動画で確認しましょう。

さて、closed center と open center の違いです。
closed center は左記の動画で解説されたとおり、中立位置で全てのポートがブロックされています。
それに対して、open center は、ブロックされていない、よってシリンダに外部から力が加わると、位置を保持できません。
縦横兼用型の場合、縦で使用しているときには、ロッド等の自重が掛かるため、closed center でなければならない、ということが理解できます。動画で確認しましょう。

上の 2 つの動画に出てくるアニメーションの横のシンボル、油圧回路図ですが、以下の動画がわかりやすいと思います。

とまあ、ややこしいことを書いたんですが、つまり、ややこしいんですよ。

その辺に転がっている重機などからもぎ取られたジャンクがどういう仕様なのか、分かる人はわかるんでしょうが、大抵は正確にはわからない。
自作などするもんじゃない、の理由の一つはここにあります。

仕様が明確で、薪割り機用に特化した detect (auto return)機能があるものが 1 万円でお釣りがくるわけです。
じゃあ、パーツを新品で買って組み立てたらいいんじゃないか?

でも、1 万円「も」してしまうんですよ。(米国内なら $50 + 送料、LS-3000 などなら $90 — $110)
自動車のパーツを取ってを修理したことがある人ならわかりますよね。
パーツってのは意外と高いんです。

なので、ジャンク集めや修理が趣味の人なら別ですが、普通の人が自作するくらいなら、まだ、まともに見えるチャイニーズ品を買うほうがマシです。
壊れたところから、まともな部品に置き換えていく、そのほうが一から作るよりもよほど安上がりです。
万一壊れなければ、修理する必要もありませんしね。
大抵壊れると思いますが。。。

続いてポンプです。

VH1724GC では、エンジンから飛び出して、ホースがつながっている、黒い小さな部品がポンプです。

ポンプも実は、薪割り機用に特化した特殊なものがあり、2 ステージポンプといいます。

ちょっと思い出してください。
先程、手動の薪割り機を紹介しましたが、あれにレバーがふたつありましたよね?

あまりに当たり前ですが、空気を押すのに力はほとんどいりませんし、割れてしまったものの繊維が絡まっているので、押し切るようなシーンでは、20 トンだのの力はまったく必要がありません。
そして、力が必要なのは、薪を割る、その瞬間だけです。
でも、このときだけは力が必要なのです。

2 ステージポンプは、いつもは低い圧力でたくさんの油を送り出し、力が必要な瞬間には、圧力を上げることができる、そういう薪割り機というアプリケーションに特化した、とても便利なポンプなのです。

これに対して、重機などのポンプは、圧力・流量ともに一定であるか、流量のみ可変となっています。
要求される特性が全く違うので、重機などのポンプを流用しても、効率的な作業ができないのです。
(これについては、問題を軽減する方法があるのですが、非常にややこしいので、今回は説明しません)

これが自作などするもんじゃない、の理由その 2 です。

ちなみに、薪割り機用の 2 ステージポンプは、米国での価格ですが、安いもので $100 程度、そこそこのもので $150 — $200 程度です。(11 — 13 GPM クラス、エンジンで言うと 6– 8HP クラス)

最後にエンジンです。まあ、これは特に説明は不要だと思いますが。。。

日本国内で流通しているエンジン、特に農機具で使われているものは、減速機が内蔵されていて、一般的に出力が 1,800rpm 程度なのです。

これに対して、油圧ポンプは、大原則として、エンジンにダイレクトにマウントし、3,600rpm で駆動するので、減速なしのエンジンで、かつ、ダイレクトにマウントするためのブラケットがとりつかなければなりません。
米国仕様の場合、各種ブラケットをマウントするための SAE-A, SAE-AA, 4F17 などの規格が存在するのです。
つまり、エンジンと、ポンプとその双方が規格に準じていれば既製品のブラケットでポン付けなのです。

なので、その辺の機械からエンジンをもぎ取り、ブラケットを自作して、素性の分からないポンプを使い、流量固定で、圧力も計ってみたら低かったというようなアホな状態になるくらいなら、きちんとしたものを使ったほうが、よほど安くて安全で確実なのです。

でも、パーツを積み上げるとかなりの額になるんですね。

以下全て米国内の値段ですが…

部品 価格
エンジン GC160 $250
ポンプ $150
バルブ $100
4″ x 24″ シリンダ $150
ホース類 $100
フィッティング類 $100
アクスル $30
タイヤ x 2 $100
合計 $980

