Proportional flow diver

少し前に複数のシリンダを協調して動作させるためには proportional flow diver というバルブを使うと良いようだ と書きました。

それで、気になったことがあったので調べてみました。
気になったことというのは、proportional flow divider は、逆流させることができるのか、という点です。

結論から書けば、ギアタイプの flow divider の場合、正逆どちらでも動作するようです。
まあ、詳しいことは動画を見ろ、で終わってしますが。

出典 森砂利店

ウォーキングフロアを自作する場合ですが、前に書いた 通り、荷下ろしの際には #1, #2, #3 と 3 つのグループの床板を駆動するシリンダに同量の作動油を送らねばなりません。
と同時に、グループの床板を 1 本だけのシリンダで真っ直ぐ押すことは難しいと思われるので、左右から 2 本のシリンダで均等に押す必要があると思うのです。

写真のようなユンボのブームシリンダですが、左右に二本あり、当たり前ですが伸ばす時(ブームを上げる時)も縮む時(ブームを下げる時)も、2 本はシンクロして動作しないといけませんよね。
だから、やりようというのはあるんだろうと思っていたんですが、こういうところには、gear type を使えばいいということになりそうです。

メインの 3 つの回路に均等に送るというところですが、伸ばす時はそうなんですが、縮める時は #1, #2, #3 と順次動作になるわけです。

前に貼った 回路図ですが、シーケンス弁自体、一方通行のようで、チェックバルブが仕込まれていますね。
逆流時には、チェックバルブ側を通って油が戻るようになっています。

以上から、3 つのグループに油を分けて送る部分に使う flow divider に関しては、あくまでも現時点での考察としては、

  • 3 つに均等に分けるように努力してくれる程度で良い
  • 一方通行で良い

ということになります。
ということは spool type で良い、ということかなと思うんですが。。。

頭が悪いので、spool type の動作原理の説明動画を見ても、いまいちわからないのですよ。

この方式だと、Inlet があって、center cavity があって、そこを左右に自由に摺動できる spool があるわけですよね。
だとすると、物理的に outlet は 2 ports ということになるので、3 ports のものがあるのか、というのがわからないことの 1 点目。

次に、イレギュラーなケースでの動作がどうなるのか、という点です。

3 つだとややこしいので左右の 2 つで考えるとして、右ポート(動画だと port #2)の圧力が上昇すると、spool は押されて左にずれることになり、結果補償される的な説明をしているんですが、これがどの程度正確なのか、また、例えば port #2 が何らかの理由でシリンダが伸びきった際に、port #1 に行く油がどうなるのか、ということなんかはわからずじまいなんですよね。

動画の説明を、文章に落としてみました。
補償の詳しいロジックなどは言ってないと思うんですが。

This is a spool type proportional flow divider.
These flow divider consist of a housing, a spool, and 2 end caps.
The housing has 3 ports, 1 inlet port and 2 outlet ports.
A narrow passage connects the center cavity, and each of the outlet ports.
Inside the housing is a sliding spool with cross drilled hole in the center and through the entire length of the spool.
The spool is available to move freely in the housing.
Flow from the inlet, enters the center of the spool through the center drilled hole, the flow divides and flows to both ends of the spool.
Flows out both end of the spool, around the end of spool, and the narrow passages to the outlet ports.
If pressure outlet #2 increases, the spool will shift to the left.
The spool moves slightly in response to difference in pressure between the 2 outlets, resulting in pressure compensation for both outlet ports.
This is accompanied by the opening to outlet #1 partially closed while opening outlet #2 is opened slightly more.
The flow both outlets remains constant if pressure outlet #1 increases, the spool will shift slightly to the right, opening the passage to port #1 and slightly closing the opening outlet port #2.

gear type の場合は、完全にシンクロするしかないので、例えば、最初に右のシリンダが先に伸びきってしまったら、左のシリンダに送る油も止まってしまうはずです。
なぜなら右に送るギアが回らないから、左に送るギアが回らないので、左にまだ送れるとしても、送れません。
滅多に問題になるとは思いませんけど、最初にインストールする時、手順を考えておかないといけませんね。

spool type はそこまで厳密ではないと思うんですが、今回のように左右 2 本のシリンダを完全にシンクロさせて動作させたいという向きには適さないと思います。
それと、どう考えても原理的に 3 つに一つのバルブで分割することはできないように思います。
一つのボディに 3 つのスプールを内包するものを作れば、そういうこともできるとは思いますけど、それなら 2 分割を 3 つ使えばいいだけですよね。

押し出し側については、完全にシンクロするのが理想ではあるんですが、たまにシンクロしなくても荷物を下ろすスピードが落ちるだけで、うちの荷物の性質からして、フロアを動かして積み込みをすることはないので、wedge floor のように、床自体に爪をつけて対処することもできます。
特に無理してシンクロさせることもなく、単に 3 つに分割するだけでもいいんじゃないか、それで問題があれば、3 分割タイプの flow divider を噛ませてやればそれで済む程度の問題ではないかと思ったりもします。

それで現時点で分かった必要な部品を考えてみました。

  • シリンダ x 6
  • 2 分割 proportional flow divider (gear type) x 3
  • 3 分割 proportional flow x 1 (適当なものがあれば)
  • sequence valve x 2
  • check valve x 2
  • reciprocating valve

とまあ、こんなところでしょうか。

とりあえずは、flow divider がどうやって分割しているのか、priority は今回は必要ないので無視しましたが、およその仕組みは分かった気がしたので、一番肝心の reciprocating valve の方を探していこうと思います。

あとは Keith という会社のようですが、ここのパーツリストのようなものを見かけたので、どれくらいの容量のシリンダを使っているのか等、前例があるわけですから、それを踏襲すれば、能力が足りなくて荷物が下ろせない、というような間抜けなことは起こりづらいかと思うわけです。
そこら辺もおいおい確認していこうと思います。

でも、中古が出たら、それを買うのが一番合理的な気はするんですが、まあ、こうやって調べ物をするのも、知恵がついて良い気がしています。