ワークフローの改善案

以前、アメリカから薪製造機のパーツを買おうとしたことがあるんですが、最終的には、機械設計のスキルがないので、部品から組み立てることは断念しました。

その中でいくつかのアドバイスを貰ったんですが、Pinosa について書きながら、経験してなるほど、と思うことがあったので、記録しておきます。

この動画もイタリア製の、ほぼプラントと呼べる規模の薪製造機なんですが、もらったアドバイスに、玉切り機と薪割り機は、別々に作れ、というものがあります。

WP36 の場合、薪割り機と玉切り機が高度に融合していて、それはある意味、究極のエンジニアルングともいえる美しさを持っていて、利点でもあるのですが、同時に弱点でもある、そのように使っていて感じました。

ちょっと抽象的な文なので、掘り下げて説明します。

WP36 は、V 字型のレール上に原木をセットするのですが、V 字を構成する手前のレール部分はラム、薪割り用のプッシュプレートですが、これと一体型になっています。
よって、薪割り動作をすると、次に玉切りするべき原木がロードされるという仕組みになっているので、無駄がありません。
時間にも無駄がないし、機械の構造としても無駄がないのです。

ですが、これは弱点にもなります。

まず、原木を送ることはできますが、戻すことはできません。
なので、例えば、40cm の長さで玉切りをしていて、原木の残りが 70cm しかない状態になれば、どうなるか、説明する必要はないですよね?
玉切りをして、玉切りした丸太が落ちるためには、40cm 以上ラムを押し出す必要がありますが、40cm ラムを押し出せば、40cm 原木が送られてしまいます。
原木の長さは 70cm しかありませんから、傾いてしまい、うまく切れなくなります。
また、一度に割れる長さは 60cm までですから、切断しないことには割れないのです。

次に、節などにあたってうまく割れず、噛みこんでしまった場合。
この場合、ラムで押す操作をするのですから、当然に原木が送られてしまいます。
噛みこんだものを取り出そうにも、送られた原木が上部に覆いかぶさっているので、まずその原木をどけなければなりません。
ですが、原木は送ることはできても、戻すことはできません。

なので、WP36 で大切なことは、玉切りについては問題なくできても、薪割りは詰まることがあるので、基本的に難しそうな玉は割らないで排出する、ということになります。

つまり、事実上、玉切り機として考えれば良さそうです。
確実にかみこまずに割れるものだけ割ればよいわけです。

その上で、コーンスプリッターが入ってくれば、φ30cm 以上のものは下処理できるようになるので、噛み込みの可能性などを劇的に下げられると思うわけです。

枝などの細いものは、ステージ上に少し高い作業台を作り、そこで Balfor エンジン丸のこを使い、高速に玉切りしたものを WP36 のコンベア上に排出して、WP36 で作業したものと合流、コンベアの先に選別機を用意しておき、大きすぎるものを弾いて、それを別の薪割り機で小割りにして、また、コンベアに戻して、選別機に掛ける。

動画のものの場合、玉切り部分は純粋に玉切りだけしかできないので、これだけの大きな機械で腕くらいの細いものを割っているので、まさに鶏を割くに焉んぞ牛刀を用いん、というアホな状態になっていますが、その程度の太さのものは、WP36 で割ってから輩出することができるため、WP36 で割れなかったものだけを割り直せば良いと思うのです。

工夫すれば、現在持っているリソースだけで、特に大掛かりな設備投資をせずに、生産性を高める余地はまだまだありそうです。

太陽熱と薪ストーブのコラボのアイデアが現実に!

かわはらさんのブログ でも紹介されていますが、Hunter(ハンター)社のお湯が沸かせるストーブと集熱式太陽熱温水器とが組み合わさったモデルがビックサイトで展示されているようです。

誰でも思いつくレベルのアイデアであるにもかかわらず、今まで出てこなかったのが不思議な感じがしないわけではありませんが、ストーブの輸入業者が提案するようになったのは面白いなと思います。

半年ほど前にハンターの存在を知った時にこのアイデアを記事にしています。

太陽熱温水器の良い所は、エコキュートと比べて安価に導入できる上、メカニカルな可動部部がなく、燃料も要らないので、ランニングコストが限りなく 0 である点です。(集熱式は除く)

うちの太陽熱温水器は、マイコン制御なのですが、電気代を計ったことがありますが、あまりにも使わなさすぎて図れませんでした。

その反面、デメリットとして、季節や天気に強く影響をうけることで、冬場にはどうしてもお湯が不足しがちになります。

薪ストーブと組み合わせることで、冬場のお湯の不足を補えるだけでなく、お湯を使った暖房で薪ストーブの熱が届きづらいところも自然のエネルギー主体の暖房が行える点も、この組み合わせのメリットかと思います。

ただ、今くらいのシーズン、梅雨時に、薪ストーブでお湯を沸かす、というのは非現実的ですから、ガス給湯器と組み合わせたりは必要になってくるとは思います。

今回の集熱式は非常に大規模なものには向くのでしょうが、構造が複雑でコストなので、経済的なメリットが出にくく、更に薪ストーブまで組み合わせると、理想はいいとしても、現実的にはかなりのイニシャルコストがかかってしまいますから、普及する可能性は非常に低いと思います。

薪ストーブ、そして、太陽熱温水器の良さ、それはズバリ、プリミティブであることではないかと思います。
複雑すぎるシステムは良さを殺しかねません。

とりあえず、薪ストーブの可能性を示した、あくまでもショーモデルであって、現実的に売れるものではないのでしょうが、今後の展開が楽しみですね。