といったところです。無論、送料別です。

で、米国産の安い機種 Ariens 22t ですが、これは、送料込みで $1,100 — $1,300 くらいなんですよ。
なので、送料を払うと、完成品のほうが安いわけ。
フレーム等を作る鋼材、薪割り用のウエッジの特殊鋼、シリンダを固定するためのピン、それらは計上してませんから、更に差は広がります。
当然、塗装などのコスト別腹ですしね。

まあ、Airens 22t、米国製でそんなに安いんならお前の店で扱えよ、というツッコミを入れる人が出てきそうなのですがね、扱わないのには理由がありまして。。。
というか、1 台だけ扱いましたが、大赤字になるところだったんですが、このメーカ、梱包がとにかく駄目なので、うちのような規模の小さいところは、混載するために再梱包しなければならず、さらに、半完成品のため、やたらめったらかさばって 1 台でブレイブの薪割り機の 3 台分の運賃がかかるんですよ。
簡単にいえば、運賃が本体の値段ほど掛かる、ということです。

ちょっと脱線しましたが、薪割り機を自作なんてするもんじゃない、というのはそういう理由からです。

というわけで、米国製ブレイブ社の薪割り機は、性能・品質・価格、それらのバランスが優れていると思い、輸入代行を行っています。
どちらも、厳選してチョイスした、とても素晴らしい薪割り機で、自信を持っておすすめしています。
現在、バックオーダーですが、是非ご検討ください。

薪ストーブよりも温かい?

薪ストーブよりも温かい?、猫暖房です。
なんか、布団でゴロゴロしていると、足の間に挟まってくるんですよね、特に 1 号(ハチワレ)。

猫は体温が高いようで、温かいです。平熱で、38 — 39°C くらいみたいです。
ということは、猫は逆に人間にくっつくと冷たいんじゃないかと思うんですが。。。
ちなみに、自分は体温が高いほうで、普段でも 37°C 以上あります。
でも猫ほどじゃない。

今年も薪ストーブと猫とで暖かく過ごせそうです。
猫は重いし、うるさいし、毛まみれになるんですが、可愛いから、まあいいか。

さて、今日は F 500 SE の配達に行きました。
新居浜かと思ったら、四国中央だったんで、愛媛の端っこ、あと少しで香川です。
土日ということで、明日はもっと雨がひどくなるし、来週は、別の予定が入っているので。

配達に行っている間に、佐川(というか下請けのトール)さんもきてくれたみたいで、戻ったらスッキリです。

外出していても、カメラが通知してくれるので、誰か来たりすると分かるんです。

なんだかんだで帰ったら 20 時で、ヤマト運輸が閉まってしまったので、エコファンのバックオーダー分の出荷をしないといけないんですが、明日にずれ込んでしまいました。

とりあえず、それで出荷は一段落かなと思います。

台風も来ているし、日曜、月曜は、薪仕事ができそうにありません。
「薪屋殺すにゃ刃物はいらぬ 雨の三日も降ればいい」
おまんまの食い上げですよ、この調子では。

はてさて、なにをしようか。
油圧ユニットづくりでも頑張るか。。。

引き取りと発送

昨日は、申告に時間がかかり、銀行が閉まり納税できなかったため、今日朝一で銀行に行き、その後、ダンボールを捨てにいって、その足で、税関に納付した際の領収証を提出、許可となりました。

それで、引き取りに行ったんですが、日通さんの方でちょっと待たされて、理由は、「手書きで申告した」ということをいってなかったからみたいなんですが、まあとにかく、待っている間に昼になってしまい、12 時 3 分に倉庫にいったら、もぬけの殻だったわけです。
というわけで、1 時間待って、無事に荷物を引き取ってきました

戻ったら、発送の準備です。
倉庫というか、車庫というかが狭いので、トラクターをどかせて、乗用車をどかせて、後は、倉庫番状態です。
少し整理をしたいとは思うんですが、自家用薪をこれから焚けば、少しは広くなると思うのですが。

大きな荷物の発送は、TrueNorth TN20 が 2 台、それにブレイブの往復タイプの 20t です。

雑貨類では、エコファンのバックオーダー分の出荷をしないといけません。

ブレイブですが、売りっぱなしに近いといえば近いのですが、万一何かあったらアメリカから部品を運んでくる運賃は必要ですが、一応、保証はあるので、パーツはもらえるのです。

でも、船便だと 2, 3 ヶ月掛かるので、予備部品を持っておいて、お客さんの薪割り機に不具合が生じたら、手元の部品を貸し出し、ブレイブ社から届いた部品で返してもらう、という対応で、サービス品質を高めようと思ったわけです。

