ウォーキングフロア その後の考察

シリンダの本数を減らしたいとか、いろいろ思うところがって、カラクリで実現したらと思ってたんですが、何事もシンプルにするのが一番だろうし、油圧式なら壊れるにしても、修理が楽そうなので、油圧式にしようと思い直しました。

そうすると、それはそれで、課題が見えてきました。

まず、話を単純にするために、荷下ろし(unloding)のモードに限って実現方法を考えます。

あまり厳密に考える必要もないのでしょうが、一応、理想の動きについて整理すると、

  • 床板は 3 つのグループに分かれている。
  • 床板が一斉に排出方向(コンテナであれば、後方の出口)に向かいスライドし、上に乗っているチップ等が一緒に移動し押し出される。
  • 床板のグループのうち、まずグループ #1 が引き込まれ、次に #2, #3 と順次引き込みを行う。摩擦力の問題で、上の荷物は大部分がその場に留まり、引き込まれない。
  • 押し出し・引き込みの動作を延々繰り返す。

とまあ、こういうことです。

ポイントとしては、排出時は床板が一斉に動く必要がある、ということです。
それぞれのグループを独立したシリンダで駆動することになり、それぞれに適当に油を送ると、それぞれのシリンダの負荷に応じて動きがシンクロしないことになると思うんです。
シンクロさせるには、#1, #2, #3 のシリンダに 1/3 づつ圧油を均等に送らないといけません。
そのため、エラい人が考えてくれた proportional flow diver というブツを使えば、あら不思議、そう言うふうに油を送ってくれるんじゃないのかしらと思うわけです。
排出時を押し動作にするか、引き動作にするのか、まあどっちでもいい気がするんですが、気分的に押す感じなので、押すとして、押し側のポートに行く油は、proportional flow diver をかますと言うことです。
まあ、それでそうなるとすると、見かけ上は一本のシリンダになります。

ひるがえって、引き込み動作です。
グループ #1 が動き、一杯一杯引っ込んだら #2 に動作が移り、最終的に #3 が全部引き込まれたら完了ですね。

同じような動きをするものが身近にありますよ。
そう、ユニックの竿ですよ、竿。
竿を伸ばす時、一番太い竿から、2 番目の竿がニョキニョキ伸び、2 番目が伸びきったら 3 番目が伸びてくる。
縮む時もきちんと逆になりますよね。

(3) シーケンス弁
シーケンスとは、あらかじめ定められた順序に従って各段階ごとに制御するという意味です。シーケンス弁は、別々に作動する二つの油圧シリンダの一方の作動が終了したら、もう一方の油圧シリンダを作動させる場合に用います。移動式クレーンでは、ジブの伸縮回路で作動順序を制御するために使用されています。

一次側の油圧が設定圧又はそれ以下の時には、スプールが押し下げられた状態で二次側への油路を閉じています。一次側の油圧が設定圧を超えるとスプールが上に押し上げられて二次側の出口が開きます。なお、シーケンス弁には、スプールを上に押し上げようとする力(パイロット圧)を外部から取る構造のものがあります。

本当にありがたいですね、先人の発明。
後、こう言う情報の公開。

というわけで、この sequence valve, シーケンス弁を使えばですね、あの動きが実現できちゃうわけですよ、多分。

そして、押し動作と、引き動作を繰り返すと言う部分に関しては、reciprocating valve で実現できるとわかっているので問題ありません。

つまりこうです。

圧油があって、それが reciprocating valve に送られて、押しモード、引きモードが勝手に切り替わるわけです。
切り替えの圧力はまあ 3,000 PSI にでもしておきましょうか。

まずは押しモード。
何も考える必要はないので、flow divider に油を送ると、均等に分けて、均等にシリンダを伸ばしてくれます。

次に引きモード。
まず、#1 は何も考えることがないので、そのまま接続。
#2 は #1 が伸びきったら、ということで、伸びきったを判断するのは 2,800 PSI にセットして、回路が 2,800 PSI になったら縮む動作をします。
#1 が引き切ってなくても、回路が 2,800 PSI になったら、#1, #2 に油が送られるのは仕方ありません
#3 も同様に 2,900 PSI にでもしておきます。
#1 や #2 が引き切ってなくても、回路が 2,900 PSI になったら、全てのシリンダに油が送られます、多分。

気になるのは、flow divider や sequence valve の逆流時の動作です。
もう少し、よく調べる必要がありそうです。