輸入申告覚書 — セットについて

昨日は午前中は、輸入の申告で少し気になっていることがあり、税関に相談をしていました。

気になっていることというのは、いわゆる抱き合わせ販売の商品の申告についてなんですが、要するに商品 A と商品 B とを組み合わせて買うと安くなる、というものです。

この時に、例えば、電動ドリルを買うと、ドリルのケースがついてくる、そして、ドリルのケースの中にドリルが収まって小売り用のパッケージを構成している、こういうものを厳密には「小売り用に1セットとして包装した物品」と言います。単に、小売り用のセット、またはセットということもあります。
そして、その場合、その商品を構成するメイン、この場合は、ドリルの税番を採用して、ドリルそのものとして申告しないといけないのです。

ただし例外として、複数の商品を「小売り用に1セットとして包装した物品」は、そのセット商品の中で最も重要な役割を果たす商品が代表の番号として分類されます。
例えば、「コンタクトレンズの消毒セット」という小売り用にセットにした物品があるとします。この商品の内容は、レンズ消毒液とケースだとすると、商品として重要な役割を果たしているのは、ケースではなく消毒液になりますので、消毒液の税率番号に分類されることになります。

根拠

通則3(b)
最も特殊な限定をして記載 > 一般的な記載 (次頁の事例参照)
混合物、異なる材料から成る物品、セット・・・ 重要な特性を与えている材料/構成要素から 成るものとして決定。

また、ドリルを買うとき、一緒にグラインダを買うと安くなる、そういうケースはどうでしょうか。
たとえば、ドリルが $100, グラインダも $100 で両方買ったら、お得になって $180 だっとような場合です。
この場合は、ドリルとグラインダがまとめて買うことにより $10 づつ値引きされただけなので、ドリル $90, グラインダ $90 として、それぞれの価格と税番で申告します。

さて、ここで問題です。

今販促のために $100 のドリルが、なぜか Amazon ギフトカードと抱き合わせ販売されていて、$50 分のギフトカードがメールで送られてきて、$110 というキャンペーンがあったとします。
ギフトカードはメールで送られてくるため、物理的に存在しないし、輸入もしません。
さて、ドリルは何ドルですか、という話です。

これには答えがあります。
ドリルが壊れていて、ドリル単体を返品しました。
その時に、$60 が返金されたわけです。
つまり、販売者はドリル本体を $60 で販売しているわけです。
ただし、インボイスには、

ドリルセット アイテム数 2 金額 $110

としか書いてありません。
アイテム数が 2 なのは、ドリル 1、ギフトカード 1 で 2 だらかです。

以上のことから、ドリル $60 で申告してよろしいか、と質問したわけです。
夕方に電話がかかってきて、結局、$110 だというんですね。
んな、アホな、と思うんですが、まあ、その根拠は明日聞こうと思います。

個人的に思うこととしては、最低でも次回、ギフトカードを使った部分に関しては非課税扱いにして欲しいと思いますが、これについては、ギフトカードは単体で買えますから、単体で買って、それで 決済すれば脱税し放題になります。
同様の理由から、クーポン券による値引きは、金券支払とみなされ、現金支払いと同様に課税対象となります。

なんでこんな細かいことを気にするのかというと、もし間違えていたら、修正申告をしないといけないんです。
面倒くさい。
たとえば、ロッジの鉄鍋などは割れていたりして、それが倉庫で撥ねられて、既定の数量(インボイス上の数量)積み込まれていないことが後から判明することがあります。
この場合、数は不足しているので、修正申告をすることで払い過ぎた税金を戻してもらえるんですが、例外規定があって、

数量が異なっていたため、納付した関税額が過大であった場合
更正の請求を行い、納付し過ぎた関税の返還を求めます。
ただし、税関検査などで数量が異なることが判明した場合で、その差が3%以内であるときは、その貨物については申告した数量が通関されたものとみなされ、修正申告等の必要はありません(関税法基本通達67-3-14、67-3-15)。

ということで、3% 以内(もちろん、払いすぎで)なら、修正申告をしなくても良いのです。

前回 120 枚のスキレットのうち、3 枚、事故がありましたが、3% 以内ですので、面倒くさいから修正申告はしません。
そして、代替品が今回入ってきますが、不良品の代わりに無償的供された商品という扱いになるので、これもバッチリ課税されるということになります。

納税額が少ない場合は、必ず修正申告をしないといけません。
そうしないと脱税でお縄ということになります。
ふと思い返すと、個人輸入もかれこれ何年もになるんですが、注文した数届かないことは数知れずありますが、注文したよりも多く届いたのは一度だけ、届かないよと文句を言ったら、もう一回送るよ、ってことでダブってどといたケースです。
もちろん、ダブって届いたから、その分払う、ということで精算しましたけど。

なもんで、脱税報告のミスは正直な感想として、故意でないと起こらないと思います。

ただまあ、チャイニーズ相手だと、聞いた話ですが、例えば太陽電池のパネルなんか、100 枚買うと 101 枚届くみたいなんですよ。不良品の保証として、1 枚余分に入れくるらしいんですね。で、それであとは知りませんと。
こういうの、どう処理するんでしょうね。

ちなみに、前回、薪乾燥機を輸入した時に予備部品が入っていたんです。
インボイスにはなくて、パッキングリストにはあるし、これに関しては通関は依頼したんですが、扱いとしては、次のようになります。

まあ、そんなこんなで、午前中は潰れました。

それで、午後はみかんカゴ運びの続きをやりました。
またもや、写真はありません。
なんだかんだで、70% くらいは片付いた感じです。

届いていないと書いてたカッティングシートですが、5 号に聞いたら、片付けたということで、実は届いていましたので、提灯をやりたかったんですが、まあ、それは明日暇な時にでもやればいいかということで、後回しです。

今日は、お宮なんですが、提灯の件を試そうと思います。