それで、油圧ポンプや、カップリングなどを予め注文したのですが、なんと、別の箱に入れるのではなくて、適当に(梱包もせずに)往復タイプの薪割り機の間にねじ込んできました。開けての検査だったので、気づきましたが。。。

というわけで、発送前に抜き取る必要があったんですが、検査で開封する際にパッキングリストを切ってしまい、めちゃくちゃ見づらいのですが、突き合わせをして、部品を確保しました。

さて、明日も雨みたいですし、台風も来るみたいで、当面、外の仕事はできそうにありません。

F 500 SE の配達にも行きたいんですがどうなることやら。。。

申告と検査まで終了です

今日は薪ストーブの申告と検査でした。

申告書ですが、手書きなので、作成にかなりの時間がかかりました。
その代わりといってはなんですが、ややこしい税金の計算方法をマスターしました。
賢さが 1pt アップした感じです。

まあ、賢さがアップして喜んだのもつかの間、職員さんから、来月くらいにキオスク端末が入るかもね、といわれました。

とはいえ、基本的なことが手書きでわかったので、キオスク端末でもやってることは同じで、自動でやってくれる部分が増えるだけなので、なんだかんだで、良い経験だったと思います。
職員さんには手間をおかけしましたけど。

で、検査ですが、税関から近いから倉庫の方に行ってやります、ということで、倉庫に出向いて、全部開けて調べました。
当然、問題なし。

銀行は閉まってしまっているので、納税ができないので、許可書は明日ということで、本日は終了です。

ちなみに、写真ですが、手前から TN20, F 400, F 500, TN20, エコファン(カナダ製)等の雑貨、です。

長いこと売り切れていたエコファンもこれでようやく入荷です。

あと、今更感がありますが、パスメイトのランダムも入荷しています。
どうでもいいんだけど、パスメイト(カナダ製)は関税がかかるんですよね。。。
申告がまとめられないので、面倒くさいのです。

薪ストーブをご依頼くださった皆さん、ありがとうございます。
もう間もなくですよ!
順次配達・発送していきたいと思います。

ようやく A/N が届いたものの

今日は午前中は曇だったんですが、午後からはしっかり降られてしまいました。

お昼過ぎにようやく A/N が届きました。
今回は、5 PCS, 2.97CM, 696kgs で 112,319 円+振込手数料が運賃です。
内容は、、F 500 SE, F 400 BP, TN20 x 2, エコファンと薪製造機の修理用部品です。
バンクーバー港までの運賃やパッキングのコストは別です。
無論、松山港での通関、検査、その後の引取(あるいは発送)のコストも含みません。
1m3 あたり、37,440 円かかっていますので、もしこれで通関を依頼し、検査になってたら、恐ろしいことになりましたね。

ちなみに、前回の神戸港に薪割り機を運んだ際 のコストですが、7 PCS, 2.86CM, 810kgs で、まあ、似たり寄ったりではあったんですが、62,937 円だったわけです。
つまり、1m3 あたり、22,006 円なので、神戸の 1.7 倍もかかっていることになります。

1m3 あたり、4 万程度はかかります、とご案内はしているのですが、通関や検査の費用を支払うと完全に 4 万を超えてしまい、とても請求できません。

今回は、愛媛の方の代行だったので、松山港を使ってみたのですが、差額として、5 万円ほどありますので、松山港を使うのは経済的ではない気がしてきました。

神戸港までの往復は 4t ユニック車で丸一日でこなせますし、高速代(瀬戸大橋部分)+燃料費でも 1 万円もかかりません。
トラックの損料を 1 万として、労働時間的には 24 時間で 3 日分ですから、8 時間で 1 万円の労働、ということになります。人を雇ってやらせると合いませんが、自分でやるならアリかなと思います。

松山港を使う問題として、キオスク端末を使っての申告ができないことです。手書きで申告をしないといけないのです。
今回、そのやり方を勉強したとしても、もう、松山港を使うことはなさそうですから、知識も時間が無駄になります。
まあ、何事も経験といえばそうなんでしょうが、品物の数的に一葉では収まらないので、依頼して 11,800 x 2 を払うくらいなら 3 日くらいかかっても、自力で通関しないとペイしません。

お客さんには迷惑を掛けられないので、授業料と思ってがんばります。

いずれにせよ、雨が降り出したり、FAX の調子が悪くて、結局、税関には出向けませんでした。
明日、とりあえず、申告だけは頑張ってきたいと思います。

すでに CFS には荷物は入っているようなので、引き取りは天気を見ながらにしたいと思います。

それはそうと、書類が届かないので諦めて、昨日フォークアタッチメントが出来上がったと連絡があったので、塗装用のスプレーと脱脂用にパーツクリーナーを買って、鉄工所に引き取りに行きました。

