ステンレスが溶けてしまう件

見ての通りです。

ステンレスのバッフル板がわずか 2 週間で朽ち果ててしまいました。
これは対策を施した第 2 世代のものです。
まだ時間が取れていないので、現物の確認ができていませんが、三角形のとんがり屋根みたいな部分が火室の奥側、突いて軽く曲げてある方がチップ投入口に近い手前側になります。

写真で見る限りですが、手前の部分が溶けるか、熱で柔らかくなり、自重に耐えられず崩れ落ちる感じになり、その影響で下部の遮熱のためのセラミック板が外れ、ダイレクトに熱にさらされて朽ちていった、という感じでしょうか。

材質に関して確認していませんが、ステンレスだと聞いているので、単純に考えると SUS304 でしょう。

オーステナイト系の耐熱性

一般に550℃を超える温度帯域で優れた機械的性質を示しますが、約600℃~980℃以上の長時間加熱すると、常温や低温でのじん性が低下すると言われています。 SUS304にSiを添加して耐酸化性を高めたSUS302Bや、CrとNiの添加量を増やすことでSUS309SやSUS310Sがあります。

https://www.susjis.info/prop/yaki.html

温度としては、センサーの数字が正確かはさておき、正確だったら 1,000°C を超える熱で長時間加熱され、夜間停止すると、常温に戻る、ということを繰り返すわけで、常温時にじん性が低下したということなのかもしれません。

まあ、そういう専門的なことであるとか、材料・材質の問題なんかは、メーカーさんの方で考えてもらうとして、当面どうしようかという話です。

とりあえず、手前側を補強してみようかという話になって補強をしていたんですが、メーカー側から提案がありました。
バッフルボードは、そもそも生チップなどの水分量の高いものを効率よく燃やすためのものであって、乾燥しているチップを想定していない、というのです。
なので、「必要ない」から外していい、と。

それで、昨日外して運転してみました。
燃焼温度の計測は、センサーをバッフル上部に置いていたのですが、モノ自体がないので設置場所が変わっていて、温度が正確に計れていないように見えます。
あと、当たり前ですが空気の流れが変わったようで、燃焼の様子を確認しようと覗き窓を開けると、風が逆流してきます。
とりあえず、しばらくこれで様子を見つつ、チップの品質等について、煮詰めていく必要がありそうです。

それと、ドライブしながらずっと考えていたのは灰の処理方法です。
セメントで固化してしまうのが最も楽かなと。

V-Interlock を使うことで、灰の処分できて、かつ上質のブロックが手に入ります。

V-Interlock はその名の通り、V 字の溝があり嵌合するので、ブロック自体がズレたりしづらい設計になっています。

ブロック自体のサイズは、どうも標準が 2′ x 2′ x 6′ なので、まあ、この辺のトーフと同じようなサイズですね。
溝があって嵌合するので、コーナー部分は専用の型枠が必要です。
あと、積むとなると当たり前ですがずらして積まないといけないので、サイズ違いのものも必要になりますが、差しあたっては、2′ x 2′ x 6′, 2′ x 2′ x 4′ の Combination Block の型枠があればいいんじゃなかと思うのです。
それぞれ、0.6483, 0.432m3 の容積です。

灰の割合としては、10% だと強度がほとんど変化しない、ということです。
重金属とかの問題は生じないようです。
モルタルとかいてあるので、これはコンクリートの話ではないですが、一例として。
あとは、どうやって練るのかも問題です。

そんなこんなで、今日は、薪割り機の引き取りがありました。
組み立ての際に勘所(と思う点)の説明をしながら、お客さんと一緒に作業し、無事引き渡しました。
末長くご愛用いただければと思います。