またしても騙されたのか? — 新型含水率計を注文してみた件

s-l400今までの低価格含水率計は、プローブと呼ばれる計測用の針を差し込み、電気抵抗で乾燥具合を測定するものが多いのですが、このタイプの致命的な欠陥は、表面の針を指した部分の周りしか測れず、差し込みが不十分だと、電気抵抗が大きくなるため、実際よりも乾いている嘘の数字を表示してしまうということです。

針葉樹はまだしも、よく乾いている広葉樹はとても硬く、プローブの付根は樹脂であるため、あまり強く押すと、含水率計自体が壊れたり、プローブの先端が潰れて使い物にならなくなる、ということもよくあることです。

というわけで、このプローブのない MD918 をお店の新商品として取り扱う使うため、サンプルを取り寄せているところです。

まあ、チャイニーズですから、届くかどうか、届いてもちゃんと動くかどうか、色々と博打の部分があります。

届く気配がまったくないのですが、また騙されたのかもしれません。

さて、どうしてこの含水率計のことをブログに書こうと思ったのか、というと、すごく違和感のある数字を見たからです。

上記エントリーに、

含水率4.8%

という表記があります。

正直、えって驚いたんですが、それはなぜかというと、木材というものには、気乾含水率というものがあり、通常の環境では、これ以上は乾きませんよ、という含水率があり、地域や季節(環境)によって異なるのですが、一般的には 15% といわれているのです。

軽井沢暖炉 成田店 さんは、プロで タイセーマシナリーの薪焚きボイラー による乾燥機をお持ちですので、強制乾燥させたのでしょう。

自然乾燥なら、半分に割って中心を測るべきところを、直射日光に当たった表面を計った可能性もあるんですが、プロですから、そんなことをした数字を表示したりはしないでしょうから、そういう可能性はないですし。

とまあ、そういうわけで、普通は出ない恐ろしく低い数字なんです。

そして、実際のところ、すぐに焚くなら別ですが、放っておくと空気中の水分を吸って、気乾含水率まで湿気ます。

カラカラに乾いた海苔を、ちゃんと封をせずにちゃぶ台の上にしばらく出しておいてどうなりますか、という質問の答と同じです。

ちなみに、含水率という表現は、ドライベースですが、ウエットベースですか、という話があるのですが、こういう含水率計(MD812, MD814, DM1100)はドライベースのものばかりでした。(写真のものがどうかは知りません)

いずれにせよ、普通に自然乾燥させて、そういう数字がでたら、よく乾いているな、と思う前に、ちゃんと計れてるのかな、と疑ったほうがいいと思います。

乾燥機を持っていない、普通の薪ストーブユーザーが、屋外の薪棚で作っている薪でそういう数字がでたら、なかなかない数字だから、気をつけてね、ということです。(MD812 の場合、測定範囲の下限が 5% ですから)

話を戻して、ドライベースとか、ウエットベースとか、どちらも含水率、と呼ぶので紛らわしいのですが、うまい表現を見ました。

ドライベース=含水率、ウエットベース=水分率、という表記です。

上記テキストから一部引用いたします。

■ 木材の水分 (含水率) 木材に含まれる水の割合を示す場合,通常は水分を 含めない木材重量 (全乾重量,ドライベース) に対する水分重量の割合を表す含水率を用います。

 含水率 = 水分の重量 / 全乾重量 × 100
     = (乾燥前の重量 – 全乾重量) / 全乾重量 × 100 (%)

なお全乾重量は,105°C で,重量の変化が無くなる まで乾燥させた状態の値を用います。木材重量に基づき算出されるため,水を多く含む場合,含水率は 100% 以上を示すことも多々あります。

このドライベースの含水率を用いるのは,木材の性質の変化を捉えやすいからです。例えば収縮は繊維飽和点 (後で紹介) 以下で,含水率に比例して変化します。

これに対し,燃料としての木材や食品などでは,水分を含んだ製品全体に対する水の割合 (ウェットベース) で示すことが多くなっています。木材について話していても,燃料の場合には注意が必要です。

なお,ウェットベースを水分率とすると,含水率を水分率に変換する場合,

 水分率 = 含水率 / (100 + 含水率) × 100 (%) で,反対は,
 含水率 = 水分率 / (100 – 水分率) × 100 (%) となります。