この時に、ヤフオクで買っておいた、簡易クレーンのベースを作ってもらうために持ち込みました。
トレーラーでおまかせ便で搬送する際、薪ストーブなどを積み替えるために必要になるからです。
これ以上投資してどうするのか、という気持ちもないでもないのですが。。。

結局のところ、フォークアタッチメントがない=荷下ろしもまだ、ということで、やることは一向に片付きません。
自分でもわけがわからなくなってきているのでやることを整理すると、

  • 通関と、荷物の引き取り、配達・発送
  • フォークアタッチメントの塗装
  • 薪の荷下ろし
  • 代行のチェンソーの手配他、次回貨物の手配
  • トロンメルの油圧ユニットの組み立て
  • 未分別の薪を施設に輸送
  • 薪製造機の使い方を指導
  • 乾燥用コンテナの断熱処理
  • ボイラーの組み立て・ボイラー小屋づくり
  • 温水用バルクコンテナの輸送
  • ハウスの組み立て
  • 注文品の配達(愛知・茨城在庫分 TN20)
  • 薪の納品(滋賀)
  • プラパレットの引取(福島)
  • ロールボックスパレットの引取(千葉)
  • 乾燥用ビニールシートロール引取(京都)
  • シアトルからの貨物の処理

というところで、まあ、営繕の仕事や、神社の仕事は無視しても、これくらい溜まってしまっているわけ。。。

次回のアメリカからの貨物ですが、ブレイブの縦横型 24t を入れるのはまあ確定として、入れるかどうか悩んでいる薪割り機があります。

BRAVE Dual Split 3 point Tractor Mount TMH1315 (Up to 13 tons) Horizontal Operation といって、基本的にはトラクターに取り付けて、その外部油圧を使う薪割り機です。

このタイプは、エンジンや油圧ポンプ、油圧タンクなどが不要になる分、安価になるわけですが、トラクタなどの外部油圧は、薪割り機に適した特性ではないため、大量に薪を割る人には不向きでもあるんです。

実際のところ、調達コスト的にいえば、$200 程度しか安くなりません。20t のタイプだと $100 くらいしか安くならないんで、だったら、エンジンとかは部品にすればいいだけなので、扱う意味は無いのですが、13t は当然、必要な油が少なく、また、ストロークが短いため、長い薪を作らない人にはより効率よく薪割りができ、多少なりとも安価なので、需要があるのではと思うのです。

試しに入れてみて、現物を見ないことには、人に奨められるかということを判断することは難しいようにも思うのですが、問題はどれくらいそういうニーズがあるのか、全く未知だということです。
農家の方は、トラクターは持っていると思うし、当然に田園地帯で暮らしているわけで、行けるんじゃないかと踏んで入るんですが。。。

Operation Horizontal
Size 43″L x 34″W x 20″H
Splitting Force Up to 13 Tons
Max PSI 3,000
Splitting Height Tractor Dependant
Cycle Time 10 Seconds @ 3 GPM
Beam 5 1/2″ x 5 1/2″ Fabricated Tube
Wedge 6″ High carbon steel dual blade
Log Opening 19″
Cylinder Size 3″ x 18″ clevis type, 1.75″ rod
Hydraulic Capacity 1.5 gal. (cylinder & hoses)
Shipping Weight 143 lbs

たとえば、ViO-30 クラスでしたら、外部油圧は 50L/min くらいだったと記憶しているので、13GPM ということになりますね。3GPM でサイクル 10 秒ですから、2.3 秒ということになるわけで鬼速!
ボブキャットなら 17GPM なので、1.8 秒!!!
完全に怪我をするレベルです。
アイドリング状態でちょどいいくらいかもしれませんね。

チェンソーの輸入の問題(再)

I さんにチェンソーのことを訊かれたので、輸入する場合の注意点について、記載しておきたいと思います。

薪ストーブや薪割り機同様、チェンソーについても、依頼があった場合には輸入を代行いたします。
ただ、チェンソーの場合、注意すべき点があります。

整理すると、

  • 労働安全衛生法の問題
  • 故障時の問題
  • PL 法の問題
  • コピー商品等の問題

などが考えられます。

まず、労働安全衛生法の問題ですが、40cc 以上のチェンソーは、林業機械化協会のワッペンがついているのは皆さんご存知のとおりだと思いますが、これ、条文を読んでみても、「林業機械化協会のテストを受け、合格しなければならない」などとは一言も書いていません。にも関わらず、知恵袋 を見れば、一定の知識を持っている人でさえ、条文に書いていないことを書いているわけです。まあ、既得権を守るための工作員かもしれませんけど。

