インバータ化されたトロンメル

今日は兼務神社の新穀感謝祭でした。
というわけで、薪仕事自体は、全くできていません。
もう 11 月もほぼ終わってしまいましたが、今シーズンの納品ができてないんですよね。
少しでも早く納品をスタートしたいと思います。

さて、K さんのところに里子に出したトロンメル初号機ですが、今まではエンジン駆動だったものがインバータ化されました。

トロンメルというのは、大型の回転式ふるいで、薪から木屑や泥などの汚れをクリーニングしたり、サイズによりより分けたりすることができる装置です。
数年前に初号機を試作しました。
最近、うちでも注文量が増えてきて、2 号機を作ろうと思い立ったのです。

2 号機を作るにあたり、走行減速機のスペックがわかっていないため、その推定のため、周波数と回転速度について、調査をお願いしていたところ、連絡がありました。

走行減速機というのは、油圧モータと減速機が一体になったもので、バックホーとか、パワーショベルとか、ユンボとか言われる機械ですね、これのクローラ(履帯)を回転させるモータです。
このモータを使い、トロンメルのふるい本体を回転させる仕組みを採用しています。
ただ、新品はとても高いので、中古部品を買ってきていますから、スペックが謎なのです。
実物で調べるしかありません。

周波数(Hz) トロンメル回転速度(rpm)
40 5.0
45 5.5
50 6.1
55 6.9
60 7.5

ほぼリニアですね。

この辺にも書いてあるんですが、使っているポンプは GPF1020PC です。

SPECIFICATIONS
Disp. 0.12 cu. in. / rev.
Pump Type Gear
Rotation CW
Pressure:
3190 PSI rated
3770 PSI peak
Speed:
2000 RPM rated
6000 RPM max.
Flow:
0.97 GPM rated
2.90 GPM max.
Mount 2 bolt SAE AA
Shaft 1/2″ dia. x 1-1/16″ long with 1/8″ wide keyway
Rqd. Filtration 25 micron
Inlet Port SAE 8
Outlet Port SAE 6
Size 3-5/16″ x 4-1/32″ x 3-5/16″
Shpg. 5 lbs.

油圧ポンプを駆動するモータは 60Hz の時に 3,600rpm です。
40Hz であれば、2,400rpm です。
0.12 cu. in. / rev な訳ですから、2,400rpm だと、288 cu. in. / min です。
288 cu. in. で走行減速機が 5 回転ですから、57.6 cu. in. / rev である、ということになりなすね。

元々推定した同クラスの走行減速機は、

458.3cc/rev

ということでした。
これは、28.0 cu. in. / rev に相当します。
しかし、実際のところは、57.6 cu. in. / rev であったので、当初の設計の通りの回転数を得るためには、倍の油量が必要ということが判明しました。

それで、現在の回転数で遅いのかどうなのか、ということになるわけですが、ざっと作業を見た程度ですが、その範囲では、6rpm くらいでいいんじゃないのか、というのが正直なところですね。

無論、すでに割ってあるものを一気に処理したいとなれば、また状況は変わるのかも知れませんが。

走行減速機のスペックが分かったわけですから、その油圧源をどうするのか、ということが問題になります。
予想よりも倍必要だったわけで、薪製造機から取り出すので間に合うのかということになるわけですが、製造機で使用されているポンプの性能が分からないので、なんともいえないところですね。

それともう一点ですが、トロンメルへの汎用性の高い定量供給機が必要です。

薪のことだけを言えば、本来は LogFix のようなものが望ましいのですが、ただ、LogFix のようにクリーニングディスクを使うと、チップの選別作業時の定量供給機としては使えません。

同時に乾燥機の燃料のチップをふるいにかける作業の省力化が必要です。
チップ工場からは大型アームロールで納品されるのですが、それをリフトのスコップ(スノーバケット)ですくって、定量供給機で定量トロンメルに投入して、大きなものはつまりの原因になるので除去したいわけです。
スクリューコンベアにすると、薪でこの定量供給機を利用できません。

なので、将来ウォーキングフロアを作成するために、その技術獲得を目的として、投入幅 2m 程度、ホッパ容量 2 — 3m3 程度の小型の試験モデルを作ったらどうかなと思いました。
ふるいの機能は一切持たせず、純粋にバッファと定量供給とに機能を限定するわけです。
これすら作れないようだと、40ft コンテナサイズのものを作ることはできないと思いますから。

ただ、ウォーキングフロアにすると、3 つのグループを作って、非対称な動作をさせないといけないので、ちょっと面倒くさいわけです。

乾燥機のチップビンの wedge floor 方式でもいいんじゃないかと思うんです。
これだと、reciprocating valve ひとつで駆動できるため、極めてシンプルですから。

これが実現すれば、ホッパにある程度薪を貯められるので、製造機を止めることなく、選別作業を行いつつ、選別が終わったものがいっぱいになったものを輸送したりと、作業効率も上げることができるのではないかと思います。