とてもわかり易い説明です。

これからは、ドライベースを含水率、ウエットベースを水分率、このブログではそう区別して表現しようと思います。

まあ、仮に 4.8% が水分率であったとすれば、含水率は、 4.8 / (100 – 4.8) × 100 = 5% であって、極端に低いことには代わりありません。

で、脱線したのでもとに戻って、ようするに、慣れない、あるいは説明書を読まないで使うと、表面のカラカラの部分だけ計って、乾いていると勘違いしてみたりしやすい、また、針をちゃんと刺さずに出た、あるいは、木口など不適切な部位で計測て出たいい数字をもって、これまた勘違いする、という欠点が電気抵抗式(プローブ式)にはあるわけです。

プローブ(針)のない小型の比較的安価なものもありましたが、安価といっても、今までは、個人が気軽に買えるような金額のものはなかなか存在ませんでした。格安でも、4 万円に近い価格していたわけです。

まだ手元に届いていないので詳しくはわかりませんが、MD918 は、電気容量式と推定しています。

各種水分計の原理や特徴は、以下のテキストがわかりやすいです。

MD918 のチャイニーズ価格は、概ね数十ドルなので、日本までの送料や税金を含めても、お店では概ね 1 万円以下、できれば 5,000 円くらいで販売できるような仕入れルートを確立したいと考えています。

円安傾向ですので、そこそこになってしまう可能性はありますが、それでも、今までものと比べて格段に安くできればと、期待しているところです。

まあ、届くか届かないか、まずそこをクリアしてからですが、届いたら上記、佐藤商事が扱っているイタリア製の含水率計をお持ちの K さんにもチェックしていただき、品質が実用に耐えうるか、一応、Hearth & Home は、セレクトショップですから、自分が納得行くまでテストしてからでないと売らない主義なので、しばらくは、モニターさんも募集しつつ、針のない含水率計の普及を目指して頑張りたいと思います。

本当は、個人でも、フォークリフトの荷重計のように重さで乾燥の管理もできれば最高なんですけどね。

曲がれるのか、曲がれないのか、それが問題

ヤードに原木を運ぶ際に、トレーラが曲がれるのか、曲がれないのか、ということが問題です。

結論からいえば、曲がれませんけど、じゃあ、どれだけ道を拡げれば曲がれるのよ、という話です。

とりあえず、右に曲がるとして、ヘッドのハンドルを目一杯切って、それで尻がどうついてくるか、というのを作図して、それを衛星写真に重ねて、どれだけこするのか考えました。

軌跡図は以下から引用したものです。

また、左右反転して、左折した場合のものも作成し、それもオーバーレイしてあります。

軌跡図は据え切りでハンドルを目一杯切ってヘッドが 90 度傾いた時点で据え切りで戻す、というあり得ない運転をした場合のものであって、見ての通り、ヘッドの左前方の軌跡を見ると、かなり無駄がある動きをしているので、実際の運転とは異なりますし、もう少し左側のスペースを有効に使えば、多少は尻が小さく回ってくれるとは思うんですけど、それ以前に、完璧なタイミングでステアリングを完璧な量切り、その後、ミスなく旋回する、というようなことはできるわけもありませんし、意外と急な坂+砂が落ちていて滑るような悪路なので、尻に押されて膨らむ可能性もあるんで、ヘッドを左ギリギリに寄せるとか気持ち悪くてできないので、実際には、1m 程度の余裕は欲しいところです。

草が茂っていてわかりづらいと思うんですが、道路自体、左は最初間知ブロックの擁壁があり、その先、トーフが積んであって、トーフの手前にはアスカーブがあります。
アスカーブは壊すことができないので、アスカーブに沿って曲がったとして、現実問題、左コーナーがそうそうはみ出すものではないので、実際には、シャーシの右脇がオンデュリンの壁に当たる、よって、そこを後退せるしかない、ということになります。

仮設ゲートのポールを動かすのは大変なので、そのポールくらいまで壁を後退してもらえば、40F コンテナ車でも、理論上は曲がれそうな気がします。

M 組の社長さんにお願いして、通してもらえるかどうか、というところでしょうかね。

ダメなら、小運搬する必要が出てきてしまい、手間といえば手間でしょうが、山からヤードまでちまちま 4t 車でやることを思えば、大した問題ではないようにも思えます。

結局のところ、こういう問題があって、借地料が安いわけですから、工夫してなんとかするか、受け入れて小運搬するかしかない、ということになります。