可変ピッチのドリル

kegelspalter-selber-bauen-drillkegel日本国内では、ドリル式とか、ネジ式薪割り機と呼ばれているコーンスプリッタですが、作業性を向上させる工夫というか、最近気づいたのですが、Lasco 社のものが非常によく出来ているなと思う点がいくつかあり、その中で特にこれは便利そうだなと思うのは、ドリル部分のネジが可変ピッチになっている点です。

まあ、思っているだけで、実際に使って比較したわけではないので、あくまでも現時点では机上の空論ですが。

写真のとおりではあるんですが、最初の方はピッチが粗いので、高速に食い込むことを優先しており、コーンが太くなり、力が必要になるにつれてピッチが細くなっている様子が見て取れると思います。

実際にコーンスプリッタを使っていると、あと少しで割れそうな、最後のほうで噛みこみ、反転して違うところを割り直す、というような作業をしていることが多いように感じます。

かといって、そういう場合に、トルクを優先して減速比を大きくすると、細いものや割りやすいものの処理に時間がかかるようになってしまうし、じゃあ、ギアを 2 速にするとか、油圧をツーステージ(昇圧バルブを使うとか)にするとか、そういうことをするのか、というと、コストがかかるので、ない選択です。

非常に良いソリューションではないだろうか、と感じています。

別のアプローチとしては、コーンの形状自体、つまり、直径の変化でトルクを調整する、という方法もあるかとは思います。

また、噛みこみに関して気づいた点ですが、今のものはしばらく使わないと表面が錆びて、結果ざらついていることにより、摩擦抵抗が増大して、噛みこみやすくなっているように思います。

と同時に、ねじ山の形状なども、噛みこみ易さと、摩擦抵抗の低減とを考えたものか、ということ、正直、適当に作っただけではないか、という感じがしています。

なので、摩擦を減らすことはそれなりに重要なファクタなのではないだろうか、と思います。

抵抗の軽減について、FISKARS の斧はテフロン加工をしてあるので、単純に、テフロン加工をしたらどうかと思ったのですが、あれは使っていると剥がれてきますし、そもそも樹脂なので、強度があまりない、ということがわかりました。

無難なところでいえば、メッキではないかと今は思っていますが、加工のコストがどれほどかかるのか、という問題がありますね。

割れない薪割り機があって、その原因の一つにウエッジの抵抗があると考えた人が、シリコンスプレーをウエッジに吹いて改善したという事例をブログで見ましたが、まとまったお金をかけなくても、そういう対症療法もあるわけで、そういう実験を重ねて摩擦抵抗が減ると、どの程度作業性にメリットが得られるようになるのか、ということを体感して、コスト対効果についてある程度の知見が蓄積できてから、方法について検討したほうが良いように思いました。

それと、先端のチップの交換についても、英国製のものは、コーン全体を外しさないと交換できないのですが、Lasco 社のものは、写真で見る限り、ピン 2 本で固定する仕組みですが、コーンを外さなくてもピンだけ抜き差しできそうなので、修理も容易そうです。

おそらくは、この先端部分だけ、スタンプグラインダに換装したり、ということをするために、こういう構造になっているのではと思います。

非常によく出来ていますね。

ただ、問題は、高い、ということでしょうか。

結局のところ、少々効率が悪くても、値段が安く、そこそこ使えるものに落ち着いてしまうんですよね。
何事もバランスが重要ですね。