究極の薪製造機 — Pinosa

いのり薪 さんのブログを読んでいたら、イタリアに行った、というエントリー がありました。
目的地はオーストリア国境の地方都市、としか書いてないんですが、外したらごめんなさいね、Pinosa 社に行ったんでしょうか?
他に薪屋がイタリアに仕事で行く目的は思いつきません。
ピザ薪の生産について視察に行った、というオチはあるかも。w

究極の薪製造機、というと大げさですが、重松の研究の中で、Pinosa 社の大型薪製造機は、個人的な価値基準ではかなり究極に近いものであると考えています。

今までいろいろな薪製造機、薪割り機について書いてきたのですが、基本的に、個人がお小遣いレベルで買えない大型機について書いてもしかたがないので、端折ってきましたが、ついに Pinosa 社の薪製造機が日本で稼働する日が来るのかと思うと wktk せずにいられませんので、どのような機械なのか、そして、どこが素晴らしいのか、という部分について紹介しておきます。

この機械が優れているポイントは 2 つです。

ひとつは、この動画だとわかりやすいのですが、原木を送る方法と、そのスペースの形状、もうひとつは切断方法です。

まず、原木を送る方法は色いろあるのですが、大部分は、ベルトやチェン、ローラー等で送りますが、これは最低の方法です。
なぜなら、全く確実ではなく、およそまともに送れないからです。

ネットにあるメーカーの動画では、基本的に真っ直ぐで曲がりもなく、枝や節なども綺麗に処理されて電信柱のようなものばかり処理しています。

しかし、現実には、ほぼすべてのものが大なり小なり曲があり、少なくないものには枝や節があり、一部は Y 字になっていたり、という問題があります。

そのような条件の悪い原木の場合、突起物が送り機構の溝等にハマったり、一点に集中して荷重が加わるため安定して送ることができません。

このことはわかりきっていることなので、重松は、スライド送り機構の WP36 を採用したわけです。
スライド送りといっても、100% スライドするわけではなく、摩擦を利用して送るだけなので、やはり節などが引っかかってしまうことがあります。

Pinosa 社の場合は、強力に後ろから推すわけですから、100% 確実に送れることでしょう。
この時、スライド部分の幅が非常に広く、曲がりが強いもの、枝などで多少突起が残っているもの、そういうものが引っかかることがないことがわかります。

ただし、この機能にも決定的な問題点があって、送ることはできても、送りすぎたものを戻すことはできない、という点です。

例えば、40cm 薪を作っているとして、残りの原木の長さが 70cm 程度の時に、先に 40cm を取ると、重心の問題で、原木が傾いて転がり落ちます。(Pinosa 社のものは大丈夫です)
また、木口に矩が出ていないなど、商品にならない部位が最後に存在することもあるので、最後の最後の切断というのは、気を使ってやらないといけません。
WP36 もそうで、一旦送るとバックできないので、送りすぎた時にどうなるのか、というのは非常に気になる部分ではあります。
まあ、運用でなんとかなるのだとは思いますが。

あと、バックできないこととも重なるのですが、玉切りした不良部位の排出、寸足らずであったり、Y 字に分岐している部位、虫食いなどがひどい部位など、製品に混ざってほしくない玉を薪割前に輩出する機構があるかないか、というのも気になりますね。

それと、切断方法。

やはり、究極は丸のこです。
これ以外はありえません。
チェンソーなどはお話になりません。
丸のこは、圧倒的に早く、圧倒的に綺麗に、そして、発生するオガ粉も少なく、かつ、それがチェンオイルで汚染されることもありません。

しかし、小型〜中型の場合、主力はチェンソーで、丸鋸のものは、Balfor 社の SS700、POSCH Leibnitz 社の SC-300, 350, 360 くらいしかありません。

当初は安価な SS700 の購入を考えていて、どの程度の原木が切断できるのかを知るために SC700 を購入しました。
その結果は皆さん知るとおりであって、カタログ値として 300mm の切断性能であっても、実際には 250mm 程度が最大、要するに、椎茸の原木サイズまででないと処理できず、能力が不足していたわけです。

まあ、SC700 自体は非常に素晴らしい機会で、さしに少し触れた最後の最後の切断で発生した半端を商品のサイズに切り詰めなおしたり、そういう作業を、安全・高速に処理できていますし、φ200mm 位までの枝のようなものを切り詰める作業は非常にスムーズに行えます。

SS700 や SC-360 は WP36 よりもかなり高価なので断念したわけですが、WP36 の生産速度に不満が出た時には、Pinosa にアップグレードしようと思っていたわけです。

さすがは、いのり薪 さん、行動力が違います。

それにしても、夢のある話じゃないですか。
薪を作っていて、これほど高価な機械を買うことができる、みんなでイタリアに旅行に行ける、それだけの利益が上がるほど儲かるってことです。

明日からは、もっと頑張れそうですが、残念ながら、一週間は予報は雨だし、無料航空券の期限が切れるので、東京に出張ってきたいと思います。

薪のカゴ詰め

昨日は良く晴れて過ごしやすい一日でした。
夕方、仕事が終わった後に、小一時間ほど薪のカゴ詰めなどをして、整理をしました。

2015-06-06 17.05.40

そしたら真っ黒なブニブニしている怪しいきのこを発見。
facebook で聞いたら「ゴム茸」というものでは、ということでした。

ぐぐってみたら、多分そうなんだけど、だとすると、これ、食べられるようです。

うーん、食べる勇気はない。
あまり美味しくないそうだし。

2015-06-06 17.16.20

とりあえず 3 カゴ積んで帰りました。

重さを計ったら、450kg, 450kg, 550kg でした。(内容量は -60kg)
450kg のものは、もともと配達されていた残りの原木を割ったもので、550kg のものは、配達されたばかりの原木を計ったものです。
1.2m に玉切りして積んでおくだけでも結構乾くようです。

どちらも乾いたら、300〜350kg 位になると思うので、かなり乾いてきているってことですね。

もう十分雨晒ししたので、シート養生して乾燥させたいと思います。