労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第四十二条の規定に基づき、チェーンソーの規格を次のように定める。

(振動の限度)
第一条 チェーンソー(労働安全衛生法施行令(昭和四十七年政令第三百十八号)第十三条第三項第二十九号に掲げるチェーンソーをいう。以下同じ。)は、別表第一に定める測定方法により測定された振動加速度の最大値が、二十九・四メートル毎秒毎秒以下のものでなければならない。
(ハンドガード)
第二条 チェーンソーは、ソーチェーンの切断等の際にソーチェーンにより後ハンドルの手に生ずる危険を防止するためのハンドガードを備えているものでなければならない。
(キックバックによる危険防止装置)
第三条 チェーンソーは、キックバックを防止するための装置又はキックバックに伴うソーチェーンによる危険を防止するための装置を備えているものでなければならない。
(表示)
第四条 チェーンソーは、見やすい箇所に次の事項が表示されているものでなければならない。
一 製造者名
二 型式及び製造番号
三 製造年月
四 排気量
五 重量(のこ部を除き、かつ、燃料タンク及びオイルタンクが空である状態における重量をいう。)
六 振動加速度(別表第一に定める測定方法により測定された振動加速度の最大値をいう。)
七 騒音レベル(別表第二に定める測定方法により測定された騒音レベルをいう。)

出典 チェーンソーの規格|安全衛生情報センター

さて、知恵袋 に書いてあるように、第 4 条に定められている表示は、林業機械化協会に「みかじめ料」を払って、ワッペンを「買う」必要があるのでしょうか?
JETRO の見解では、「自認」でよい、ということでした。(リンクが切れていてソースを辿れません
つまり、ハスクバーナであれば、本国の仕様書(カタログ)の数字をそのままシールを作って貼れば、それで合法、ということに JETRO 的にはなる、ということです。

この件について、労働安全衛生法の管轄省庁に数回問い合わせを行いましたが、煙に巻かれてきちんとした回答が得られていません。
最終的には、司法判断になるわけですが、判例などご存じの方がおられたら、コメントいただければと思います。

で、法は法です。法を守ることは、他人のためというよりも、むしろ自分のためであります。
労災の問題などがありますが、輸入品で自認のシールを張ったチェンソーで万一事故があった場合、それが適法であるかどうかについてトラブルが合った場合、余計な手間がかかります。
かと言って、内外の価格差が許容できるか、というのはその人それぞれが判断すべきことです。
あくまでも、林業機械化協会での試験を受ける必要はない、という見解が適法という前提で書いていますので、その点は十分ご留意ください。

次に故障時の問題です。

まず、故障時については、近くの農機具屋・チェンソー屋での修理は難しいかもしれません。
理由は単純で、輸入品について、正規ルートからは部品が出ないからです。
また、アフターサービスの面もあるので、購入していない商品のサポート・修理のみ、というお客さんが敬遠されるのも当然かと思います。

海外での部品の購入方法やその際のコストなどは、このブログにも輸入の顛末がありますから、興味があれば調べてみてください。
イニシャルコスト(購入時の機械代金)は、「正規品 > 輸入品」、となりますが、部品コストは「正規品 ≦ 輸入品」となります。
輸入品の部品は輸入する必要があるので、時間を短縮すれば送料がかさむ、という問題があります。

この辺の損得勘定は、あくまでも自分の利用頻度や使っているモデルの国内価格と海外価格、複数の要因が複雑に絡み合って成立するものですから、ホント、人それぞれだと思います。

続く、PL 法とコピー商品の問題は、これはうちには該当しないのですが、PL 法は、商品の製造に関して問題があり、それで事故が起こった場合、製造者が責任を取り、輸入品の場合、輸入者を製造者とする、というものです。
うちの場合は、保険に加入しています。
コピー商品は、主にアルとかニダとか、あちら方面の話だと思いますが、まあ、これは信頼できる店で買うしかありません。
尤も、ハイガー産業がチェンソーを売っていて、それが売れているようですから、自分が気にしすぎなだけかもしれません。

最後に、エントリークラスのチェンソーは、海外との価格差が極めて少なくなっています。
チャイニーズコピーなどの極めて安価な製品に対抗するためではないかと推測しているのですが、いずれにせよ、TCO で考えても、最初の一台は、エントリークラスの正規品を買うのが良いと思います。
右も左も分からない時は、サポートも含めて、チェンソーのある「生活」を購入するのが良いと思います。
ただ、店には、色々なグッズがきれいに陳列してあり目移りするという問題点がありますけど。